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映画『黒い罠』

 映画マニアの友人と話していると、つくづく自分とは映画に対するスタンスが違うなあと思います。
「この映画は××監督で、主演の△△は云々かんぬん。誰それがカメオ出演していて……」など、彼は嬉しそうに話すのですが、私にはチンプンカンプン。私は昔から映画は好きで、けっこうな本数(ただし、かなり偏っている)を観ていますけれど、監督を意識することは少ないし、俳優に至ってはほぼノーチェック。まるっきり気にしていない(もっとはっきり言えば、知らない)と言ったほうがいいかもしれません。歴史的な流れにも無関心だし……。
 思い返せば、昔のテレビの洋画劇場。やはり解説者も、おもに話すのは監督や出演俳優の来歴でした。監督や俳優を楽しむのが映画鑑賞の本道なんでしょうかねえ。
 私はそんなものよりストーリーや映像表現を楽しみたいと思っています。大切なのは、俳優が過去にどんな映画に出演したか、ではなく、この映画ではどんな演技をしているか。それに、たとえば原作小説のある作品でしたら、小説を書いた作家の話とか小説と映画の違いとか、そっちのほうに興味があるのですが。
 とはいえ、映画マニアの気持ちもわかるんですよね。これでも私、若いころはSFマニアでした。ただSFを読むだけではなくて、歴史や書誌情報、裏話も含めて、あれこれの知識を詰め込みまくり。それを同好の士と語り合うのが楽しくて楽しくて。一時期のプロレス(この記事参照)に対しても同様でしたねえ。――それらと似たようなものではないかと想像するのです。
 映画もSFやプロレスと同じで、深い知識があれば、もっともっと楽しめるんだろうなあ。俳優の顔と名前くらい、ちゃんと識別できたほうがいいんだろうなあ。――なんて思う気持ちもないことはなく……。
 で、唐突ですが、昨日ブックオフで、こんな本を買いました。
◎デイヴィッド・クィンラン『クィンラン版 世界映画俳優大事典』講談社(02)
 A4判、800ページ超。――でかっ! 厚っ! 重っ!
 それにふさわしく圧倒的な情報量で、この本があれば、俳優について知りたいときに重宝するのは確実です。
 一昨日に観た映画『狩人の夜』で怪演したロバート・ミッチャムにしても、実は私、「名前に聞き覚えはあるけれど、顔は思い浮かばない」状態なのですが、この本を見ると――おお、こういう経歴なのか。へえ、『眼下の敵』とか『恐怖の岬』なんかにも出てたのか(嬉)。
 さすがに通読する気にはなりませんけれど、こういう本は眺めているだけで楽しいです。現在、ネットでも手軽に調べられますが、やはり私は書籍(=紙)が好きなんですね。
世界映画俳優大事典.jpg 黒い罠.jpg
 そんなこんなで昨夜、映画『黒い罠』(1958年)を観ました。映画マニアの友人に貸してもらった映画の2本目です。

 いわゆるフィルム・ノワール。面白く観ましたけれど、ノワール映画って、あまり私の好みではないんですよね。
 主演はチャールトン・ヘストン。この俳優はよく知っています。
 たとえば、好きな海外の映画俳優を3人挙げろ、と問われたら、すらすらと名前が出てくるのは――
 チャールトン・ヘストン、ハリソン・フォード、シガニー・ウィーバー。こんなところでしょうか。3人とも、私のなかに強烈な印象を残しています。ほかにもピンポイントでは『バーバレラ』のジェーン・フォンダとか『フェノミナ』のジェニファー・コネリーとか、何人かの顔が浮かびますけれど、この3人とは比較になりません。
『黒い罠』は、映画自体は(私の好みからすれば)今ひとつでしたが、チャールトン・ヘストンの若かりし姿を見ることができ、それだけでも満足です。
コメント(2) 

コメント 2

森田 裕

>『クィンラン版 世界映画俳優大事典』

この本、翻訳が出ていたのですね。30年くらい前原書を見つけて、愛用しています。「誰それと結婚、X人のうちX番目」とかヘンリー・シルヴァの項で「もしあなたが、前の方から歩いてくる彼を見たら、絶対に道の反対側によけると思う」(同感!)など、コメントが面白くて、拾い読みしていると止められなくなります。主演、助演クラスの人が中心ですが、その後「性格俳優篇」というのを見つけて、これも買ってしまいました。翻訳版はどうなっているのでしょうか。
by 森田 裕 (2013-11-18 10:10) 

高井 信

 うわあ、原書で! それも30年前に!
 原書は1981年に第1版が刊行され、その後、第5版まで改訂されているそうです。森田さんの買われたのはおそらく第1版でしょうね。翻訳は第3版(1991年)と第5版(2000年)を合わせたもの(サイレント時代から『ロード・オブ・ザ・リング』までカバー)ですが、日本で1作も作品が公開されていない人は割愛されているとのこと。
>その後「性格俳優篇」というのを見つけて、これも買ってしまいました。翻訳版はどうなっているのでしょうか。
 さあ? こんな本があることすら、ブックオフで目にするまで知らなかった人間ですから(苦笑)。
by 高井 信 (2013-11-18 11:02) 

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