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映画『陰獣 INJU』

 映画『陰獣 INJU』を観ました。2008年のフランス映画。――原作は江戸川乱歩の中編『陰獣』です。

 冒頭、いきなり首チョンパ。チャンチャンバラバラ、もひとつおまけに首チョンパ。生首ごーろごろ。――まるでクライマックス・シーンのようなド派手な展開。一気に画面に引き込まれますが、しかしこれが『陰獣』? それに、もろに日本人だし日本語だし、はて? はて?
 と思っていたら、あら、劇中劇――『卑しき獣』(原作・大江春泥)なる映画のクライマックス・シーンなんですね。びっくりしたなあ、ほんと(笑)。
 フランス映画ということで、主役はフランス人です。しかし物語のおもな舞台は日本でして、その結果、フランス語に堪能な芸妓がヒロインだったりして、違和感、ちぐはぐ感ありまくり、首かしげまくり。――とはいえ、けっこう楽しめちゃったんですね。まあ、なぜフランス人がフランス人を主役に『陰獣』を映画化しようと思ったのか、それが謎ではありますが(笑)。
『陰獣』の映像化作品を観るのは、天知茂主演のTVドラマ『妖しい傷あとの美女 江戸川乱歩の「陰獣」』、加藤泰監督の映画『江戸川乱歩の陰獣』に続き、3回目でしょうか。いずれも面白かったですが、『江戸川乱歩の陰獣』は頭ひとつ抜け出ているように思います。
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 以下は「別冊・幻影城」江戸川乱歩集の目次です(画像クリックで拡大)。惚れぼれしちゃいます!
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