「たんぽぽ娘」
―前略―
そりゃまあ確かに、風見潤編『海外ロマンチックSF傑作選② たんぽぽ娘』集英社文庫コバルトシリーズ(80)は素晴らしいアンソロジーですよ。しかしながら、巷で噂の(笑)「たんぽぽ娘」は、この本に収められている8編のうちの1編に過ぎません。「たんぽぽ娘」を読むことが目的であれば、この本にこだわる必要はなく――
◎ジュディス・メリル編『年刊SF傑作選2』創元推理文庫(67)
◎文藝春秋編『アンソロジー人間の情景6 奇妙なはなし』文春文庫(93)
◎「SFマガジン」2000年2月号(525号)
こういったアンソロジーや雑誌で充分です。のみならず、アンソロジーとしての魅力も、これらは決して『たんぽぽ娘』に負けてないと思います。私個人の好みで言えば、「SFマガジン」は雑誌ですから別として、『奇妙なはなし』『年刊SF傑作選2』『たんぽぽ娘』の順となりましょうか。いやまあ、どれも1位なんですけどね。
【追記】
伊藤咲子「ひまわり娘」です。(コメント欄参照)
【追記2】3月4日
今夜放送の『ビブリア古書堂の事件手帖』を思いつつ、ロバート・F・ヤング『ジョナサンと宇宙くじら』の訳者あとがき(伊藤典夫)を眺めていたら――
>「たんぽぽ娘」と題をつけてSF同人誌〈宇宙塵〉に持ちこんでいる。それは、一九六四年三月号に―中略―掲載された。
ありゃ。さっそく「宇宙塵」当該号をチェック。
載っておりました。
そりゃまあ確かに、風見潤編『海外ロマンチックSF傑作選② たんぽぽ娘』集英社文庫コバルトシリーズ(80)は素晴らしいアンソロジーですよ。しかしながら、巷で噂の(笑)「たんぽぽ娘」は、この本に収められている8編のうちの1編に過ぎません。「たんぽぽ娘」を読むことが目的であれば、この本にこだわる必要はなく――
◎ジュディス・メリル編『年刊SF傑作選2』創元推理文庫(67)
◎文藝春秋編『アンソロジー人間の情景6 奇妙なはなし』文春文庫(93)
◎「SFマガジン」2000年2月号(525号)
こういったアンソロジーや雑誌で充分です。のみならず、アンソロジーとしての魅力も、これらは決して『たんぽぽ娘』に負けてないと思います。私個人の好みで言えば、「SFマガジン」は雑誌ですから別として、『奇妙なはなし』『年刊SF傑作選2』『たんぽぽ娘』の順となりましょうか。いやまあ、どれも1位なんですけどね。
【追記】
伊藤咲子「ひまわり娘」です。(コメント欄参照)
【追記2】3月4日
今夜放送の『ビブリア古書堂の事件手帖』を思いつつ、ロバート・F・ヤング『ジョナサンと宇宙くじら』の訳者あとがき(伊藤典夫)を眺めていたら――
>「たんぽぽ娘」と題をつけてSF同人誌〈宇宙塵〉に持ちこんでいる。それは、一九六四年三月号に―中略―掲載された。
ありゃ。さっそく「宇宙塵」当該号をチェック。
載っておりました。
2013-02-26 15:47
コメント(11)
ロバート・F・ヤングの「たんぽぽ娘」が巷で噂になっているんですか。
ま、「たんぽぽ娘」って邦題がいいですものね。もし「ひまわり娘」だったらこんな人気が出なかったかもしれない。
私も初めて読んだときは、あっ、いい話だなぁと思いました。
でも何年かのちに読み返したときは、あっ、こんな設定は絶対にありえないと気がつきました。そういう意味で、読み返しをしてはいけないという珍しいSFだと思います。
「たんぽぽ娘」といえば、河出書房新社から刊行予定の同題の短編集はなかなか出ませんね。
by 山本孝一 (2013-02-26 18:19)
あ、変な書き方をしちゃって、すみません。TVドラマ『ビブリア古書堂の事件手帖』ネタです。――って、実は私、録画はしてあるものの、まだ一度も観てないんですが(苦笑)。
>もし「ひまわり娘」だったらこんな人気が出なかったかもしれない。
そんなこと言ったら、伊藤咲子さんが泣きますよ。←古っ(笑)。
>「たんぽぽ娘」といえば、河出書房新社から刊行予定の同題>の短編集はなかなか出ませんね。
もう何年待っているんでしょう。正直、出ないんではないかと諦めの心境に。
by 高井 信 (2013-02-26 21:14)
「たんぽぽ娘」は来週ですね(今週は「UTOPIA」
でした)。ドラマ、時々見てます。
河出の『たんぽぽ娘』、今が出し時だとは思うの
ですが、ここまで来たらゆっくり待ちたいです。
by 尾川健 (2013-02-26 23:49)
>「たんぽぽ娘」は来週ですね(今週は「UTOPIA」
>でした)。
そうみたいですね。
興味はあるんですが、ドラマ観ている時間があれば映画を観たい、という人間でありまして、なかなか再生ボタンを押せません。
でも、「たんぽぽ娘」は観ないといけないなあ。
>河出の『たんぽぽ娘』、今が出し時だとは思うの
>ですが、ここまで来たらゆっくり待ちたいです。
出してくれるなら、いつでも歓迎です。
by 高井 信 (2013-02-27 00:32)
ふと思いついて、文春文庫「アンソロジー人間の情景」をアマゾンで検索してみたら、うげっ!
全8巻のほとんどは1円なのに、『奇妙なはなし』だけは最低価格4999円!!!!
ちょっと前まで古本屋で100円とか150円とかで、ちょくちょく見かけていたと思うんですが、そういえば最近は見ていないような……。せどりくんたちが鵜の目鷹の目なんでしょうねえ(笑)。
by 高井 信 (2013-02-27 13:40)
いまアマゾンで『海外ロマンチックSF傑作選② たんぽぽ娘』を検索したら、なんと49,800円。
私はこの本を持っていません。
買っときゃよかったなぁ。
by 山本孝一 (2013-02-27 20:10)
実は、アマゾンのムチャ価格がきっかけで、この記事を書いたのでした(笑)。まあ、どんな値段にしようと、出品者の自由ですけどね。
>私はこの本を持っていません。
>買っときゃよかったなぁ。
あら、意外です。あのころのコバルト、私はけっこう買いました。楽しい本が多かったです。
http://short-short.blog.so-net.ne.jp/2009-05-23
by 高井 信 (2013-02-27 21:21)
私も当時「たんぽぽ娘」買いました。SFという衣
を纏ってああいう感じだと中学生はイチコロです。
「SF手帖」でしたか、SF名科白とかいうコーナー
に「おとといは…」が紹介されててうんうんとうな
ずいたものです。
『ジョナサン〜』は一度カバーが変わってるようで
すが、そっちは持ってません。
あと、ここに書くことではないような気がしますが、
今日たまたま「ボッコちゃん」を書店で手に取るこ
とがありまして、ふと奥付を見たら100刷でした。
思わずふらふらとそのままレジに行くところでした。
しかし100刷というのはすごいですね。
by 尾川健 (2013-02-27 22:10)
『SF手帖』(正確には『必携 SF手帖』)とは懐かしい。
久しぶりに手に取ってみました。「おとといは……」、確かに掲載されています。先日の「はなしのまくら」もそうですが、尾川くんの記憶力には脱帽します。
しかしこの本、SF作家や評論家の住所まで掲載されているんですよね。こんなの、いまはありえず、時代を感じます。(ちなみに、1979年の発行です)
『ボッコちゃん』100刷ですか。これはすごい。
>思わずふらふらとそのままレジに行くところでした。
気持ち、わかります(笑)。
by 高井 信 (2013-02-27 23:26)
そんなわけで、『ビブリア古書堂の事件手帖』第8回を観ました。小説は読んだことないし、ドラマもこれまで観たことがないという人間ですが、楽しく観ることができました。これは本好きの琴線に触れますね。第1回から観なければ。
そういえば、河出書房の『たんぽぽ娘』はようやく発売が決まったようで(5月25日発売予定)、アマゾンでも予約受付が始まっています。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4309622070/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&camp=247&creative=7399&creativeASIN=4309622070&linkCode=as2&tag=hondana0c-22
by 高井 信 (2013-03-04 21:59)
アマゾンを見に行ってきました。
さすがにコバルト『たんぽぽ娘』49800円は残っていますが、文春文庫『奇妙なはなし』は「現在お取り扱いできません」……って、4999円でも売れたということ?(絶句)
『ジョナサンと宇宙クジラ』も3500円という高値で出品されていることに気づき、さらに絶句しました。
あ、私の持っている本(1977年発行の初版)は『ジョナサンと宇宙くじら』ですが、新装版は『~クジラ』になっているんですね。解説が加わったりとか、何か変更点があるんでしょうか。ちょっと気になります。
ともあれ。
こんなのは一過性の現象でしょうけれど、あれこれ、昔に買っておいて、よかったと思います。
by 高井 信 (2013-03-05 07:41)