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訃報:小松左京さん

 数時間前、小松左京さんの訃報に接しました。7月26日歿。享年80。
 かなり以前から具合がよくないという話は聞いてましたので、大きな驚きはありませんが、それでもやはりショックです。
 この記事にも書きましたが、「『日本沈没』のベストセラーによって、日本におけるSFの認知度がぐんと高まったのではないか」と私は思っています。それくらい、日本SF界にとって巨大な存在でした。
 ご冥福をお祈り申し上げます。

 さて。
 このブログらしく、書影でお別れすることにします。
 処女短編集『地には平和を』の書影はこの記事にアップ済みです。何にしようか考えた末、処女長編『日本アパッチ族』カッパ・ノベルス(64)に決めました。この長編も大好きでしたねえ。
 うちにはカッパ・ノベルス版が3冊あります。左から――
奇想風刺小説 日本アパッチ族』昭和39年3月5日 初版発行〔明泉堂製本〕
SF長編小説 日本アパッチ族』昭和39年3月5日 初版発行〔岩淵製本〕
SF長編小説 日本アパッチ族』昭和39年3月5日 初版発行/昭和39年4月25日 12版発行〔関川製本〕*この本のみ帯付です。
奇想風刺小説.jpg SF長編小説.jpg 帯.jpg
 それにしても……。
「小松左京展」のレポートを書くのをサボっているうちに、このようなことになってしまうとは……。
コメント(6) 

コメント 6

山本孝一

ああ、とうとう小松さんが…。
数年前、京都大学で小松さんの講演会がありました。車椅子姿で、講演というより何人かの方と壇上にあがり質問に答えるという形でしたが、話がちぐはぐで、かつて座談会でも話をまとめさらに議論になるような話題をふるという小松さんの姿を見ているだけに、さびしく思いながら見てました。
質問コーナーもありました。自作のなかで小松先生の一番お気に入りの短編はなんですかと聞きたかったのですが、他の方が京大時代の質問ばかりされてまして、なかなか聞けませんでした。
そして手を挙げようと思ったとたん、小松さんが「タバコがすいたくなったのでもうこのへんでいいでしょう」と予定時間よりも早く終わってしまいました。
それが小松さんを見た最後です。
星、小松、筒井、半村のSF四天王で残られているのは筒井さんだけ。
いつかは来るとはいえさびしいです。
ちなみに私の一番好きな小松作さんの短編は「黴(かび)」です。
by 山本孝一 (2011-07-28 21:37) 

高井 信

 小松さんはまさに「ミスターSF」だったと思います。
>星、小松、筒井、半村のSF四天王で残られているのは筒井さんだけ。
>いつかは来るとはいえさびしいです。
 時の流れには逆らえませんね。

 昨夜は午後8時就寝(笑)。
 録画予約しておいたNHK9時のニュースを、起床してから観ました。
 石川喬司さんが小松さんの思い出を語られていました。お姿を拝見するのは久しぶりなのですが、お元気そうで、嬉しかったです。
by 高井 信 (2011-07-29 05:58) 

橋本喬木

少し前に、毎日こども新聞で最近のお写真を拝見し、心配はしていたのですが・・・
心よりご冥福をお祈りいたします。
by 橋本喬木 (2011-07-29 08:07) 

高井 信

 晩年の小松さんとお会いする機会はありませんでしたが、映像や写真でお姿を拝見して、この日が来るのは遠くないなと覚悟していました。
 しかし、いざ現実となると……。
by 高井 信 (2011-07-29 08:36) 

香川治成

先日は失礼いたしました。
小松左京先生の作品では
短編の「お召し」「召集令状」「物体O」
「ご先祖様万歳」「日本売ります」
「くだんの母」「お糸」「カマガサキ2013年」
(山上たつひこの漫画版も傑作でした)

「本邦東西朝縁起覚書」(金田真義さんが
日本短編SFのベストの一作と評価されてました)etc
ショートショートの「コップ一杯の戦争」「戦争はなかった」etc
長編の「日本アパッチ族」「明日泥棒」「果てしなき流れの果てに」「日本沈没」etc


この他にも数え切れぬほどの傑作名作がありますが
今、思い出すままに書き出した作品のどれもが
日本と日本人を一つの手掛かり、チャンネルとして
人類とその文明に対する深い考察にあふれていました・・・
もしも小松先生がお元気であられたら現在の大震災と
原発事故をどのように考察なされたか・・・
本当に残念でなりません
小松左京先生のご冥福をおいのりいたします。






by 香川治成 (2011-07-30 13:10) 

高井 信

 いやほんと、忘れ得ぬ傑作を数多く遺していただきました。
 小松さんというと、シリアスな作品を評価されることが多いようですが、卓越したユーモア感覚も大きな魅力でした。「三界の首枷」とか「アダムの裔」とか(笑)、忘れられないですねえ。
 ちなみに、私が最初に読んだ小松さんの本はハヤカワSF文庫版の『エスパイ』です。いつ読んだのか定かではありませんが、手持ちの本は昭和46年8月発行の初版ですから、たぶんそのころ(中学2年?)でしょう。
 うわっ、面白い!
 次から次へと小松作品を読み耽ったのでした。
by 高井 信 (2011-07-30 14:53) 

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