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「パノラマ島奇談」

別冊・幻影城.JPG 多くの方々も同様でしょうが、私も小学生のころ、江戸川乱歩〈少年探偵団〉シリーズに夢中になりました。その後、大人向きの作品も読むようになると、特に短編には、「うわっ。こんな小説も書くのか」と驚いたものです。
 短編ではなく中編ですが、「パノラマ島奇談」は強く心に残っています。いったいいつ、どの本で読んだのか、記憶は定かではありません。たぶん高校生のころではなかったかと思います。(書影は1976年刊の「別冊・幻影城」ですけれど、これが最初ではないです)
 ふと思い出したことがあって、古いファンジン――1986年に発行されたSF同人誌「星群」62号に手を伸ばしました。
星群.JPG この号では、作家・評論家・翻訳家にアンケートを行なっています。
①先生にとって幻想文学とは……。
②海外の幻想文学のベスト5は……。
③日本の幻想文学のベスト5は……。
 アンケートに答えているのは、伊藤典夫、大宮信光、岡部宏之、岡本俊弥、紀田順一郎、児島冬樹、柴野拓美、仁賀克雄、水鏡子、高井信、巽孝之、田中光二、田中芳樹、野阿梓、星新一、森下一仁、矢野徹、夢枕獏、横田順彌、渡辺恒人の計20人です。
 私がベスト5として挙げているのは――
 海外:『星を駆ける者』ロンドン、『マンク』ルイス、『いかなる海の洞に』ヤング、『魔法つかいの船』ボク、『失われた部屋』オブライエン(短編集として)。
 日本:『妖蝶記』香山滋、『夢の底から来た男』半村良、『家畜人ヤプー』沼正三、『パノラマ島奇談』江戸川乱歩、『ふしぎなふしぎな物語』三橋一夫。
 いま同じアンケートがあれば、少しは異同があるでしょうが、いずれも大好きな作品であることは間違いありません。(ちなみに、私以外では仁賀克雄も「パノラマ島奇談」を挙げています)
パノラマ島綺譚.JPG 先日、丸尾末広によるマンガ化作品『パノラマ島綺譚』エンターブレイン・BEAM COMIX(08)を読みました。乱歩の原作を見事に再構築していて、絵もぴったりマッチ。実に面白かったです。丸尾末広のマンガ化では、先月『芋虫』も出たようで、こちらも読みたいと思っていますが、それはともかく――
 これを読んで、むか~し観たTVドラマ『天国と地獄の美女 江戸川乱歩の「パノラマ島奇談」』を思い出しました。天知茂が明智探偵を演じたシリーズものの1編です。ネットで調べてみると、1982年1月2日の放送とのこと。
 いやあ、インパクト抜群でしたねえ。何と言っても、乱舞するヌード・ダンサーたち(笑)。こんなのを放送してもいいのかと思ったくらいです。しかも私、叶和貴子(準主役)のファンですから、その意味でも忘れられません。いや、ヌードや叶和貴子だけではなく、もちろん作品自体が素晴らしく、30年近く経った現在でも強く印象に残っているんですが。
 丸尾作品を読んだことによって、このドラマが無性に観たくなりました。幸いなことにDVDになっていますので、レンタル・ショップで借りてきました。
 昨夜、さっそく鑑賞しまして……。
 傑作! 大満足です。

 とまあ、こんな具合で、ここしばらく頭のなかはマンガ&映画モードです。私とて、年がら年中ショートショートにどっぷりではないのです。当たり前ですね(笑)。
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