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『ビブリア古書堂の事件手帖〈3〉』

 三上延『ビブリア古書堂の事件手帖〈3〉~栞子さんと消えない絆~』メディアワークス文庫(12)を買いました。ロバート・F・ヤング「たんぽぽ娘」(この記事参照)を巡る物語が収録されています。先日放送のTVドラマで、細かい箇所がいくつか気になっていまして、そのへんが原作ではどうなっているのか確認したかったのです。

ビブリア古書堂の事件手帖3.jpg【1】番組冒頭で客が買っていった『年刊SF傑作選2』『奇妙なはなし』はいくらだったのか。
 小説では、「二冊ともカバーがなく、高価なものではなかった」と書かれています。ドラマでは、状態まあまあでカバーが付いていたので、カバー欠本とはまるっきり事情が違いますね。
【2】業者市で、古書店主同士が名前で呼び合っていたが、私の知る限り、古書店主たちは屋号で呼び合っている。これは……?
 小説では、「古書店の店主は屋号で呼ばれることが多い」です。テレビの視聴者向けに改変(私に言わせれば改悪ですが)したのかな。
【3】栞子の持ってきた『たんぽぽ娘』の状態が、かなり悪い。帯付きとは言わないまでも、もう少しきれいな本を使えばいいのに……。
 小説では、「カウンターの上の『たんぽぽ娘』は、何十年も前のものとは思えないきれいな状態だった。きっと大事にされてきた本なのだろう」となっています。あの背ヤケを見たら、大事にされていたとは思えません。あんな本しか入手できなかったのかなあ。>小道具関係者

 以上。
 ふ~~ん、なるほど。――であります。
 いやまあ、どうでもいいことばかりですね(笑)。
コメント(3) 

コメント 3

高井 信

 ふと思いました。
 あれだけ背ヤケがひどければ、「あなたが見た本、こんなに背ヤケしていましたか?」と問い返すことができますね。古本のプロが背ヤケを見逃すわけがなく、すぐに「ごめん。勘違いだった」となるはずです。
 もし背ヤケの程度まで同じというなら、それなりの必然性が必要となります。やはり美本を使うべきだったのでは?
 原作の小説では問題なく書かれているだけに、残念に思います。>不用意な小道具を使ったTVスタッフ
by 高井 信 (2013-03-12 00:06) 

雫石鉄也

私もこの番組観ました。
http://blog.goo.ne.jp/totuzen703/e/dd95e437128ea3e37e257d4db1572b40
原作は読んでませんが、テレビは確かに間尺に合わないところが気になりました。
違う本だということを釈明するためなら、おっしゃるように背ヤケもそうですし、奥つけを見れば判るかも知れません。元の持ち主が「たんぽぽ娘」に思い入れがあるのなら、アンソロジーですから「たんぽぽ娘」のページになんらかの痕跡があるかもしれません。ページの隅を折っているとか。
それに、盗んでないという証拠を見せろというのなら、盗んだという証拠を見せろという反論はなぜしなかったのでしょう。
by 雫石鉄也 (2013-03-12 13:33) 

高井 信

 番組製作のスタッフが、古本というものを今ひとつ理解していないということでしょうね。
>それに、盗んでないという証拠を見せろというのなら、盗んだという証拠を見せろという反論はなぜしなかったのでしょう。
 怒鳴り込んできた古書店主(佐野史郎)相手に、そんなのは通じないでしょう(笑)。もともと証拠はなく、そう思い込んでいるだけですから。
by 高井 信 (2013-03-12 19:55) 

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