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『使えない日本語』

 このブログでも何度も書いていますように、私は日本語が大好きです。当然のことながら、差別語も好きです。――と書くと、語弊があるかもしれないですね。差別語にまつわる動きを見ているのが好き、と言い換えましょう。
使えない日本語.jpg 差別語に関する本も好んで読んでいまして、1ヶ月ほど前ですが、放送批評懇談会編『使えない日本語 放送タブーの実態』いれぶん出版(75)という本を読みました。差別語問題が大きく採り上げられ、マスコミが放送禁止用語なるものを定めるようになって、間もないころに出版された本です。
 当時の状況がダイレクトに伝わってきて、それだけでも興味深いですし、何より圧巻は、各テレビ局が独自に作成した「放送禁句集」ですね。NET、TBS、ABC、民放連、NHKの内部資料が冒頭60ページ近くにわたって掲載されているのです。
 こんな言葉まで放送で使わないようにするの? と呆れるような言葉がずらり。差別語に対する私の考えはここに書きましたので、重複は避けますが、ほんと、「アホらし」としか言いようがないです。
「言葉狩り」と差別.jpg この手の本ですと、週刊文春編『徹底追及「言葉狩り」と差別』文藝春秋(94)も面白かったですね。読みながら何度も苦笑したことを思い出します。「第二章「白雪姫」は差別童話か?」なんて大笑いです。巻末には資料「主要マスコミ「言い換え」用語集」も収録されていて、これも愉快でした。
 こういう本を読んだことがないという方、何でもいいですから、お読みになることをお勧めします。ナンセンスでシュールな世界が堪能できるかも(笑)。

バンパイヤ.jpg とまあ、このような記事を書こうと思ったのは、現在、TVドラマ『バンパイヤ』を観ているからでありまして……。
 言うまでもなく、手塚治虫の名作マンガ『バンパイヤ』を原作とするドラマです。放送されたのは1968年~69年ですから、私が小学生のころです。実写とアニメの融合が実に斬新、そして新鮮。毎週、楽しみにしていたものです。
 42年ぶりの再鑑賞ということになりますが、ただ懐かしいだけではなくて、いま観ても面白いと思います。
 ま、それはさておき――
 このドラマでは「めくら」だの「おし」だの「きちがい」だの、いわゆる放送禁止用語が当たり前に使われているんですね。こんな言葉を聞いても、小学生の私に差別意識が生まれることも助長されることもありませんでした。「めくら」と聞けば「目の見えない人」と、「おし」と聞けば「言葉の話せない人」と理解していただけです。「きちがい」は、そのまんま「きちがい」だったかな?
 こういう人が大多数だと思うんですけどね……。
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