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意外な共通点

「ボッコちゃん」「おーい でてこーい」と言えば、星新一の代表的なショートショートです。
 この2作に関して、ちょっと面白い発見をしましたので、ご報告。

宝石.jpg 今朝、とある事情があって、探偵小説専門誌「宝石」1961年7月号を手に取りました。この号には「或る作家の周囲 その2 星新一篇」という、星新一の小特集が組まれています。
 特集中の〈自作を語る〉で星新一は「ボッコちゃん」について、「ボッコというのはロボットの愛称です。前の日にビールを飲んで、トイレに入った時に思いついた。ダッコちゃんというのに似てますね」と語っています。
 これを読んだ瞬間、小林信彦「ショート・ショート作法」の一節を思い出しました。

 星センセの「おーい、でてこい」という代表作、―中略―センセがあの作品のヒントを得たのは、友人がトイレに入ったまま出てこないので、外から戸をトントンと叩き、「おーい、でてこい」と声をかけたとたん、うしろから「ワッ!」と驚かされてビックリした。そのショックを、SF的に再構成してあのキミの悪いスリルを創り出したという話である。

色紙.JPG 小林信彦が書いていることが真実か否かは別として――
 この超有名なショートショート2編の発想に、どちらもトイレが絡んでいたとは……(笑)。
〈自作を語る〉も「ショート・ショート作法」も、何度も読んでいるはずですが、そのときは気がつかなかったんですね。ま、よくあることです。
 だからどうだ、ということでもないんですけれど、こういう発見って、ミョーに嬉しいです。思わず、にんまりしてしまいました。

 小林信彦「ショート・ショート作法」に関しては、昨年3月13日の記事「ミステリ専門誌のショートショート特集」をご参照ください。
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