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逆王手

 2日前の記事で――
> ほとんどの日本人は何も考えずに日本語を話していて――まあ、当たり前と言えば当たり前なんですが、それが誤用の氾濫や奇妙な言葉の誕生につながっていると私は思っています。
 と書きました。
 いま、プロ野球の日本シリーズ第6戦をテレビ観戦しています。ロッテの3勝2敗で迎え、ロッテが勝てば優勝、中日が勝てば第7戦にもつれこむという重要な試合です。
 手に汗握る接戦で、試合自体には大満足なんですが……。
 ちょくちょく画面に表示される「M日本一か? D逆王手か?」が目障り。アナウンサーが何度も口にする「中日が勝って、逆王手をかけるか」が耳障り。
 いったい何が「逆」なんでしょう。中日が勝ったからって、逆に王手をかけるわけではなく、ロッテが王手をかけている状況に変わりはありません。
「王手」の意味を考えれば、「M日本一か? Dも王手か?」であり、「中日が勝って、ともに王手に持ち込むか」ではないでしょうか。ほんと、何も考えずに日本語を話してますねえ。情けないです。
 ふと思いついてネット検索してみたら、多くの人たちが同じ思いを抱いている様子です。ほっとすると同時に――
 しっかりせえよ。>アナウンサー&スポーツ・マスコミ
 であります。
 現在、13回表を終わって2対2の同点。さあ、試合に集中しましょうか。

【追記】11月7日
 結局、試合は延長15回の末、引き分けに終わりました。試合時間5時間43分は日本シリーズ最長とのこと。思い切り夜更かししてしまいました。
 今夜もまた、「逆王手」が連発される放送になるんでしょうね。はたと思えば、これぞまさに『バカにみえる日本語』(笑)。
 こういう言葉こそ、放送では使わないようにしていただきたいものです。→『使えない日本語』

【追記2】
「逆王手」をネット検索していたら、ここに――
>王手じゃなくて「リーチ」、逆王手でなくて「追っかけリーチ」、と表現すべきだ!
 おお、納得! 拍手です。しかし、新聞の紙面などでは使いづらいでしょうね(笑)。
コメント(3) 

コメント 3

サイトー

確かに「逆王手」ではなくて、「追っかけリーチ」ですね。
納得です。
ということで、日本シリーズを麻雀で表現したらどうなるだろう……というショートショートを作ってみました。

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『日本シリーズを麻雀で』 齊藤想

「プロ野球日本一を決める日本シリーズもいよいよ大詰めです。最初にリーチをかけたのはロッチでしたが、引き分けを挟んだ第七戦に中目が勝利し、追っかけリーチをかけて迎えた第八戦。
 この試合ももつれにもつれましたが、いよいよオーラスである九回裏ツーアウトを迎えました。しかし、ランナーは満塁。抑えのエースである小森が苦しんでいます」
「ここまで北暗子落としの投手リレーでベタ降りをしてきたのですが、ついに安牌がなくなりましたね。ここは危険牌でもなんとか通すべき局面です」
「さあ、ヒット一本でも同点。長打なら逆転の場面です。さあ、小森が投げました。打った~。外野を抜かれた~。ついに振り込んでしまった~。中目が南四局でロッチを捲くりました。解説の桜井さん。中目の勝因はどこにあるのでしょうか」
「いやいや、まだ終わったわけではありません」
「それはどういうことですか?」
「こういう試合の後というのは熱くなるものです。ラスト半荘のつもりがもうひと半荘、さらにもうひと半荘となり、ついには徹夜麻雀になるものです。ほら、両監督がベンチから出てきました」
 しばらくして、球場にアナウンスが流れた。
「両監督の協議により、日本シリーズは続行となりました。このまま試合は第9戦に突入いたします。中目の先発投手は……」

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失礼いたしました(汗)

by サイトー (2010-11-07 23:30) 

高井 信

 追っかけリーチ(笑)をかけられることもなく、ロッテが日本シリーズで勝ちました。
 私は名古屋で生まれ育ちましたが、40年以上前からロッテのファンです。日本一かどうかは別として、ともあれ嬉しいです。

 斉藤さん。
 着眼点はいいですが、中途半端ですね。こういう小説を書くなら、すべてをマージャン用語で統一しなければ。
 横田順彌さんの大傑作「麻雀西遊記」を読んでみてください。

 今日も夜更かし……。
by 高井 信 (2010-11-07 23:48) 

サイトー

アドバイスありがとうございます。
もっと精進します!
by サイトー (2010-11-08 23:48) 

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