SSブログ

訃報:河野典生さん

 大熊宏俊さんのところで、河野典生さんの逝去を知りました。今年1月29日、嚥下性肺炎のため。77歳。
 正直、そんなに多くの著作を読んだわけではないのですが、それでも印象に残っている作品は少なくありません。(SFファンの目で見て)代表作は『街の博物誌』のシリーズでしょう。
『街の博物誌』早川書房(74)/ハヤカワ文庫JA(79)/ファラオ企画・原点叢書(91)
『続・街の博物誌』早川書房(79)
 幻想的な短編は魅力的でしたね。うちにある最も新しい河野典生の本は、おそらくファラオ企画版『街の博物誌』と思います。買ったのは7~8年前だったでしょうか。古本屋を回っていて見かけ、「へえ、こんな本が出てたのか。原点叢書か。確かに原点だよなあ」と購入したものです。
 ほか、個人的に強く印象に残っているのは、「怪腕探偵(ターザン)シリーズ」と銘打たれたユーモア・ハードボイルド長編です。ターザンといっても、もちろんあのターザンではなくて、私立探偵・田沢太一の通称(笑)。私はE・R・バローズ(ターザンの作者)の大ファンですから、「ターザン」という4文字に惹かれて手に取りました。さほど期待はしていなかったのですが、これがけっこう楽しかったんですよね。
『探偵(ターザン)はいま鉄板の上』ノン・ノベル(76)/徳間文庫(84)
『幻夢・肥満狂死曲』ノン・ノベル(85)
街の博物誌(早川書房).jpg 街の博物誌(ファラオ企画).jpg 探偵はいま鉄板の上.jpg 幻夢・肥満狂死曲.jpg
 以下、ショートショート集リストです(参考書も含む)。
『緑の時代』ハヤカワSFシリーズ(72)/角川文庫(75)*1編割愛。/ハヤカワ文庫JA(79)*ハヤカワSFシリーズ版と同じ。
『ペインティング・ナイフの群像』新潮社(74)
『町の案内図 声、そして彼らの旅』徳間書店(80)
『ルーシーは爆薬持って空に浮かぶ』集英社(81)
緑の時代.jpg 緑の時代(角川文庫).jpg 緑の時代(ハヤカワ文庫).jpg ペインティング・ナイフの群像.jpg
街の案内図.jpg ルーシーは爆薬持って空に浮かぶ.jpg
 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
コメント(0) 

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。