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『足のうら怪談 全』

足のうら怪談 全.jpg 庵堂ちふう『足のうら怪談 全』私家版(15)を著者より送っていただきました。ありがとうございます。著者・庵堂ちふうさんについては2013年10月24日の記事をお読みください。
 前の記事に書いた冊子2冊『足のうら怪談 魚の目』『足のうら怪談 土踏まず』に、未刊行の『足のうら怪談 メラノーマ』、それに短編「ぼくの家族は、いい家族」を加えたものです。刊行済みの冊子2冊はすでに読んでいますので、ほかの作品のみを読みました。
「みちのくストリップティーズ(long ver.)」が圧倒的に私好み。いわゆる怪談より、こういうユーモアタッチのほうが好きですね。
 この本には他作品と比べて群を抜いて長い(といっても文庫本20ページ程度ですが)小説が2編収録されています。どちらも異様なムードを持っていて、特に「迷妄母娘」は読んでいるうちに、いや~な気分になってきます。作者の意図は見事に達成できているのではないでしょうか。
 短いものでは、「pop.0001」「カフェラテ」とか、途中まではとても面白いんですが、結末で肩透かし。いやまあ、怪談とはそういうものなのでしょうけれど、ショートショート好きの目から見ると物足りません。これは好みの問題でしょうね。
 そして30ページ以上もある「収録されているすべての作品より長くなってしまうという、異例の事態が勃発しているあとがき」、楽しかったです。
 ありがとうございました。

【追記】
 読んでみたいと思われた方はこちらをご覧ください。取扱店舗が紹介されています。
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映画『禁断の惑星』


 映画『禁断の惑星』を観ました。昨夜の『宇宙水爆戦』と同じく1950年代SF映画の代表的な名作です。
禁断の惑星.jpg この映画を観るのは何年ぶりでしょうか。前に観てから、少なくとも20年は経っていると思いますが、意外にもストーリーをけっこう詳しく覚えていました。
 今回、船長役の俳優がレスリー・ニールセンであることに気がつき、びっくりしました。『裸の銃を持つ男』ほか、おバカ映画で私を魅了したニールセン! そうとわかっても、同一人物には見えません(笑)。

 そういえば……と思い出したのが、ちょっと前のR-1ぐらんぷりです。

 ネタを見ている間、頭のなかをイドの怪物が占拠していました。
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『日本ショートショート出版史~星新一と、その時代~』

日本ショートショート出版史.jpg『日本ショートショート出版史』ですが、先週末、とりあえず脱稿しました。いや脱稿といっても下書きというか初稿というか、要するに未完成品です。
 書き始める前から、この段階でショートショートや星新一に詳しい方々に目を通してもらい、チェックしてもらおうと考えていました。
 さて、どのようにしてお送りするか。考えた末、せっかくだからと冊子化することに決定。あくまでも打ち出し原稿に過ぎないんですが、この体裁は前代未聞でしょう(笑)。(けっこうたくさん作りました。時間かかったよ~。インクの消費量、半端じゃなかったよ~)
 予定よりも早く書き上げることができたのは、表紙を見ていただければわかりますが、編年体で詳述するのは1957年から1997年(要するに星新一デビューからご逝去まで)にし、あとは略史という形でまとめたからです。で、タイトルを『日本ショートショート出版史~星新一と、その時代~』と改めました(もちろん仮題ですが)。
 体裁は立派ですし、内容も悪くはないと思うのですけれど、読み返すと冷や汗が出ます。いいかげんな推敲に加え、版下作り&校正は完全なやっつけ仕事。活字のポイント数を下げるべきなのに下がっていない箇所多数。15+10+10という簡単な足し算を間違えるなんて恥ずかしいミスも……。また、すでに新たな事実(→「戀のテンセン・マアケット」)が判明していますし……。いやまあ、初稿はこんなもんです(苦笑)。

 ということで一昨日、チェックをお願いしてある方々に向け、発送いたしました。特に遅れることがなければ、本日お手元に届くでしょう。
 ゆっくりと時間をかけて、完成に近づけていきたいと思っています。どんな些細なご指摘でも歓迎です。どうぞよろしくお願いいたします。

【追記】2月27日
背.jpg お送りした方々から、続々とメールが届いています。おおむね好評で、ひと安心。
 ただ、いささか誤解されている方もいるようなので、改めて書いておきます。これ、ただの打ち出し原稿で、出版物ではありません。内容をチェックしていただくために印刷したもの。当たり前ですが、売る気なんてありません。
 15部も印刷しました(→右の画像)から、打ち出し原稿としてはかなり多いですね。え? 打ち出し原稿には見えない? いやいや、体裁にとらわれてはいけません。誰がなんと言おうと、打ち出し原稿なんです!(きっぱり)
 皆さま、頼りにしてます。

【追記2】
「別冊奇想天外NO.12 SFゴタゴタ資料大全集」奇想天外社(80)と並べてみました(コメント欄参照)。
 この雑誌にはものすごく思い入れがあります。自分も執筆していることもありますけれど、それだけではありません。いろいろなリスト作りに適した方々を何人も編集部に進言し、その多くには私が執筆を依頼したのです。皆さん快く引き受けてくれました。
 久しぶりに手に取り、そのころのことが思い出されました。いやしかし、もう35年も前のことなんですね。あのころはSFマニアだったなあ。なんでも読んでたし、なんでも知ってたなあ。←遠い目になっております。
「別冊奇想天外」と.jpg
 あ。何冊か、同じ本がある!
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映画『宇宙水爆戦』


 映画『宇宙水爆戦』を観ました。この映画をネタに某所で盛り上がっていて、無性に観たくなったのです。2009年11月9日以来、約5年ぶりの再々鑑賞(再々々鑑賞?)であります。
 50年代SF映画の代表格にして、問答無用の大傑作。何度観ても楽しいですね。で、またも心に残るはメタルーナ・ミュータント。ほんと、最後にちろっとしか登場しなくて、情けなく消えていくんですが、それでも印象に残ります。まさにBEM(bug eyed monster:昆虫のような目玉をした怪物)の権化! 魅力的です。
 あー、楽しかった。
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学研M文庫

 学研M文庫がなくなってしまうそうです。
 ふだん、さほど気にしている文庫ではないし、欲しい本はだいたい買っていると思うんですが、私の気がついていない本もあるかもしれず。
 うちにあるのはこんなところ。
学研M文庫.jpg
 いやあ、少ないですね。
 これら以外で、私が買っておいたほうがいい本(要するにショートショート関連)、何かありますでしょうか。
 ご存じの方、ご教示いただければ幸いです。
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「戀のテンセン・マアケット」

 ハードSF研究所の公報「Hard SF Laboratory」で『日本ショートショート出版史・覚え書き』という連載を始めたことは、今月12日の記事(→これです)にて報告しました。
 公報138号をお持ちの方は36~37ページをご覧ください。
『日本珍探検』(日本公論社/1933年)に関して、
>ショートショートの見地から私が注目するのはテオドル・シェーズ「恋のテンセン・マアケット」だ。どうやらコント集(現在のショートショート集)らしいのである。(現物を確認していないため、こういう書き方しかできず、悔しい)
 と書きましたが、早くも訂正事項が発生。
 お馴染み尾川健くんのご協力によって、「恋のテンセン・マアケット」(正確には「戀のテンセン・マアケット」)はテオドル・シェーズのコント集ではなく、シェーズ作品1編を含むコントのアンソロジー(9作家による10編を収録)とわかったのです。
 ネット検索によって、このうち9編は雑誌「新青年」に訳載されたコントからの再録らしいと判明しました(「新青年」現物をチェックしたわけではないので、あくまでも「らしい」です。1932年8月夏季増刊号掲載の4編、1933年2月新春増刊号掲載の5編)。残りの1編は不明ですが、おそらく同様に「新青年」からの再録と思われます。もちろん、新たに訳したものという可能性もあります。
 ともあれ、長年のもやもやが(100パーセントとは言えないまでも)晴れました(嬉)。
 尾川くん、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。
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『タイムトラベル映像読本』ほか

 ちょっとメール便を出しに行ったついでに足を延ばし、近所のブックオフ散歩。ここのところ本屋(新刊書店も古本屋も)というものに行っていないので、なんだかわくわく(笑)。ふだんの2倍くらいの時間をかけ、じっくり見ちゃいました。
◎岸田靖編「別冊映画秘宝 タイムトラベル映像読本」洋泉社MOOK(14)
タイムトラベル映像読本.jpg ブログで何度も書いていますように、私はタイムトラベル映画が大好き。見た瞬間に購入決定です。ぱらぱらとページを繰ると、リンゼイ・ワグナーの巨大な水着写真が! おお、『過去へ旅した女』も採り上げられているのですね(嬉)。
 大きく採り上げられている映画やTVドラマは全10作。え~と、TVドラマ『ドクター・フー』以外は観ていますね。この10作以外の作品はコラムで紹介されているようです。さてさて、まだ観ぬ傑作に巡り合えるのでしょうか。
 いやあ、これは楽しめそうです。
◎DVD『七瀬ふたたび』全4枚
 渡辺由紀主演のTVドラマです。このドラマはリアルタイムで観ていましたし、録画したビデオテープも残っていますし、何年か前、ビデオをDVDに焼きましたし……。
『七瀬ふたたび』、大好きなんです。
七瀬ふたたび.jpg
 ということで、ほくほくと帰宅しましたら、尾川健くんからの封筒が届いていました。何も聞いていませんから、はて? と開封すると――
 コピーと『冒険の森へ』の販促冊子がはいっていました。
冒険の森へ.jpg 冊子はともかく、コピーには驚きましたね。ここで内容紹介はしませんが、めちゃくちゃ嬉しいです。こんなコピーを送ってくれるなら、事前に知らせてくれればいいのに、人が悪いなあ――とは思いつつも、実は今日発送したメール便のなかに尾川くん宛ての封筒もあったのでした。私も特に事前連絡はせず……。お互いさまですね(笑)。
『冒険の森へ』冊子は以前、「ショートショートや掌編がいくつか掲載されていますよ」と教えてもらい、新刊書店に行ったら確認しようと思っていましたが、冒頭にも書きましたように書店とはご無沙汰していますので未確認でした。
 掲載されているのは桐野夏生「蜘蛛の巣」、皆川博子「風」、小松左京「沼」、北方謙三「カウンター」の4編。おお、これはショートショート・アンソロジーではないですか。
 いつもお気づかいいただき、ありがとうございます。
 おっと。『冒険の森へ』は今年5月に刊行が開始される集英社のアンソロジー全20巻です。各巻にショートショートや掌編も収録され、私も注目しています。
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映画『シー・オブ・ザ・デッド』

 久しぶりの更新です。う~~~ん、1週間ぶりですか。いやまあ、本は(買ってないけど)読んでるし映画は観ているし、ブログに書く材料がないわけではないのですよ。ないのは、ブログを更新するパワーだけ(苦笑)。
 そんな状況ではありますが、あんまり更新しないのもいけないかなと思って、最近観た映画のうちの1本を――
『シー・オブ・ザ・デッド』です。ブラジルのゾンビ映画。

 魚ゾンビに噛まれると、あるいは魚ゾンビ料理を食べるとゾンビになるという設定みたいですが、途中からそんなことはどうでもよくなってしまいます。
 いやあ、きちゃない。ただひたすら、きちゃない映画でした。汚ムービー、数あれど、汚度だけで評価するならトップクラスと思います。そして、最後には驚天動地の×××ゾンビの登場!
 楽しかったので、オーケーです。ブラジル・ホラー、パワフルですね。

 以上、生存報告でした。
 すみません。あとしばらく、こんな状態が続くと思います。
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映画『てなもんや三度笠』


 幼き日、連続TVドラマ『てなもんや三度笠』を楽しく観ていました。といっても具体的な記憶はなく、楽しかった印象が残っているだけです。もちろん、「当たり前田のクラッカー」は脳裡にこびりついていますが。
 ネット検索してみますと、1962年5月6日から1968年3月31日の放送。私は4歳から10歳です。もし10歳のときにも観ていたら、もうちょっと鮮明な記憶が残っていそうな気がしますが、そのころには観てなかったのかもしれません。裏番組で、もっと観たいものがあった可能性もあります。
 半世紀経って、一昨日に映画『てなもんや三度笠』、そして今晩、『続てなもんや三度笠』を観ました(ともに1963年製作)。
 多くの芸人、喜劇役者が出ていて……うわあ。皆さん、若い! それに、あんかけの時次郎と珍念、いいコンビですねえ。
 テレビと映画の違いとか、そういうことはわからないのですけれど、楽しかったです。
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『日本ショートショート出版史』

 ハードSF研究所の公報「Hard SF Laboratory」138号が届きました。石原藤夫さん、ありがとうございます。
 いつも新たな号が発行されるのを楽しみにしていますが、今回はまた格別です。というのも、今号から私の連載がスタートするのです。
HSFL138号.jpg 題して、『日本ショートショート出版史・覚え書き』。――星新一のデビューした1957年を起点として編年体で、その年の出版物や出来事を書き綴っていく試みです。もちろん、必要とあれば過去の出版物や出来事にも言及します。
「覚え書き」と添えたのは、本稿がまだ執筆中で、決定稿ではないため。現在も継続中ですが、書いているうちにいろいろ思い出し、数多く加筆・修正しています。最後まで書き終え、全体的なチェックが終わった時点で「覚え書き」は外します。
 ブログでも何度か、昨年12月中旬よりショートショートどっぷりの生活をしていると書きましたが、実はこの執筆のためでした。これだけにかかり切りになるのは不可能ですけれど、とにかく時間のあるときは書いています。
 執筆開始から2ヶ月弱。現在では1989年まで書き進めました。いやいや、まだまだ先は長い……。
『ショートショートの世界』もそうでしたが、本稿もまた、執筆依頼のないまま、もちろん出版の目途もないまま、執筆をスタートさせました。出版を検討したいなんてご連絡をいただけますと、気が狂いそうに喜びます。
 ともあれ、最後まで書きましょう。
 頑張りま~す。

【追記】
 あ、そうだ。情報を解禁しましたので、これも書いておきましょう。
 実は先月、ネオ・ベムSSシリーズの4冊目を作りました。『日本ショートショート出版史 黎明編〔1957~1970〕』です。タイトル通り、1957年から1970年のショートショート出版史をまとめたもの。こんな感じ(下の画像参照)で、カラーの書影をばしばし掲載しています。いや何、書いているうちに作りたくなっちゃんたんですよね(笑)。(例によって)試作版1冊のみ作製。ハードSF研公報に掲載されるのを念頭に書いていますので、横書きです。
 どうして1970年までかというと、特に深い理由はありません。版下を作るのに飽きただけです(笑)。いやほんと、ちょっと作ってみたかっただけなので……。
日本ショートショート出版史.jpg サンプルページ.jpg
 サンプルページは1963年。樹下太郎や城昌幸について書いているあたりです。『プロムナード・タイム』や『みすてりい』から波及して、あれやこれや。
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「小さな暗殺者」

 前の記事の続報です。
 森田裕さんから、ちょうど同じ月号――「宝石」1961年9月号に、ブラッドベリ「小さな暗殺者」の翻訳(柳泰雄訳)が掲載されているとの情報をいただきました。
 さっそく当該誌を確認。おお、確かに!(目次ではブラッドベリー、本文ページではレイ・ブッラドベリイとなっているのはご愛敬ですね)
 同じ月号でこのようなことが……。このとき、いったい何が起こっていたのでしょう。見当もつきませんけれど、無性に楽しいです。
宝石1961年9月号.jpg 小さな暗殺者.jpg
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「ちいさな殺人者」ほか

 新刊書店に行ってきました。
◎赤瀬川源平『妄想科学小説』河出書房新社(15)
 ショートショートとエッセイ、計35編を収録。
◎萩尾望都『銀の船と青い海』河出文庫(15)
 27編収録。単行本(河出書房新社/2010年)に7編を新たに追加掲載と書かれていますが、単行本版には28編が収録されておりまして、はて? チェックしないといけないですね。
妄想科学小説.jpg 銀の船と青い海.jpg
 先月末、この店の2階に古書店がオープンしました。もちろん覗きます。
◎「話の泉 特別号 艶笑奇談百家選」
「笑の泉」1961年9月号と12月号の合本。購入した人が勝手に合本にしたのではなく、この形で発行されたようです。背の画像も並べておきます。
 その9月号の目次を見たら、加藤正美「ちいさな殺人者」というのがありました。翻訳ではなく、創作という扱いです。
 気になり、当該ページを見てみましたら――
 うわ、これは! 間違いないぞ。
 ええ、買うことにしました。
 主人公はアリス・ライバーという女性で……、いやまあ、これ以上書くのはやめましょう。気になる方は、この記事をご覧くださいね。
話の泉.jpg 背.jpg ちいさな殺人者.jpg
 マニアの間ではよく知られていることかもしれませんが、私は知りませんでした。こういう発見は本当に嬉しいです。
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ふたつの「赤き酒場」

 お馴染み、山本孝一さんからファンジン「赤き酒場」創刊号(半村良のお客になる会/1976年8月1日)をいただきました。このブログでも何度も採り上げています。半村良ファンクラブの会報――ではなくて、いや、半村良ファンクラブの会報ではあるのですが、この「赤き酒場」はブログでは一度も採り上げたことがないのです。
 先日、とある調査をしていてまして、私の知らない「赤き酒場」の存在を知りました。半村良ファンクラブ〈続半村良のお客になる会〉、さらにはその前身〈半村良のお客になる会〉の時代から会員だった山本さんに尋ねましたら、すぐに調べてくれて、「なぜか2冊あった。1冊進呈する」と。
 え~、ややこしい書き方はやめましょう。要するに、私が以前から知っていたのは〈続半村良のお客になる会〉発行の「赤き酒場」(創刊は1978年1月20日)で、新たにいただいたのは〈半村良のお客になる会〉発行の「赤き酒場」(創刊は1976年8月1日)なのです。発行人は同じで、加戸利一さん。
 私は加戸さんとも昔から親しくさせていただいていますが、お付き合いが始まったのは〈続~〉になってからです。いやあ、同じ誌名の会報があったとは、知りませんでしたねえ。
 山本さん、ありがとうございました。
赤き酒場(旧).jpg 赤き酒場(新).jpg
 左が古いほう、右が新しいほうです。いやまあ、どっちも古いですけど(笑)。
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「星は生きている」整理

 筒井康隆「星は生きている」を整理します。

「宇宙気流」第33号(1965年7月18日発行)の次号予告に「星は生きている 筒井康隆」と記載。しかし「宇宙気流」第34号(1965年8月21日発行)に掲載されたのは「ラッパを吹く弟」(櫟沢美也名義/伊藤典夫の解説付)だった。
 実際に「星は生きている」が掲載されたのは、「パラノイア」第7号(1965年7月25日発行/伊藤典夫の解説はなし)だった。
 で、現在、「宇宙気流」の未掲載原稿のなかに、「星は生きている」(伊藤典夫の解説付)が残されている。

 発行日はあくまでも目安です。その日に発行されているとは限りませんから。
 とはいえ、短い期間に何かあったことは確かです。いったい何があったんでしょうね。勝手に想像しますと――

 もともと伊藤さんが筒井さんに託された原稿は2編あり、どちらも「宇宙気流」に掲載する予定だった。ところが、筒井さんのもとに「パラノイア」から寄稿要請があり、じゃあ、どちらかを「パラノイア」に回そうということになった。筒井さんの判断か伊藤さんの判断か、あるいは「宇宙気流」と「パラノイア」の相談の結果か、それはわからないが、「星は生きている」は「パラノイア」に、「ラッパを吹く弟」は「宇宙気流」に掲載されることとなった。

 真相は当事者だけが知っている――わけですが、50年前の出来事ですからねえ。私だったら、たぶん忘れてます(笑)。
宇宙気流33号.jpg 宇宙気流34号.jpg パラノイア7号.jpg
――書影は石原藤夫さんのファンジン資料集より――
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「星は生きている」続報

星は生きている.jpg 林芳隆さんから筒井康隆「星は生きている」原稿のコピーをいただきました。(この記事のコメント欄参照)
 伊藤典夫さんによる解説原稿のコピーも添えられていました。以下、抜粋します。

「NULL」創刊号(一九六〇年六月)に載せた「お助け」よりもっと前の作で―中略―このころまだ、SFは二つか三つしか読んでいなかったとか……文字通り、筒井氏の処女作といっていいでしょう。

 うわあ。これは貴重な証言ですね。
 林さん、ありがとうございます!!!!!
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映画『センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島』


 映画『センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島』(2012年)を観ました。原作はヴェルヌ『神秘の島』。どうして『神秘の島』が「センター・オブ・ジ・アース」なのか? というツッコミはさておき(笑)。
 後日談ですから、ヴェルヌ『神秘の島』を期待して観ると、がっかりします。まあ、これはこれとして楽しめましたけれど……。
『神秘の島』の映像化作品を観るのは、レイ・ハリーハウゼン特撮の映画『SF巨大生物の島』(1961年)、TV映画『ミステリアス・アイランド(2部作)』(2005年)に続いて3度目です。マイベスト、それも群を抜いて好きなのは『SF巨大生物の島』だなあ。
 下の画像は『ミステリアス・アイランド』です。
ミステリアス・アイランド.jpg
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『デパート殺人事件』

 昨年12月中旬以降、ショートショートどっぷりの生活をしています。いま、ちょうど道半ば。ゴールはまだまだ先ですが、さすがに疲れてきました。ほんと、ショートショートで頭が爆発しそう(笑)。
 気分をリフレッシュさせるため、道楽に手を染めることにしました。――ええ、本作りです(笑)。
 昨日と今日、わしゃわしゃと作業し、つい先ほど完成。2ヶ月前にカバーデザインだけして放置してしまった『デパート殺人事件』です。私が高校時代に発行したガリ版冊子(→この記事参照)の復刻版。
デパート殺人事件.jpg 背.jpg
 なかなかいい感じに仕上がったと思います。
 関係者のほか、もどきな方々にお送りしますね。しばしお待ちください。

 さあ。明日からまた、ショートショートどっぷりだ。
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「星は生きている」

 ゆえあって、SF同人誌「パラノイア」7号(1965年7月25日発行)を手に取りました。この記事に表紙と目次の画像をアップしてありますので、どうぞご覧ください。
 目次に、筒井康隆「星は生きている」とあります。はい、『にぎやかな未来』に収録されているショートショートです。この時代、プロ作家がファンジンに寄稿することはさして珍しいことではなく、それ自体は驚くに当たりません。
 しかしながら、その紹介ページに――
>「星は生きている」は、筒井氏のSF処女作との由。文体と用字から考え、やや信じがたい節もありますが、とにかくずっと前に頂戴してストックしておいたもの。
 と書かれていることに気がついてしまいまして……。
 ええええええーーーーーー!!! でありますよ、ほんと。
 もしかしたらよく知られていることなのかもしれませんが、私は知りませんでした――と思います。忘れている可能性もあります(笑)。
 こういう発見って、ものすごく嬉しいです。にやにや。むふむふ。
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映画『楢山節考』

 ここ1ヶ月半ほど、ショートショートどっぷりの生活をしています。いやあ、楽しいけれど、大変。
 その反動で、本は買わないわ、ブログの更新ペースは落ちるわ、観た映画のことばかり書いているわ。――すみません。まだ1ヶ月くらいはこんな状態が続くと思います。
 というわけで、今日も映画です。

 だいぶ前、映画『デンデラ』を観ました。(→この記事
>『楢山節考』のサバイバル版と勝手に想像していて、いやそれは決して間違ってはいないのですが、途中から、そんなことはすっかり忘れてしまうような展開となり……。姥捨て映画を観ながら、まさか『アマゾネス』や『グリズリー』を思い出そうとは!(笑)
 なんだか急に『楢山節考』(1983年版)を観たくなって……。超久しぶりに観ることにしました。

『デンデラ』も楽しかったけれど、『楢山節考』は格が違いますね。2時間あまりがあっという間に過ぎ去りました。改めて――傑作、と思います。
 ブログを書くために予告編の映像を探していたら、ドリフターズのパロディが……。

 うわあ。『デンデラ』を予見していたのかあ(笑)。
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