『妖怪ポッコちゃん』
菊地ただし『妖怪ポッコちゃん』草土文化(95)
19~22ページより――
久保田さんがいくら聞いても、どこの子かも、名まえも、としも、なんにも、わかりませんでした。
「どこからきたの?」
「あっち……。」
「名まえは、なんていうの?」
「わかんない……。」
「としは、いくつ?」
「わかんない……。」
久保田さんは、根気よく、名まえを聞き出そうとしました。
「あやこちゃんかな?」
「あやこちゃん……。」
「いずみちゃんかな?」
「いずみちゃん……。」
「うたえちゃんかな?」
「うたえちゃん……。」
まねをするだけで、手ごたえがありません。
2011-11-08 21:07
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