モーパッサンの古い短編集
またも大熊さんのところで拙ブログに言及いただいています。いつもありがとうございます。
『モーパッサン短篇集』ちくま文庫(09)を読まれましたか。これ、私は買っただけで読んでないのですが……。
大熊さんも書かれていますように、私はモーパッサンを「ショートショートの先駆者4人のうちの1人」と考えています。ほかの3人は、O・ヘンリー、サキ、アンブローズ・ビアスです。
この4人のうち、サキとビアスに関しては短編集リストを掲載しました。O・ヘンリーやモーパッサンのリストも掲載したいのですが、これが難物でして、私の力では無理ではないかと思っています。2人とも、極めて多くの邦訳書が刊行されていますし、モーパッサンに至っては明治時代にまで遡らなくてはなりません。
資料としては、たとえば富田仁『フランス小説移入考』東京書籍(81)という本があり、当然モーパッサンにも一章が費やされています。巻末の「明治期フランス文学翻訳年表」なんかを眺めていると、冗談抜きで頭がくらくらしてきますよ、ほんと。はっきり言って、お手上げ状態です。
とはいえ、古本屋で短編集を見かけて、それが手ごろな値段であれば買うようにしていて、けっこう溜まってきました。
というわけで、私が所有しているモーパッサンの古い短編集を紹介することにしました。「古い」と言っても、どのあたりの刊行物までを「古い」とするのか。とりあえず50年以上前の本――1960年以前に刊行された本とします。
リストとしては全く役に立ちませんけれど、書影をお楽しみいただければ幸いです。
『モオパッサン傑作集』如山堂書店(14)
私が所有している最も古いモーパッサンの短編集です。大正3年刊。ほぼ100年前ですね。函のデザインはつまらないので、本体の写真も並べておきます。
『白堊の家の女』翰林社(46)
全16編収録。
『色ざんげ』建設社(48)
全12編収録。
『或る自殺者の手記』建設社(48)
全11編収録。
『艶笑小説集』青磁社(49)
全20編収録。手持ちはカバー欠で、表紙に書名が書かれていません。扉の写真を掲載します。
『脂肪の塊 他八篇』小山書店・モーパッサン文庫1(50)
『二人の友 他十七篇』小山書店・モーパッサン文庫2(51)
『ジュール伯父 他九篇』小山書店・モーパッサン文庫3(50)
『山小屋 他十篇』小山書店・モーパッサン文庫5(51)
小山書店の〈モーパッサン文庫〉は全9冊の予定でしたが、4、6、7巻は未刊に終わったようです。私が所有しているのは4冊のみ(1、2、3、5巻)ですが、未所有の8巻は『ピエールとジャン』、9巻は『女の一生』ですから、幸いなことに、短編集はすべて所有しているということになります。
『モーパッサン全集(全21巻?)』春陽堂書店(55~56)
全集ですから、もちろん長編も収録されています。全21巻となっていますが、12、13、15、20、21巻は刊行されず、16冊の刊行に終わったようです。
『モーパッサン短篇集(全6巻)』新潮文庫(56~57)
のちに新潮文庫では同じ訳者(青柳瑞穂)による『モーパッサン短編集(全3巻)』が刊行されます(1971年)。収録作品の異同はあるのかしらん。すみません。未調査です。
【追記】
古くはありませんが、大熊さん向けに以下の2冊を。
こんな本もあります。>モーパッサン
『モーパッサン怪奇傑作集』福武文庫(89)
『モーパッサン残酷短編集』梨の木舎(04)
『モーパッサン短篇集』ちくま文庫(09)を読まれましたか。これ、私は買っただけで読んでないのですが……。
大熊さんも書かれていますように、私はモーパッサンを「ショートショートの先駆者4人のうちの1人」と考えています。ほかの3人は、O・ヘンリー、サキ、アンブローズ・ビアスです。
この4人のうち、サキとビアスに関しては短編集リストを掲載しました。O・ヘンリーやモーパッサンのリストも掲載したいのですが、これが難物でして、私の力では無理ではないかと思っています。2人とも、極めて多くの邦訳書が刊行されていますし、モーパッサンに至っては明治時代にまで遡らなくてはなりません。
資料としては、たとえば富田仁『フランス小説移入考』東京書籍(81)という本があり、当然モーパッサンにも一章が費やされています。巻末の「明治期フランス文学翻訳年表」なんかを眺めていると、冗談抜きで頭がくらくらしてきますよ、ほんと。はっきり言って、お手上げ状態です。
とはいえ、古本屋で短編集を見かけて、それが手ごろな値段であれば買うようにしていて、けっこう溜まってきました。
というわけで、私が所有しているモーパッサンの古い短編集を紹介することにしました。「古い」と言っても、どのあたりの刊行物までを「古い」とするのか。とりあえず50年以上前の本――1960年以前に刊行された本とします。
リストとしては全く役に立ちませんけれど、書影をお楽しみいただければ幸いです。
『モオパッサン傑作集』如山堂書店(14)
私が所有している最も古いモーパッサンの短編集です。大正3年刊。ほぼ100年前ですね。函のデザインはつまらないので、本体の写真も並べておきます。
『白堊の家の女』翰林社(46)
全16編収録。
『色ざんげ』建設社(48)
全12編収録。
『或る自殺者の手記』建設社(48)
全11編収録。
『艶笑小説集』青磁社(49)
全20編収録。手持ちはカバー欠で、表紙に書名が書かれていません。扉の写真を掲載します。
『脂肪の塊 他八篇』小山書店・モーパッサン文庫1(50)
『二人の友 他十七篇』小山書店・モーパッサン文庫2(51)
『ジュール伯父 他九篇』小山書店・モーパッサン文庫3(50)
『山小屋 他十篇』小山書店・モーパッサン文庫5(51)
小山書店の〈モーパッサン文庫〉は全9冊の予定でしたが、4、6、7巻は未刊に終わったようです。私が所有しているのは4冊のみ(1、2、3、5巻)ですが、未所有の8巻は『ピエールとジャン』、9巻は『女の一生』ですから、幸いなことに、短編集はすべて所有しているということになります。
『モーパッサン全集(全21巻?)』春陽堂書店(55~56)
全集ですから、もちろん長編も収録されています。全21巻となっていますが、12、13、15、20、21巻は刊行されず、16冊の刊行に終わったようです。
『モーパッサン短篇集(全6巻)』新潮文庫(56~57)
のちに新潮文庫では同じ訳者(青柳瑞穂)による『モーパッサン短編集(全3巻)』が刊行されます(1971年)。収録作品の異同はあるのかしらん。すみません。未調査です。
【追記】
古くはありませんが、大熊さん向けに以下の2冊を。
こんな本もあります。>モーパッサン
『モーパッサン怪奇傑作集』福武文庫(89)
『モーパッサン残酷短編集』梨の木舎(04)
2010-03-21 17:15
コメント(2)
おお、「怪奇傑作集」というのが編まれているんですね。探してみます。そんなに古くないので、うまくいけばブックオフで見つけられそうな気がしないでもないでもないような(^^;
「艶笑小説集」というタイトルも「なるほどな」と納得です。
by 大熊宏俊 (2010-03-21 19:56)
はい、ブックオフでもちょくちょく見ますよ。>『モーパッサン怪奇傑作集』
あ、それと、新潮文庫(全3巻バージョン)の『モーパッサン短編集』第3巻には怪奇ものが集められています。こちらのほうが入手容易ですね。
モーパッサンと言うと、すぐに『女の一生』となってしまいますが、短編ももっともっと読まれてほしいと思います。
by 高井 信 (2010-03-21 20:12)