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『人間万事塞翁が馬鹿』

 高橋春男『人間万事塞翁が馬鹿』文藝春秋(05)を読んでいます。いちおうエッセイ集ということなんですが、これは……。どう見てもエッセイではないですね(笑)。
「××になりた~い!」というタイトルのもと、思いついたことを書き連ねまくっています。

 その1「ビートルズになりた~い!」
 その2「エジソンになりた~い!」
 その3「ホームレスになりた~い!」
 その4「アンデルセンになりた~い!」
人間万事塞翁が馬鹿.jpg その5「B型になりた~い!」
 その6「編集長になりた~い!」
 その7「NOといえる脳になりた~い!」
 その8「アメリカ人になりた~い!」
 その9「山手線になりた~い!」
 その10「星新一になりた~い!」
 その11「武蔵になりた~い!」
 その12「一休さんになりた~い!」
 その13「大人になりた~い!」
 その14「新選組になりた~い!」
 その15「鬼さんになりた~い!」
 その16「笑いの王様になりた~い!」
 その17「ペットになりた~い!」
 その18「松尾芭蕉になりた~い!」
 あとがきにかえて…「高橋春男になりた~い!?」

 いやはや、節操がないですねえ(笑)。
 私が最も注目したのは、当然のことながら、その10「星新一になりた~い!」です。
 高橋春男は似顔絵を得意とするマンガ家ですから、各タイトル・ページにも自らイラストを描いています。「星新一になりた~い!」では、巨大ホシヅルにまたがった星新一が「これはボクが描いた鶴です ボクが創作したものの中で 唯一 皆さんに納得してもらえなかったものかな!?」と発言しています。いえいえ、ホシヅルは星ファンのみならず、SFファンのアイドルになっておりますよ。そのホシヅルはお尻から「ブリッ」とウ×コをひりだしていまして……。――なんということを!(笑)
 肝心のエッセイ(?)は、と言いますと――

 星新一さんのようなショートショートと、和田誠さんのようなイラストを描ければ一流の漫画家になれる、と信じていた頃がありました。ショートショート、イラスト、そのどちらもお二人には遠く及ばず、その野望は叶いませんでしたが、いまでも時々星さん、和田さんの本は本棚から取り出し、楽しんでいます。(中略)それでは、高橋☆春男の《ショートショートショー》の始まり~始まり~っ。

 という前口上のあと、ショートショートが9編! ほんと、やりたい放題ですね(笑)。ショートショートの出来はともかく、ここまでやられたら、あっぱれ! としか言えません。
 いやしかし、高橋春男は似顔絵のみならず、文章も達者であることを知りました。星新一とは根本的に違うと思いますが、和田誠のテイストはあるような気がします。
 もっと知りたくなりました。>高橋春男
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