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『SF・科学・ファンタジー短歌集』

 天瀬裕康さんから、天瀬裕康編著『SF・科学・ファンタジー短歌集』短詩型SFの会(13)を送っていただきました。ありがとうございます。
「第一部 SF短歌への道」では短歌の歴史をたどりながらSF短歌を考察します。
「第二部 十首十項」は天瀬さんの実作集です。10項目のテーマ(未来、宇宙、ロボットなど)に分け、それぞれに10首を収録(計100首。各作品に短い解説付き)。SF小説やSF作家の名が当たり前のように出てくるのが楽しいです。SFファンなら思わず笑みを浮かべてしまうでしょう。
「第三部 同好の仕事を求めて」は天瀬さん以外の作者によるSF短歌傑作集です(天瀬裕康選)。もちろん解説付き。
 さらに、CDが付録に付いています(朗読:富永芳美)。SF短歌に関する簡単な説明のあと、天瀬作品30首が朗読されます。目で読むのと耳で聴くのとでは、ずいぶん印象が変わりますね。それが女性の声となると、なおさらです。
 あ、そうそう。前著『ロボットたち』近代文藝社(13)もそうですが、本書も天瀬さん本人がカバー画を描かれているんですよね。まったく絵心のない私から見れば羨ましい限りです。
 天瀬さんは1931年生まれですから、今年82歳になります。旺盛な執筆活動には感服するしかありません。
 ますますのご活躍をお祈り申し上げます。
SF・科学・ファンタジー短歌集.jpg ウルの墓.jpg
 SF短歌集というと、松宮静雄『SF短歌 ウルの墓』短歌新聞社(80)を思い出します。懐かしくなって、書棚から取り出してきました。これ、33年も前の本なんですねえ。遠い目になってしまいます。
コメント(2) 

コメント 2

山本孝一

私は短歌はまったくわからないのですが、歌人のFさんから石川信夫(信雄)(1908-1964)歌集「シネマ」(2013)という本をいただきました。
この本は昭和11年に出た初刊本の七十数年ぶりの復刻なんですが、この人は元々社の最新科学小説全集でハインラインの「人形つかい」「地球の緑の丘」、クラーク「月世界植民地」などを訳された方でもあります。
Fさんも、歌人の石川信夫も、元々社の翻訳の石川信夫も知っていたけれど同一人物とは思わなかったとおっしゃってました。Fさん曰く「石川信夫は突出したモダニストですね。」
たまたま高校時代の学内SF同好会の後輩が石川信夫さんの姪で、元々社の翻訳のことは聞いてましたが、歌人だったということはつい先日に聞いたばかり。
ハヤカワ・ミステリとかSFシリーズでは翻訳者は詩人ということがあったようですが、元々社は歌人も翻訳していたのですね。
姪の方の話では、「月世界植民地」で共訳をされている方も歌人仲間だったとのこと。
意外な人と人の結びつきです。



by 山本孝一 (2013-06-06 16:19) 

高井 信

 興味深い話をありがとうございます。
>意外な人と人の結びつきです。
 不思議な縁って、本当にありますよね。古くは、新井素子さんのお父さまが星新一さんの同級生だったり……。
by 高井 信 (2013-06-06 17:44) 

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