SSブログ

『私が選んだもっとも怖い話』

 この記事にちらと書きましたが、今月1日に北原尚彦さんが名古屋に来られました。当然と言いましょうか、名古屋の古本屋をご案内(笑)。
 最初に訪れた店で、北原さんの呟きが聞こえてきました。
「これは買わないといけないなあ」
「え? 何?」
 と北原さんの手に目をやると――
 ヒチコック選『私が選んだもっとも怖い話』徳間書店・ワールド ホラー・ノベル シリーズ(68)
「うはっ。そんなものがありましたか」
「この値段なんですよ」
「うわっ。安っ」
 マニアな方はご存じと思いますが、〈ワールド ホラー・ノベル シリーズ〉はかなりレアな叢書で、古書価は高騰しています。その1冊が信じられないような安価で売っていたんですね。
「高井さん、持ってないですか」
「うん」
「じゃ、どうぞ」
「え? いいんですか」
「私は持っていますから」
 ええ、ありがたくご好意に甘えましたとも。
〈ワールド ホラー・ノベル シリーズ〉はA・メリット『魔女を焼き殺せ』しか持っていなくて、これが2冊目です。いやあ、嬉しい!
 北原さんと一緒でなくても、私もこの本を見逃すことはないでしょうけれど、そもそも北原さんが来名されなければ、この日この店に来ることはなかったわけで……。この本をゲットできたのは、100パーセント、北原さんのお蔭です。感謝感謝。
 え~、こんな超絶収穫はこの日以来かな。こういうことがあるから、古本屋回りは楽しいんですよね。ネット古書店では得られない快感であります。
私が選んだもっとも怖い話.jpg 魔女を焼き殺せ.jpg 一ダースの戦慄.jpg
『私が選んだもっとも怖い話』はのちに『一ダースの戦慄』と改題され、トクマノベルスで再刊されています(1976年)。こちらは私、発売されたときに買いました。
コメント(4) 

コメント 4

北原尚彦

 どうも本当にお世話になりました。先ほど、無事に帰還致しました。台風の影響で新幹線が遅れているなど諸事情により在来線で帰ったためえらく時間がかかってしまいましたが、完全に電車が止まって車中泊などという恐ろしい事態だけは避けられました。
『私が選んだもっとも怖い話』、自分はいくらで買ったか忘れてしまいましたが、高井さんの方が安いことだけは絶対に確かです(笑)。値段はともかく、お役に立てて幸いでした。伺った甲斐があったというものです。
by 北原尚彦 (2011-09-05 02:18) 

高井 信

 お疲れ様でした!
 楽しんでいただけたようで、よかったです。私も楽しかったです。
 また機会がありましたら、一緒に古本屋を回りましょうね。
by 高井 信 (2011-09-05 06:37) 

森下一仁

こんなところでナニですが、北原さん、静岡ではどうも!
「これは買わないといけないなあ」というセリフ、
私も聞いてみたいです。高井さんや北原さんがそういう本って、何か凄く価値がありそう。でも、日下さんのセリフだったらどうか・・・。
喜国雅彦さんの『本棚探偵の生還』では北原さんも日下さんも大活躍ですが、あの本によれば日下さんが本を買う動機は「売っていたから」なんですってね。知らなかったので、びっくりしました。
by 森下一仁 (2011-09-05 10:38) 

高井 信

 森下さんもSF大会でしたね。お疲れ様でした。
 北原さんと古本屋を回るのは、これで3度目です。バッティングすることはほとんどないので、安心です(笑)。
 いやしかし、
>日下さんが本を買う動機は「売っていたから」
 すっごいなあ(笑)。
by 高井 信 (2011-09-05 11:42) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。