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マイブーム

 一昨日に続いて、「中日新聞」から――
 今日(1月6日)の朝刊に掲載されたコラムです。

ひもとく.JPG
 あらら。「マイブーム」は誤用ですか。私、何も気にせずに――「私の(個人的な)急激な流行」という意味で使っています。言われてみれば、確かに「流行」は世間に広まってこそのものですから、「個人的な流行」というものは存在しませんね。
 う~~む、しかし……。
 こういうのは誤用というより、「マイ」が付くことによって生まれた新しい日本語として認めてもいいのではないか、なんて思います。和製英語って、そんなものですし。
 ふと思い出し、書棚から坂田俊策『NHK カタカナ英語うそ・ほんと』日本放送出版協会(88)を取り出しました。
「はじめに」から何箇所か引用します。
カタカナ英語うそ・ほんと.JPG
・この本は、私たちが日常よく使うカタカナ英語についての読みものです。とくにカタカナ英語と元の英語の間の「ずれ」が話の中心になっています。
・その「ずれ」の第一は発音です。
・カタカナ英語は意味の上でも元の英語との間に「ずれ」があります。
・また、カタカナ語の中には言語が英語ではないものもあります。

 これを読んだだけでも、だいたいの内容がおわかりいただけると思います。
「中日新聞」のコラムでも触れられている「マイ・ホーム」に始まり、「アパート」「マンション」「3LDK」「トイレ」……。多くのカタカナ語が採り上げられています。
 へえ、英語としての本来の意味はそうなのか。――と目から鱗の連続ですが、だからと言って、本来の意味で使おうなんて思いません。元の英語の意味とは違っていても、そういう日本語として使われているのですから、それでいいと思うからです。
 ご存じの方も多いと思いますが、「マイブーム」はみうらじゅんによる造語です。『NHK カタカナ英語うそ・ほんと』の発行された1988年には生まれていなかった言葉ですから、この本には採り上げられていませんが、いま同じような本が出版されたら、採り上げられるでしょうね。

 ついでに、最近読んだ日本語本を紹介しましょう。
小学生のための「正しい日本語」トレーニング.JPG 生越嘉治『小学生のための「正しい日本語」トレーニング 上級編』あすなろ書房(00)です。タイトル通り、小学生を対象とした本なんですが、これがまた、大人が読んでも面白い内容になっています。
 いくつか例を挙げますと――

・「お買い得」と「お徳用」どっちがトク?
 へえ、「徳」にも「利益・儲け」という意味があったのですか。知りませんでした。
・「一つずつ」か? 「一つづつ」か?
 もちろん正しくは「一つずつ」ですが、この間違い、よく目にしますねえ。
・「週末」は土曜日? 日曜日?
 これ、ずっと疑問に思っていました。どうやら、はっきりとは決まっていないようです。
・「おざなり」と「なおざり」 どこがちがうか
 理解してはいますけれど、いざ使うときには、いささか迷ってしまいます。
・「うそをつけ」は「うそをつくな」?
 元々は「嘘をつきたければ、いくらでも嘘をつけ。ちゃんとわかっているぞ」といった言葉だったのが省略されて「嘘をつけ」になったのだそうです。(→4月8日の記事「一行物語」のコメント欄を参照)
・手を「こまねく」か「こまぬく」か?
 正しくは「こまぬく」です。30年近く前ですが、デビューして間もないころ、編集者に間違いを指摘され、驚いたことを思い出しました。とはいえ、「こまぬく」なんて書いたら逆に誤植と思われそうなので、以後も「こまねく」と書いていますが。
・「かってない」か「かつてない」か?
 正しくは「かつて」です。これも「一つづつ」と同様、よく間違いを目にします。

 とまあ、こんな内容です。
 いやあ、日本語って楽しいですねえ。大好きです。
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