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『愛しのベムは今何処』

 岡田正也『愛しのベムは今何処』なるファンジンを作りました。岡田正也ファンジン・デビュー50周年記念作品集の第2弾。
愛しのベムは今何処.jpg 第1弾『正也君再び近鉄特急に乗る』は小説集でしたが、今回はエッセイ集です。
 古くは「ミュータンツ」創刊号(1963年)に掲載された「自己紹介」から、新しくは「FAR SIGHT」第9号(1985年)に掲載の表題作まで、全9編。――まとめて読むと、タイムスリップしたような気持ちになります。
 私が学生のころに編集・発行した『《世界大ロマン全集》解説総目録』に寄稿していただいた「ハガードとの出会い」も収録しました。2番目に新しいのですが、それでも1979年の発行でして、う~~ん、33年前ですか……。
 ちなみに、『正也君再び近鉄特急に乗る』同様、『愛しのベムは今何処』も超・少部数発行です。もちろん、今回も非売品。『正也君再び近鉄特急に乗る』を喜んでくれた方々に進呈することにし、すでに発送済みです。お楽しみいただくと同時に、岡田さんを偲んでいただければ嬉しいです。

 あ、そうそう。
 こういう手作りファンジンも面白いなと思ったのは、眉村卓『自殺卵』チャチャヤング・ショートショートの会(2012年3月2日発行)を手にしたことがきっかけです。大熊宏俊さんが作られたもの。内情は聞いてないので知りませんけれど、たぶん非売品で、発行部数は極めて少ないと思います。(ここ参照)
 へえ。手作りでも、いい感じじゃん。これなら気楽に出せるし……。
 ――というわけなのでした。
コメント(5) 

コメント 5

山本孝一

『愛しのベムは今何処』を読ませていただきました。
実に楽しいエッセイ集です。
SFの面白さ楽しさの原点を語っておられ、ああ、あの頃のSFは面白かったなぁ、
もうあんな時代は来ないだろうなぁとため息をつきました。
1966年頃のエッセイで当時のSFマガジンに『もう少しオアソビ精神を
盛り込んだ調子のいいお話を読みたい』と注文を連れておられますが
四十数年後の今、私もまったく同じことをSFMに言いたいです。
岡田さんのエッセイは古びてないなぁ。今読んでも理解できます。
楽しいファンジンを高井さん、ありがとうございました。
by 山本孝一 (2012-04-15 17:42) 

高井 信

 感想、一番乗りです。
 ほんと、岡田さんのエッセイは、すとんと心に沁みてきますよね。
 ファンジンを作るのは大変ですが、楽しい作業ではありますし、こうして喜んでいただけると、疲れも吹っ飛びます。
by 高井 信 (2012-04-15 21:08) 

北原尚彦

 『愛しのベムは今何処』拝読しました。
 当時のSF紹介の状況や、ファンの受け取り方、そしてそれに対する「ベムをもっと!」という岡田さんの気持ちが、ひしひしと伝わってきました。
 とても楽しく、かつ日本SF史的にも価値のあるファンジンを、ありがとうございました。
by 北原尚彦 (2012-04-19 12:23) 

高井 信

 喜んでいただき、嬉しいです。
 こんなのは岡田さんの全体像からすれば、氷山の一角に過ぎません。まだまだ、やります!
by 高井 信 (2012-04-19 15:56) 

高井 信

 岡田さんのエッセイが「宇宙塵」156号(1971年7月号)に掲載されていることに気がつきました。「ファン・ジャーナル」というリレー・エッセイの第12回です。いかにも岡田さんらしい好エッセイで、これを『愛しのベムは今何処』に採録しなかったのは失敗でした。もっとも、冊子を差し上げた方々の多くは「宇宙塵」当該号をお持ちでしょうから、ほかのエッセイを採録しそこねるよりはよかったですが。
 ちなみに、「ファン・ジャーナル」の寄稿者は――
(1)吉光伝
(2)荒巻義雄
(3)松崎真治
(4)渡辺晋
(5)戸倉正三
(6)石川駿
(7)柴野拓美
(8)伊藤典夫
(9)牧村光夫
(10)野田宏一郎
(11)杉山祐次郎
(12)岡田正也
 以下略。
 いま見ると、すっごいメンバーですね。
by 高井 信 (2012-04-23 10:23) 

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