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『八十万年後の社会』

 世田谷文学館で開催中の「日本SF展・SFの国」、行こうかどうしようか迷っています。同じく世田谷文学館で催された「星新一展」には行くことを即断したのですが、「日本SF展・SFの国」にはそこまでの吸引力はなく……。もちろん、私にとって、ですが。
 すでに行った友人に尋ねると、「よかった」という返事なのですが、彼らは東京在住だったり東京出張のついでだったりイベントの関係者だったり……。そんなのだったら、私も迷わず行くわい(笑)。で、「名古屋に住んでても行く?」と尋ねると、「それは……」となります。
 でまあ、迷っているわけでして、判断材料を集めるためネット検索もしています。
 すると――
 お! これは。>インターネットミュージアム
 写真あれこれ、映像もいっぱい。これは地方在住者にはありがたいですね。眺めていると、行きたい気持ちが勝ってくるのを感じますが、それはともかく――
 ん? と気になる写真がありました。黒岩涙香『八十万年後の社会』(1913年)が写っているのですが、うちの本と違うんですよね。展示されているのは、こんな本です。(当該サイトの写真をトリミング。1913年刊とあります)
展示本.jpg
 で、私の所有本は――
◎扶桑堂刊/大正2年(1913年)9月25日発行(函と本体。本体右端の深緑は補修テープ)
◎扶桑堂刊/大正2年9月25日発行、大正15年(1926年)11月15日改版第1版発行
八十万年後の社会(初版).jpg 八十万年後の社会(改版).jpg
 1913年(大正2年)に2種(あるいは、それ以上)の『八十万年後の社会』が発行されているのでしょうか。どちらも扶桑堂から? それとも展示されているのは別の出版社から? あるいは同じ年に異装版が出た? いやいや、展示に書かれている年号は初版の刊行年で、実際の展示物は(デザイン違いの)重版?
 ふと思いついて、うちにある涙香書誌で最も新しい(と思う)伊藤秀雄・榊原貴教『黒岩涙香の研究と書誌』ナダ出版センター(01)をチェックしました。――掲載されているのは、大正2年9月、扶桑堂刊のデータのみです。う~~む、わかりませんねえ。謎ですねえ。
 古典SFの展示には北原尚彦さんが協力していると聞いているので、尋ねましたら、「私の本ですが、貸し出しているため確認不能。返ってきたら確認します」。
 よろしくお願いしますね。こういうのって妙に気になる、元・古典SFファン(笑)。
コメント(2) 

コメント 2

高井 信

 近代デジタルライブラリーに『八十万年後の社会』(大正2年)があることに気がつきました。
http://kindai.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/947509/5
 表紙の画像もありますが……げっ、無地! これは国会図書館で補修したものなのでしょうか、それとも……。
by 高井 信 (2014-08-10 17:29) 

高井 信

 森下一仁さんのサイト――近況(1996年9月28日)に以下の記述がありました。
> 古典SF研究会の例会。横田順彌さんが黒岩涙香訳『八十万年後の社会』(大正2年・扶桑堂)――実はウェルズの『タイムマシン』――を、何種類か持って来ていた。同じ本を版形を変えて何度も出したのだ。いかに売れたかが、よくわかる。そのうちの初版本には箱が付いていた
 なるほど~。何種類もあるんだ~。
 それにしても、さすが橫田さん!
by 高井 信 (2014-08-10 18:28) 

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