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『ナポレオンズの家族で入門マジックワールド』

 マジック入門DVD『ナポレオンズの家族で入門マジックワールド』を観ました。ただマジックを披露するだけではなく、そのトリックおよび進め方を丁寧に説明するという内容です。
 11月25日の記事『魔術師たちと蠱惑のテーブル』に――

 ナポレオンズはよく知っていますが、そのひとりが星新一の大ファンだったなんて……。嬉しいですねえ。
> ショートショートの三条件(私が知ったのは石川喬司さんの文章からですが)新鮮な
>アイデア、完全なプロット、意外な結末――その三原則はなんとマジックを演技するのに
>必要なものとまったく同じだとのちに認識したのです。
 おお、なるほど~。見事に納得しました。マジックを知らない私でも、まさにその通りだと感じます。
マジックワールド.jpg
 このDVDを観て、改めて、その通りだと思いました。
 はたと、拙著『ショートショートの世界』を思い返せば――

 三要素のうち、完成されたショートショートを書く上で最も重要なのは「完全なプロット」でしょう。たとえ平凡なアイデアで意外な結末(オチ)がなくても、プロットさえうまくできていれば(つまり、優れた短編作家であれば)、面白いショートショートを書くことはできます。(29ページ)

「ショートショートを書く」を「マジックを演じる」に、「短編作家」を「マジシャン」に置き換えても、ほとんど違和感はありません。
 同じく『ショートショートの世界』で、私は次のようにも書きました。

最後の「意外な結末」を読んだ途端、ようやく読者には“裏の世界”が見えてくるのです。“裏の世界”の存在を知ってから、再度その作品を読み直すと、初読時には気づかなかった伏線にも気づくことでしょう。
 伏線が巧妙に張られた小説であればあるほど、再読時に“裏の世界”が鮮やかに見えます。(166~167ページ)

 マジックの解説(種明かし)を聞きながら、私はまさに「鮮やかな“裏の世界”」を見ている気分になりました。マジックの進め方や話術で観客を誤誘導する方法は、ショートショートにおける伏線の張り方とよく似ているんですね。
 いろいろな意味で堪能しました。
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