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ブッツァーティのショートショート集

階段の悪夢.jpg ディーノ・ブッツァーティ『階段の悪夢』図書新聞(92)を読みました。ショートショート集です。目次のタイトルは25編ですが、複数の作品で成り立っているものも多々あり、実際の作品数はもっともっと多いです。
 いやあ、楽しませてもらいましたねえ。『ショートショートの世界』でこの作家に触れられなかったのは痛恨!
 実を申しますと、『ショートショートの世界』を執筆している時点で、ブッツァーティはショートショートの作家として認識していなかったのです。もちろん、存在を知らなかったわけではありません。著作にしても、若いころに『偉大なる幻影』ハヤカワSFシリーズ(68)を読んでいます。しかしこの本は3編収録の中短編集で、ショートショートとは結びつきませんでした。
 そんな私に、「ブッツァーティのショートショート、面白いですよ」と教えてくれたのは田中哲弥さんです。遅ればせながら、私はブッツァーティの作品チェックを始めたのでした。田中さんに、感謝!

 ブッツァーティには、ほとんどショートショート集と言ってもいいような短編集がたくさんあります。
 以下、リストを掲載します。

『七人の使者』河出書房新社・モダン・クラシックス(74)/河出書房新社(90)*新装版
 全16編収録。
七人の使者.jpg『待っていたのは』河出書房新社(92)
 全15編収録。
『階段の悪夢』図書新聞(92)
 全25編収録。
『石の幻影』河出書房新社(98)
 中編「石の幻影」+ショートショート5編収録。
『神を見た犬』光文社古典新訳文庫(07)
 全22編収録。
七人の使者(新装版).jpg 待っていたのは.jpg 石の幻影.jpg 神を見た犬.jpg

【追記】
『階段の悪夢』に収録されている「誰?」を読んだ瞬間、例の最も短いホラー(この記事参照)が頭に浮かびました。
 さらには、牧野修がアマチュア時代にペンネームで書いたショートショート「河馬」(筒井康隆編『ネオ・ヌルの時代 PART3』中公文庫(85)に収録)を思い出したり……。
 こういうのも楽しかったです。
 なお、「誰?」はたった3行の作品――「小さなミステリー」のなかの1編で、このタイトルは目次には掲載されていません(169ページに掲載)。
コメント(2) 

コメント 2

田中哲弥

高井さんのおかげで半分あきらめていた『待っていたのは』の美本が安く手に入ったのでぼくのほうこそ感謝しております。『階段の悪夢』だとぼくは「小さなミステリー」の中の「ナポレオン」というやつが印象に残っています。
by 田中哲弥 (2010-02-08 18:12) 

高井 信

「小さなミステリー」は、わずか13ページのなかに11編も収録されています。いずれも極めて短いですが、不思議な余韻の残る作品が多いですね。
 ほんと、ブッツァーティを勧めてくれて、ありがとうございました。
by 高井 信 (2010-02-09 08:22) 

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