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映画『時をかける少女』

『時をかける少女』を観ました。昨年の映画で、主演は仲里依紗。
 予備知識はゼロでして、筒井康隆の小説を映画化したものと思い込んでいました。しかし、違ったのですね。小説『時をかける少女』の続編、いや、後日譚というべきでしょうか。
 時は2010年。主人公は芳山和子ではなく、その娘・あかり。交通事故に遭った母に代わり、深町一夫の消息を求めて過去に旅立ちます。――本来は1972年4月に跳ばなくてはならないのに、アホみたいなミス(笑)で1974年2月に。
 物語のほとんどは、その1974年を舞台にしています。1974年2月といえば、私は16歳。小道具などのディテールが素晴らしく、それを見ているだけでも懐かしく、楽しかったです。決して悪い意味ではなく、映画というよりテレビの連続ドラマを観ているような感覚に陥りました。高校生のころに夢中になって観ていたTVドラマ『バラ色の人生』(寺尾聡、香山美子、仁科明子etc.)を思い出したりして(笑)。
 若者(寺尾聡)の住むボロアパートに、突如転がり込んできた謎の美女(香山美子)。そして始まる奇妙な同棲生活。――面白かったですねえ。
 で、ちょっと調べてみたら、あらあら何と、『バラ色の人生』の放送は1974年なんですね。実は私、『バラ色の人生』の録画テープ(再放送の分ですが)を持っていまして、3年ほど前にも観たんですよ。本放送、再放送に続いて3回目。懐かしさに感涙しましたが、それはともかく――『バラ色の人生』と『時をかける少女』の映像が見事にダブるんですよね。それだけ1974年を忠実に再現しているわけで、いやあ、素晴らしい!
バラ色の人生1.JPG バラ色の人生2.JPG バラ色の人生3.JPG
 もちろん、ストーリー自体も面白かったです。原作小説の設定そのまま、しっかりと踏襲しつつ、新たな物語が展開されます。このブログでも何度も書いていますように、私はタイムトラベルの絡んだ悲恋ストーリーが大好物です。思い切り堪能しました。
 ふと思ったんですが……。この映画、原作を知っているか知らないか、それによって見方が全く違いますね。知らなければSFミステリー映画としても楽しめるでしょう。知りまくっている私としては、そういう面での楽しみは少なかったですが、知っていることがマイナスではなく、プラスになるように作られている映画ではないかと思います。

 私にとって、『時をかける少女』の映像化といえば、何と言ってもNHK少年ドラマシリーズ『タイム・トラベラー』です。放送は1972年1月~2月。私が14歳のときですね。
 これはもう、忘れられないです。懐かしくなって、関連書籍を取り出してきました。
◎筒井康隆『時をかける少女』鶴書房盛光社・SFベストセラーズ(発行年記載なし)
◎石山透『続・時をかける少女』鶴書房盛光社・SFベストセラーズ(発行年記載なし)
◎石山透『タイム・トラベラー』大和書房(84)
時をかける少女.jpg 続時をかける少女.jpg タイム・トラベラー.jpg
 石山透『タイム・トラベラー』は、NHK少年ドラマシリーズ『タイム・トラベラー』と『続 タイム・トラベラー』のシナリオです。シナリオがあるんですから、再映像化も可能ではないかと思うのですが……。
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コメント 4

幻のルパン

はじめまして。「にせルパン帝国の野望」という楽天ブログやっています。
実は、「バラ色の人生」ほとんど観ていず、気になって気になって、・・・シナリオ12話まで借りることができました。
しかしながら、13話めの最終回が欠落しています。今、読んでいるところです。
よろしければ、香山さん演じた「さくら」の正体と最終回のあらすじ教えていただけないでしょうか?

by 幻のルパン (2011-07-24 12:00) 

幻のルパン こと  野崎充広

失礼しました。
野崎が本名です
by 幻のルパン こと  野崎充広 (2011-07-24 12:12) 

高井 信

 野崎さん、いらっしゃいませ。
『バラ色の人生』は本当に名作ドラマと思います。
 さくら(香山美子)は詐欺事件の共犯者で、その証拠を持って逃亡中の身です。すみ(草笛光子)が突然の孤独死。警察がアパートに来ることになり、その前に姿を消します。一作(寺尾聡)に「愛しています」と置手紙を残して……。
 その後、物語は半年後に飛びますが、これは蛇足と言ってもいいかも。すみの葬式の翌日、さくらが逮捕されたという事実が明らかにされ、「あ……」なのでした。
 清太郎(森本レオ)はサラリーマンに。一作と静江(仁科明子)の将来を暗示して、ジ・エンドです。
by 高井 信 (2011-07-24 19:56) 

野崎 充広

たいへんよく分かりました。
ありがとうございました。
12話めまで読んで、おおよそ見当つきましたが、粗筋は、これで完璧に理解できました。
それにしても、一作にとって、さくらが別世界の人でないのなら、刑も軽いはずですし、もう一度、改めてプロポーズしてもいいのでは・・・なんて思いました。


by 野崎 充広 (2011-07-25 17:59) 

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