TVドラマ『火星年代記』
レイ・ブラッドベリ『火星年代記』のTVドラマシリーズがあるということは以前から知っていました。脚本はリチャード・マシスン。――ブラッドベリとマシスンなんて、夢のような顔合わせではありませんか。
これは観たいなあ。――しかし、DVDはレンタルショップに置いてないし、購入するには二の足を踏む値段ですし……。何人かに尋ねてみても、所有されている方はおらず……。いつもお世話になっているSさん(怪奇映画マニア)はテレビ放映を録画したビデオをお持ちだそうですが、「どこにあるやら」状態だそうで……。
まあ、気長に待っていれば、いつかは観られるだろうと思っていたところ、牧眞司くんがDVDを所有されていると判明。貸してもらいました。DVD3枚。計5時間弱。
私が原作を読んだのは40年近く昔です。はっきり言って、細かいストーリーなんて覚えていなくて、残っているのは印象だけです。
このドラマは、原作(オムニバス長編)を解体し、再構築したものなのでしょうか。曖昧な記憶ですが、全体の流れはおおむね原作に忠実に作られているような気がします。特撮はかなり情けないものの、1979年のTVドラマということを考えれば及第でしょう。決して失望するような出来ではなく、楽しく観たのですが……。
ストーリーは原作を踏襲していても、印象としては、原作とドラマとでは大きな違いがあります。なんというか、ドラマは世俗的なんですよね。原作の持っている詩情があまり感じられない。――いや別に、世俗的なのが悪いというわけではなくて、ブラッドベリっぽくないな、と思っただけなんですが。
ただ……。私が高校生のときに読んだ原作の印象と、50代半ばで観たTVドラマの印象を同列に比較するのは無理がありますよね。高校生のころは何もかもが新鮮で、素直に感動していました。あのピュアさは今では……(苦笑)。
高校生のとき――とは言わないまでも、ドラマが作られたころに観ていたら、印象は全く違ったものになっていたかもしれません。「いつ読んだ(観た)か」「何歳のときに読んだ(観た)か」は非常に重要ですね。
あ、それと。
実は私、ブラッドベリはフツーに好き。マシスンはめっちゃ好きなんですよね。ドラマにはマシスン風味も感じられ、まあ、それが世俗的という印象につながる要素になっているのでしょう。ブラッドベリ・ファンには申しわけないけれど、マシスン・ファンとしては嬉しかったです。
ともあれ念願の作品を観ることができ、満足しています。
牧くん、ありがとうございました。
これは観たいなあ。――しかし、DVDはレンタルショップに置いてないし、購入するには二の足を踏む値段ですし……。何人かに尋ねてみても、所有されている方はおらず……。いつもお世話になっているSさん(怪奇映画マニア)はテレビ放映を録画したビデオをお持ちだそうですが、「どこにあるやら」状態だそうで……。
まあ、気長に待っていれば、いつかは観られるだろうと思っていたところ、牧眞司くんがDVDを所有されていると判明。貸してもらいました。DVD3枚。計5時間弱。
私が原作を読んだのは40年近く昔です。はっきり言って、細かいストーリーなんて覚えていなくて、残っているのは印象だけです。
このドラマは、原作(オムニバス長編)を解体し、再構築したものなのでしょうか。曖昧な記憶ですが、全体の流れはおおむね原作に忠実に作られているような気がします。特撮はかなり情けないものの、1979年のTVドラマということを考えれば及第でしょう。決して失望するような出来ではなく、楽しく観たのですが……。
ストーリーは原作を踏襲していても、印象としては、原作とドラマとでは大きな違いがあります。なんというか、ドラマは世俗的なんですよね。原作の持っている詩情があまり感じられない。――いや別に、世俗的なのが悪いというわけではなくて、ブラッドベリっぽくないな、と思っただけなんですが。
ただ……。私が高校生のときに読んだ原作の印象と、50代半ばで観たTVドラマの印象を同列に比較するのは無理がありますよね。高校生のころは何もかもが新鮮で、素直に感動していました。あのピュアさは今では……(苦笑)。
高校生のとき――とは言わないまでも、ドラマが作られたころに観ていたら、印象は全く違ったものになっていたかもしれません。「いつ読んだ(観た)か」「何歳のときに読んだ(観た)か」は非常に重要ですね。
あ、それと。
実は私、ブラッドベリはフツーに好き。マシスンはめっちゃ好きなんですよね。ドラマにはマシスン風味も感じられ、まあ、それが世俗的という印象につながる要素になっているのでしょう。ブラッドベリ・ファンには申しわけないけれど、マシスン・ファンとしては嬉しかったです。
ともあれ念願の作品を観ることができ、満足しています。
牧くん、ありがとうございました。
2013-06-12 22:25
コメント(8)
私はテレビ放送時に見ました。確か高校生の時だったと思います。ドラマの前に手塚治虫先生が解説をされていたと記憶しています。
今見直したら、あの頃のことを懐かしんで、胸がつまるのではないかと思います。手塚先生の解説はどんなだったか覚えていませんけど、その姿を見るだけできっと。ドラマも「あの頃の自分」に帰らせてくれるのではないかなあ。
by t-kita (2013-06-12 22:52)
高校生のときにご覧になりましたか。それは羨ましい。
記事中にも書きましたが、「何歳のときに観たか」は重要なファクターですよね。
手塚さんの解説も気になります。どっかで観られないのかしらん。
by 高井 信 (2013-06-13 07:56)
楽しんでいただけたようで、なによりです。
高井さんはブラッドベリよりマシスンですか。
ぼくはだんぜんブラッドベリで、マシスンは一部の作品(デビュー作の「男と女から生まれたもの」とか)に凄い才気を感じるものの、全体としては職人作家だなあという感じです。
もちろん、職人的な巧さは言うことはなく、「激突」あたりは、その真骨頂でしょう。
それはそれとして、日本テレビ放映時の手塚さんの解説は、ぼくも気になります。
by 牧眞司 (2013-06-13 09:17)
芳しくない評判を聞いていて、ちょっぴり不安だったのですが、この出来なら充分に満足です。ほんと、ありがとうございました。
>全体としては職人作家だなあという感じです。
言い換えれば、読者を楽しませるツボを心得ている作家、ですよね。それに私、とにかく50年代のB級SFが大好きですから(笑)。
>それはそれとして、日本テレビ放映時の手塚さんの解説は、
>ぼくも気になります。
Sさんがビデオテープを発掘されたら貸してもらおうと思いますが、いつになるやら。
by 高井 信 (2013-06-13 14:29)
初めまして、火星年代記懐かしいです。
自分は正月に映りの悪いテレビ埼玉を録画して見た記憶があるのですが、再放送だったようですね。
原作では電話でやっと見つけた女性がアレでしたが、ドラマでは逆だったとか、変なところしか覚えていません。
by 鈴木剛 (2013-06-13 16:01)
鈴木さん、いらっしゃいませ。
ドラマをテレビでご覧になったとのこと。いいですねえ。
>原作では電話でやっと見つけた女性がアレでしたが、ドラマでは逆だったとか、変なところしか覚えていません。
あはは。確かに原作とはまるっきり違いますね。このエピソードはドラマの見せ場のひとつではないでしょうか。けっこうインパクトがあり、鈴木さんの記憶に残っているのもわかるような気がします。
by 高井 信 (2013-06-13 17:39)
間違えているかもしれませんが、テレビ放送時に一部だけ見た覚えがあります。砂漠(?)の光景が淡々とと続いていたような記憶があり、(たまたま私の見た部分だけかもしれませんが)イマイチ盛り上がりがなかったので、それっきり見なくなりました。
多分「高校生くらいのお子ちゃま」「スターウォーズとかの世代」だったからでしょうか。
by 橋本喬木 (2013-06-29 08:27)
静かな展開が続くシーンもありますから、たまたまそのときにご覧になったのかもしれませんね。当たり前ですが、盛り上がるシーンもありますよ。
機会があれば再鑑賞されることをお勧めします。オヤジの目で(笑)。
by 高井 信 (2013-06-29 10:34)