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『ポジティヴシンキングの末裔』

ポジティヴシンキングの末裔.JPG 昨日、木下古栗『ポジティヴシンキングの末裔』早川書房・想像力の文学(09)を買いました。全29編を収める作品集です。この本数だけでも、ショートショート・コレクターとしては要チェックですね。
 毎度のことながら、まだほとんど読んでいませんが……。
 この本を書店で手に取ったとき、心のなかで思わず「おへっ」と声を上げてしまいました。帯の袖に、「まったくもって毛深い体質ではなかったはずなのに、ある朝、純一郎が目覚めると、手足が自らの陰毛によって緊縛されていた……(「ラビアコントロール」)。」と書かれていたんですね。
ALEF.JPG へえ。こんな小説を書く人がいるのか。
 と同時に私、大昔に書いたショートショートを思い出しました。タイトルは「陰毛宇宙」――原稿用紙2枚あまりの作品です。
 古いメモを調べましたら、脱稿したのは1975年9月9日とありました。高校3年生で、大学受験直前ではないですか(笑)。
 この作品は、SFファンジン「ALEF」第11号(1975年10月20日発行)に掲載してもらい、その後、東京理科大学SF研究会の会誌「破天荒」第5号(1978年12月20日発行)に再録しました(いずれもペンネーム使用)。
破天荒.JPG まだ、続きがあります。デビュー後、大幅に加筆改稿したものを商業誌に掲載してもらっちゃったんですね。――「奇想天外」1980年3月号の「忍耐の報酬」という作品。
 タイトル変更は、編集部の意向によるものです。「陰毛宇宙」はあまりにもインパクトが強烈ということで……(笑)。前号に、やはりシモネタSF短編「快楽の報酬」という作品を掲載してもらっていて、その流れでタイトルを決めました。「報酬シリーズだ~」なんて、いいかげんなことを言っていたことを思い出します。
 とまあ、そんなわけで――
 無性に懐かしくなって、何十年ぶりかに「ALEF」を手に取り、「陰毛宇宙」を再読しました。
 うわっ。これ、傑作ではないですか。はっきり言って、改稿版「忍耐の報酬」よりも面白いです。
 せっかくの機会ですから、ブログの読者の方々にも読んでいただきましょう。34年も前に書いた作品で、当時と現在では文体や漢字の使い方が違っていますが、一字一句そのまんまです。
陰毛宇宙.jpg
 あっ。記事のタイトルに偽りあり、ですね。以前からの読者はともかく、『ポジティヴシンキングの末裔』をネット検索して、この記事を読んだ人は呆れるでしょうねえ。申しわけありません。

【追記】2013年11月5日
 ここに「陰毛宇宙」がアップされていましたが、手作り冊子に収録しましたので、削除することにしました。
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