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『復活の日』

 先ほど、「NHKニュース おはよう日本」を観ていましたら、小松左京逝去のニュースのなかで、「社会現象を引き起こした『日本沈没』の後も『復活の日』や『首都消失』など……」というような紹介がされていました。
 え? 『復活の日』が『日本沈没』のあと? ウソだろ。私、『復活の日』を先に読んだぞ。
復活の日.jpg さっそく確かめてみました。
『復活の日』早川書房・日本SFノヴェルズ(昭和47年10月15日発行)
『日本沈没(上下)』カッパ・ノベルス(昭和48年3月20日発行)
 やはり私の記憶に間違いはありませんでした。わずか半年足らずとはいえ、『復活の日』のほうが先だったんですね。
 もちろん、『復活の日』が抜群に面白くて、それゆえ強く印象に残っているということはありますが、このころの記憶力はすごかったんですよ。えっへん。
 ちゃんと調べてないとダメですよ。>NHKさん
復活の日(リライト版).jpg って、嫌な視聴者ですね(笑)。

 あ、そうそう。あまり知られていないと思いますが、『復活の日』はリライト版が出ています。
 原作:小松左京、文:新井リュウジ『復活の日 人類滅亡の危機との闘い』ポプラ社(09)
 読もうかなと思って買ってはみたものの、放置しちゃっています。

【追記】
 この記事を読んだ方から、『復活の日』の初刊本は日本SFシリーズで、確か昭和39年の刊行だったはず……とのご指摘をいただきました。
復活の日(日本SFシリーズ).jpg ああっ。そうでした、そうでした。「私が読んだ順番」という観点のみで記事を書いてしまい……。これは大失敗!
 ええ、もちろん知っております。持っております。
『復活の日』早川書房・日本SFシリーズ(昭和39年8月31日初版発行)
 私は最初に日本SFノヴェルズ版を買い(=読み)、のちに日本SFシリーズを買ったのでした。
 ご指摘いただき、ありがとうございました。

 ということで……。
 つまり『復活の日』は『日本沈没』の10年近く前の作品なのでありますよ。>NHKさん

シナリオ復活の日.jpg【追記2】
 斎藤肇さんのコメントで、映画『復活の日』のシナリオが出版されていたことを思い出しました。
 原作/小松左京、脚本/高田宏治、深作欣二、グレゴリー・ナップ『シナリオ 復活の日』角川文庫(80)
 映画スチール満載の、実に楽しい1冊です。ぱらぱらと写真を眺めていたら、久しぶりに映画を観たくなってしまいました。

【追記3】7月30日
 NHKのサイト(→ここ)では、以下のように書かれています。

昭和38年の日本SF作家クラブの発足当時から参加し、「日本アパッチ族」や「エスパイ」、「果しなき流れの果に」などの話題作を次々に発表しました。中でも昭和48年に発表した「日本沈没」は、地殻変動で日本列島が海に沈むという壮大な物語を科学的な知見に基づいて克明に描き、その年に400万部を超えるベストセラーになって映画化されるなど、社会現象を起こしました。小松さんは、その後も、新型ウイルスの恐怖を扱った「復活の日」や、ブラックホールに立ち向かう人々を描いた「さよならジュピター」、それに日本SF大賞を受賞した「首都消失」など、人類や文明の未来を描きながら、科学技術の進歩に警鐘を鳴らす多くの話題作を手がけ、長年、日本のSF界をけん引してきました。
コメント(5) 

コメント 5

斎藤肇

 世間的には、「復活の日」が認知されたのは映画になった時なのでは? そう考えると、たぶん「復活の日」の方が新しいってことになってしまいそうです。
 えーと、映画版は1980年かな。
by 斎藤肇 (2011-07-29 10:48) 

高井 信

 確かにそうですね。感覚的には、わからないこともありませんが、やはり事実に反したニュース報道はまずいのではないかと……。
 ちなみに、私は映画『復活の日』も大好きです。
by 高井 信 (2011-07-29 11:28) 

橘まるみ

 私が初めて買った、小松左京先生の本は、既に文庫時代になっていて、数十数冊並んでいた中から、「地球になった男」(新潮文庫)でした。
 何編かショートショートが収められている短編集で、
「こんな事しないで、ショートショートだけで一冊にすればいいのに」
 と、恨めしく思ったりしました。
 私は聴いていませんが、「NHKニュース おはよう日本」の、
「社会現象を引き起こした『日本沈没』の後も『復活の日』や『首都消失』など……」
 という紹介で言わんとしていた事は、
「社会現象を引き起こした『日本沈没』のほかにも『復活の日』や『首都消失』など……」
 だったのでしょうね。
 これなら、問題ありません。
 ところで、「日本アパッチ族」は、“妻に捧げた”何話だったのでしょうか。
by 橘まるみ (2011-07-29 20:54) 

高井 信

 新潮文庫『地球になった男』、面白かったですね。私も好きな短編集です。
> ところで、「日本アパッチ族」は、“妻に捧げた”何話だったのでしょうか。
 神戸文学館の「小松左京展」で、『日本アパッチ族』の構想ノートが展示されていました。「新妻のために書き始めた」というような説明は添えられていましたが、何作目か、それは書かれていなかったと思います。
by 高井 信 (2011-07-30 06:38) 

橘まるみ

 ある程度、見当がついていたのに質問してしまって済みません。
「日本アパッチ族」は、光文社の編集者と知り合う前までに、(400詰めで)250枚ぐらい書いていたそうです。
 これが、“妻に捧げた”枚数。
 そして、毎日、(200詰めで)15枚書いていたそうですので、400詰めに換算して7.5枚。
 割り算すると、33~34日。
 多い方を選ぶと、
「妻に捧げた34話」
 になりました。
 ラジオ大阪のニュース漫才の原稿料が入って、新しいラジオ受信機を買うまでの、おおよそ1カ月の出来事のようでした。
by 橘まるみ (2011-07-30 22:30) 

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