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「密室」

 本ブログではお馴染みの山本孝一さんと話していまして、ひょんなことから古い探偵小説雑誌の話になりました。
密室.jpg「『密室』で1冊、探しているのがあるんですけどね。ブラッドベリの翻訳が載っているんです」と山本さん。
「へえ。そんな号があるんですか。うちに1冊だけあって、確かSF特集だったと思うけど、翻訳なんて載っていたかなあ……。あとで調べておきますね」
 おっと。私たちの間では注釈の必要もなく通じてしまう会話なんですが、「密室」なんて知らない方も多いでしょうね。〈S-Rの会〉が発行していた推理小説の同人誌です。
 で、先ほど書棚をチェック。
 うちにあるのは、「密室」30号(昭和36年10月発行)でした。私の記憶の通り、SF特集。しかし残念ながら、山本さんがお探しの号ではなく……。
 本来でしたら、こんな報告はメールで済ませてしまうのですが、目次を見て――
目次.jpg
 おお、ショートショート2編に、ショートショート・オムニバス。それに戸倉正三の短編も掲載されているではないですか。
 これはブログに書いたほうがいいかなと思いました。ちなみに、大伴秀司=大伴昌司です。なんだかすごくないですか、このメンバー。

 山本さんの何気ない言葉から、こんな資料が発掘されました。
 ありがとうございます。
コメント(3) 

コメント 3

山本孝一

さすが高井さん。「密室」まで持っておられるとは。
もう10年ぐらい前でしょうか、ブラッドベリファン仲間で話していて、
日本で最初のブラッドベリの翻訳は何なのだろうという話になったのです。
そのなかで「密室」にブラッドベリの「火星年代記」のエピソードが
翻訳されていた、確か訳者は矢野徹さんだったという話が出たのです。
で、後日、矢野さんにたずねたら、訳した事がある、アメリカのパルプ雑誌から訳したもので「十七の墓標」とか、そんな題名だった、ブラッドベリは「密室」にもう一編訳していてそれは「十月はたそがれの国」に
収録されている「小さな殺人者」だ…そんなお返事をいただけました。
日本で最初のブラッドベリの単行本は元々社の「華氏四五一度」ですが
「密室」に載ったのはそれ以前、昭和31年より前のことかと思います。
そのうち矢野さんは体調をくずされ、それ以上のお話は聞けないままでした。
星さんが「宇宙塵」に訳されたブラッドベリの短編は読みましたが、
矢野さんが訳された日本最初のブラッドベリの短編も読んでみたいものです。
by 山本孝一 (2011-02-08 21:36) 

高井 信

 ブラッドベリの初邦訳でしたか。それは私も興味がありますが、「密室」掲載となると、チェックするのは難しいですね。
 ともあれ、気に留めておきます。で、運よく目にすることができましたら、お知らせしますね。
by 高井 信 (2011-02-09 07:28) 

高井 信

 続報を書きました。
http://short-short.blog.so-net.ne.jp/2014-12-10
by 高井 信 (2014-12-10 12:46) 

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