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「科学画報」のこと

『戦前『科学画報』小説傑作選1』という本が発行されるそうです(商業出版ではなく、ファン出版。詳細はここに)
「科学画報」に掲載された小説のアンソロジーとのこと。いやはや、これはすごいですねえ。
 私が「科学画報」という雑誌を意識したのは遙か昔、おそらく最初は橫田順彌の連載「日本SFこてん古典」であったろうと思います。調べてみますと、「SFマガジン」1975年3月号(196号)掲載の「第24回 「新青年」と「科学画報」」ですね、きっと。(単行本では第2巻に収録の「第25回〈新青年〉と〈科学画報〉」。ちなみに、この回には岡田正哉さんの発行された「ベム」11号も紹介されています)
SFM196号.jpg 日本SFこてん古典2.jpg 日本SFこてん古典2(文庫).jpg
「科学画報」の項で大きく紹介されているのは、同誌で開催された科学小説コンテスト(懸賞科学小説)です。あまり知られていないと思いますが、このコンテストの入選作品はSFファンジン「ルーナティック」第6号(1970年8月1日発行)の別冊付録として、再録作品集が発行されています。貴重なファン出版ですね。
 続いては……。荒俣宏『大東亞科學綺譚』筑摩書房(91)に収録の「火星の土地を売った男 原田三夫」だったでしょうか。この本はちょっと前、2012年1月30日にも手に取りました。「冷凍を愛した熱血漢 発明事業家・星一」なんて章もあるし……見れば見るほど、すさまじい本ですねえ。
ルーナティック6号.jpg 別冊付録.jpg 大東亜科学綺譚.jpg
科学画報・創刊号.jpg そして、つい最近です。
 石原藤夫さんが「科学画報」の資料をまとめられました。全表紙、全目次、全小説リストを収録。
 そういえば石原さんはご自身の掲示板で、<「科学画報」の大正12年4月号(創刊号)から昭和36年6月号(終刊号)までに掲載された小説の篇数はほぼいくつか。ただし連載は一回を一篇とする。>というクイズを出題されました(出題はここ。答えはここ)。ご自身でデータを整理された上で出題されているわけです。まさに石原さんならでは、ですね。(右の書影――「科学画報」創刊号は石原さんの資料より)

 と、あれこれ書いてきましたが、私は「科学画報」は1冊も持っておらず、読んだこともありません。今回のファン出版は大歓迎。ぜひぜひ買いたい、ぜひぜひ読みたい。
 ありがたいことに、お馴染み北原尚彦さんからメールが届いています。「こんなん出まっせ。私は買いまっせ。よかったら、高井さんの分も買っておきまっせ」。
 毎度のことながら、ありがとうございます!
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