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キース・ローマー

 リイ・ブラケットレイ・カミングスのことを書き、心は遥か昔――1970年代のハヤカワSF文庫へ……。
 当時、レイ・カミングスはクラシック、リイ・ブラケットはセミ・クラシックという感覚でしたが、今やどちらもクラシックです。さらに言えば、当時は現代SFの感覚で読んでいた作家たちですら、現在ではクラシックSFになっちゃうんですね。――そんな、言わば当たり前のことに気づきました。
 そっか。てことは、たとえば……そう、キース・ローマーも現在ではクラシックSFなのかあ。――そう考えると、なんだか奇妙な気分です。
 ブラケット、カミングスに続き、キース・ローマーの邦訳書を調べてみました。

『タイム・マシン大騒動』ハヤカワSFシリーズ(67)
『インベーダー』ハヤカワSFシリーズ(68)
インベーダー② 宇宙からの侵入者』ハヤカワSFシリーズ(68)
『前世再生機』ハヤカワSF文庫(71)
タイム・マシン大騒動.jpg インベーダー.jpg インベーダー②.jpg 前世再生機.jpg
『多元宇宙SOS』ハヤカワSF文庫(71)
『銀河のさすらい人』ハヤカワSF文庫(74)/ハヤカワ文庫SF(05)*新装版
混線次元シリーズ〈1〉多元宇宙の王子』ハヤカワ文庫SF(75)
混線次元シリーズ〈2〉混線次元大騒動』ハヤカワ文庫SF(75)
多元宇宙SOS.jpg 銀河のさすらい人.jpg 多元宇宙の王子.jpg 混線次元大騒動.jpg
『突撃! かぶと虫部隊』ハヤカワ文庫SF(75)
『優しい侵略者』ハヤカワ文庫SF(76)
『多元宇宙の帝国』ハヤカワ文庫SF(78)
『時の罠』ハヤカワ文庫SF(78)
『星の秘宝を求めて』ハヤカワ文庫SF(79)
突撃!かぶと虫部隊.jpg 優しい侵略者.jpg 多元宇宙の帝国.jpg 時の罠.jpg
 ブラケットやカミングスと同様、見事に1970年代に出版が集中しています。最も新しい――といっても1979年刊ですが――『星の秘宝を求めて』以外の本は、うちにありました。けっこう好きな作家だったんですよね。>キース・ローマー
 1979年というと、私が商業誌デビューをした年です。その前後、翻訳小説にはほとんど手を伸ばさず、日本人の小説――特に当時の新人SF作家たち(1970年代後半デビュー)の作品を手当たり次第に読んでいたという記憶があります。
 ずっと買い続け、楽しく読んでいたキース・ローマーを買わなかったのは、そういう時期だったからだと思います。正直、この記事を書くために邦訳書を調べるまで、『星の秘宝を求めて』という本の存在すら知りませんでした。
 今さら読もうとは思いませんが、1冊だけ欠けているのは、なんだか落ち着きませんね。どこかで見かけたら買ってしまうかも(笑)。

【追記】4月21日
『星の秘宝を求めて』を買いました。→この記事
コメント(4) 

コメント 4

山本孝一

あっ私も『星の秘宝を求めて』は知らない。
読んだなかでは『タイム・マシン大騒動』が一番面白かったかなぁ。
ローマ-の作品って読んでいる時はむちゃくちゃ面白いのですが
読み終わったらあらすじをおぼえていない、そんな印象があります。
書影を見ても『タイム・マシン大騒動』以外はどんな話だったかおぼえていません。
『インベーダー』がつまらなかったのはおぼえてますが…。
『インベーダー② 宇宙からの侵入者』は中編3編ぐらいで構成されていて
これはなかなか軽快な話で楽しいでしたが。
当時のSFMの「SFスキャナー」でローマ-とローゼル・G・ブラウン共作の
Earthblood (地球人の血) という作品が誉めてあって、その頃の
ローマ-人気からこれはいずれ訳されるだろうと楽しみにしていたのですが
今も未訳のままです。今からでも訳してほしいものです。
by 山本孝一 (2012-03-31 20:39) 

高井 信

>ローマ-の作品って読んでいる時はむちゃくちゃ面白いのですが
>読み終わったらあらすじをおぼえていない、そんな印象があります。
 同感! それでも、新刊が出ると読みたくなっちゃう作家でした。
>当時のSFMの「SFスキャナー」でローマ-とローゼル・G・ブラウン共作の
>Earthblood (地球人の血) という作品が誉めてあって、
 なんという記憶力ですか。驚くばかりです。
by 高井 信 (2012-03-31 23:40) 

山本孝一

>なんという記憶力ですか。驚くばかりです。
いやぁ、当時の伊藤典夫さんの「SFスキャナー」とか
野田さんの 「SF実験室」は面白くて毎月本当に楽しみでした。
伊藤さんとか野田さんは原書を紹介するときに、その本を読みたくなる
ような、その本をより面白く思わせる力をもっておられたと思います。
マレイ・ラインスターの作品なんて、実際に読むより、野田さんの紹介の
ほうがずっと面白かったおぼえがあります。
いちばん記憶に残っているのは、伊藤さんが紹介されていた
ロバート・シルヴァーバーグのThe Book of Skulls(髑髏の書)という本で
不死を得ることのできる髑髏をめぐる話で、メチャクチャ怖くて面白いらしい。
特に4人の学生が不死を得る試練のため髑髏の前で、自分がやった
一番悪い事を告白するという場面はすごい…とあり、読みたくてたまりませんでした。
SFでもないし、といってホラーでもない。今でも読みたいです。
といって原書を読むほどの力はないし。
今もSFMには英米のSFを紹介するコラムはあるけれど、野田さん
伊藤さんの面白さはまったくありません。読みたいとは思わないものなぁ。
以前、伊藤さんの「SFスキャナー」などをまとめて本にするという企画が
あったようですがあれはどうなったのかなぁ。読みたいものです。

by 山本孝一 (2012-04-01 08:45) 

高井 信

 最近のことは知りませんが、「こてん古典」の横田順彌さんもそうだったなあ~なんて思い出しました。ああいう方々の紹介は、一種の芸ですね。
by 高井 信 (2012-04-01 12:57) 

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