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日本SFシリーズ

01復活の日.jpg 02たそがれに還る.jpg 03夢魔の標的.jpg 04 EXPO'87.jpg 05人間そっくり.jpg
06透明受胎.jpg 07エスパイ.jpg 08 48億の妄想.jpg 09幻影の構成.jpg 10果しなき流れの果に.jpg
11百億の昼と千億の夜.jpg 12モンゴルの残光.jpg 13馬の首風雲録.jpg 14メガロポリスの虎.jpg 15イブの時代.jpg
【1】小松左京『復活の日』/【2】光瀬龍『たそがれに還る』/【3】星新一『夢魔の標的』
【4】眉村卓『EXPO'87』/【5】安部公房『人間そっくり』/【6】佐野洋『透明受胎』
【7】小松左京『エスパイ』/【8】筒井康隆『48億の妄想』/【9】眉村卓『幻影の構成』
【10】小松左京『果しなき流れの果に』/【11】光瀬龍『百億の昼と千億の夜』
【12】豊田有恒『モンゴルの残光』/【13】筒井康隆『馬の首風雲録』
【14】平井和正『メガロポリスの虎』/【15】多岐川恭『イブの時代』

 以上、早川書房の日本SFシリーズ(全15巻)のラインナップです。
 奥付を見ますと、初回配本『復活の日』の発行日は1964年8月で、最終配本『イブの時代』は1969年7月。え~と、42~47年前――半世紀近く前に刊行された叢書ですか。うひ~。
 惚れぼれしちゃうタイトルが並んでいますが、残念ながら私は、これらの名作をリアルタイムで楽しむことはできませんでした。私がSFの魅力を知ったのは1970年なんですよね。しかも、最初の1年くらいは海外SFしか眼中になかった――というか、日本人がSFを書いていることすら知らず……(苦笑)。私が日本のSFを読み始めるのは1971年でありまして、すなわち、日本SFシリーズの終了から2年後なんです。
 この日本SFシリーズ、いちおう全15巻を所有してはいますが、実のところ、ほとんど読んでいません。私がこれらの傑作群を実際に読んだのは、同じく早川書房の日本SFノヴェルズ(ちょうど私が日本SFに開眼したころにスタート)での再刊だったり、その少しあとに創刊されたハヤカワJA文庫(現在はハヤカワ文庫JA)だったり……。
 調べてみますと――
 日本SFノヴェルズの第1回配本は筒井康隆『脱走と追跡のサンバ』で、発行日は1971年10月。小松左京『復活の日』や筒井康隆『48億の妄想』を読んだのは、この日本SFノヴェルズ版でした。(『復活の日』についてはこの記事に)
脱走と追跡のサンバ.jpg 48億の妄想.jpg
 ハヤカワJA文庫の第1回配本は小松左京『果しなき流れの果に』、星新一『夢魔の標的』、光瀬龍『たそがれに還る』、眉村卓『幻影の構成』、豊田有恒『モンゴルの残光』の5冊で、1973年3月発行。見事に、日本SFシリーズの再刊(文庫化)です。
果しなき流れの果に.jpg 夢魔の標的.jpg たそがれに還る.jpg モンゴルの残光.jpg
 このあたりはリアルタイムの出来事であり、ばっちり覚えています。日本SFノヴェルズもハヤカワJA文庫も読みまくりましたね。
 面白かったです!

【追記】8月12日
 書影を追加します。(コメント欄参照)
百億の昼と千億の夜.jpg 喪われた都市の記録.jpg SF倶楽部№4.jpg 翔び去りしものの伝説.jpg
コメント(6) 

コメント 6

雫石鉄也

なつかしいです。
この中の作家の多くは、例のあの事件がきっかけで、早川とたもとを別ち、版権を引き上げ、その後早川から本を出していません。困った早川はコンテストを再開、神林長平や大原まり子が世に出たのではないでしょうか。
今となっては、これらの本は日本SF史の生き証人ともいうべき、貴重な本なんですね。
by 雫石鉄也 (2011-08-11 14:20) 

高井 信

 確かに、あの影響は大きかったですね。当時、私も近くにいましたが、ただただ見ていることしかできませんでした。
by 高井 信 (2011-08-11 19:04) 

山本孝一

日本SFシリーズとは懐かしいです。
私が買い始めたのは1966年夏頃の『果しなき流れの果に』からです。『イブの時代』だけは何か違和感があって買いませんでしたが。
どの本も装丁がバラエティに富んでいてよかったです。数年前に真鍋博さんの展覧会に行ったら『夢魔の標的』の原画が展示されていて、その原画のあまりの美しさにしばらく見とれてました。
覚えているのは『百億の昼と千億の夜』。1966年の暮頃、出たばかりのを買って読んだら、雑誌連載時に読んだのと違うのです。「エルサレム」の章でかなりの部分がごっそりとないのです。作者、光瀬さんの考えで削られたのかと思っていたのですが、編集のミスで飛ばしてしまったと聞き、再版が出たときに古いのを処分してまた買いなおしました。早川は初版を買った人には改訂版と交換すべきぐらいのミスだったと今も思っています。ところがその再版のカバーですが印刷のミスで色がズレていて。光瀬さん、本当にかわいそう。
『夢魔の標的』といった初期の本の巻末をみますと、刊行予定として都筑道夫さんの『地球強奪計画』とか佐野洋さんの『交換染色体』(『透明受胎』とは別作品のようでした)あるいは題名はうろ覚えなのですが『海底樹林』だったか、富山県の蜃気楼に宇宙の謎が隠されている…なんて作品も予定されていたようで、早く出ないものかと当時、心待ちにしていたものです。
私にとってはあの時代が日本SFの黄金時代に思えます。

>確かに、あの影響は大きかったですね。
私もそう思います。
SFマガジンはいずれ小松左京さんの追悼号を出すでしょうが、早川と関係を絶った人たちからは原稿を書いてもらえないとなると、いくら今の人たちが書いたところでさみしい特集になるでしょうなぁ。




by 山本孝一 (2011-08-12 07:43) 

高井 信

 日本SFシリーズをリアルタイムで読まれていたとは、羨ましい限りです。
『百億の昼と千億の夜』落丁の件、知りませんでした。私の持っている本は3版。改訂版ですね。ちなみに、記事本文にも書きましたように、私はこの本を読んでいません。読んだのはハヤカワJA文庫版(73)です。ついでに書いておくと、『喪われた都市の記録』は日本SFノヴェルズ版(72)を読みました。

『地球強奪計画』は未完のまま、横田順彌さんが主宰されていたファンジン「SF倶楽部」№4(71)に掲載されました。商業出版では、『翔び去りしものの伝説』光文社文庫(03)に収録されています。
by 高井 信 (2011-08-12 10:29) 

山本孝一

『地球強奪計画』の冒頭部分が「SF倶楽部」に掲載されたのは知ってました(この号は所持してます)が、『翔び去りしものの伝説』光文社文庫)に収録されてたとは知りませんでした。『翔び去りしものの伝説』は奇想天外社版しか持っていませんので。この本は高井さんからいただいたのでは…。
日本SFシリーズは読みやすい体裁です。今でも十年に1回ぐらいは『果しなき流れの果に』と『百億の昼と千億の夜』を読み返してますが、日本SFシリーズ版で読んでます。
『百億の昼と千億の夜』は雑誌連載時は転輪王の真の姿が描かれていたのに日本SFシリーズ版では削除されていたり、『馬の首風雲録』では雑誌と日本SFシリーズ版では末弟のユタンタンの運命がまったく違っていたり(単行本の方が味わい深いです)して、思い出の多い叢書です。
でも数年前の引越しのとき、ドサクサで半分ぐらいどこかに行ってしまい、古書店で買いなおしました。
2~3年前に大阪で高井さんと会ったときも、『復活の日』が置いてある古書店に連れてもらい買ったのをおぼえてます。どれも本当に懐かしい本です。
by 山本孝一 (2011-08-12 19:21) 

高井 信

『百億の昼と千億の夜』も『馬の首風雲録』も、私は文庫本で読みました。雑誌連載と、そんなに差異があるのですか(驚)。
>2~3年前に大阪で高井さんと会ったときも、『復活の日』が置いてある
>古書店に連れてもらい買ったのをおぼえてます。
 そんなことありましたっけ。すっかり忘れております(笑)。
by 高井 信 (2011-08-13 07:32) 

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