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ルパン ショート・ショート コンテスト

「瑠伯 ルパン」という雑誌がありました。「問題小説SPECIAL」として1980年夏季号から1981年秋季号まで、計6冊が発行されたミステリー専門誌です(徳間書店発行)。
ルパン1.jpg この雑誌は誌名がややこしくて、扱いに困っています。書影を見ていただければわかりますように、創刊号から3号までは「瑠伯」と「ルパン」が併記された誌名(1、2号は「瑠伯」がメイン。3号では「ルパン」がメイン)なのに、4号以降、「瑠伯」の表記は消えるのです。編集部が何を考えていたのか、よくわかりませんが、それはともかく――
 このころ、まさにショートショートはブームの最中にあり、この雑誌でもショートショートのコンテストが行なわれていました。――〈ルパン ショート・ショート コンテスト〉です。
 募集要項が発表されたのは1981年冬季号(第3号)で、規定枚数は1枚~15枚、選者は第1回が都筑道夫、第2回が阿刀田高となっています。都筑道夫と阿刀田高が交互に選者を務めるショートショート・コンテスト! なんて豪華なのでしょう。
 ちなみに、この号には阿刀田高と都筑道夫の対談「書きたいあなたのためのショート・ショート調理法 入るは易く極めるは難し」も掲載されています。この対談、本当に面白く読みました。
ルパン2.jpg 第1回の結果発表は1981年春季号(第4号)。都筑道夫選。応募総数376編。入選は6編で、優秀賞に当たるルパン賞は「ただいま同棲中」木村研。
 第2回の結果発表は1981年夏季号(第5号)。阿刀田高選。応募総数672編。入選は5編で、ルパン賞は「テーマソング」娑婆ドゥビ也。このペンネームに関しては、「それにしてもこの人のペンネームは――ご当人はなにか意図があってのことだろうが、あまり感心できるものではない」と選評で書かれています。そりゃそうでしょう(笑)。
 第3回の結果発表は1981年秋季号(第6号)。都筑道夫選。応募総数543編。入選は5編で、ルパン賞は「消防車が遅れて」井上雅彦。――もちろん、あの井上雅彦です。
 雑誌の終刊とともにコンテストも消滅します。「問題小説」に場を移して継続されていれば、『ショートショートの世界』で大きく紹介したと思うのですが……。残念!
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