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『物語あそび』

 ジャンニ・ロダーリ『物語あそび―開かれた物語―』筑摩書房(81)を読んでいます。
物語あそび.jpg 冒頭の「この本とのつきあい方」には――

 みなさん、わたしが物語をとちゅうまでつくります。みなさんがそのあとをつづけて、物語のフィナーレ(しめくくり)をつくってください。
 この本には二十の物語がおさめてありますが、わたしの話を聞いて、子どもたちがつくったフィナーレを一話につき三つずつのせておきました。

 とあります。
 起承転結で言えば、ロダーリが起承(あるいは起承転)を、子どもたち(6歳から9歳だそうです)が転結(あるいは結)を担当するということになるでしょうか。
 いやあ、この本、面白いですね。
 ちょっと前に読んだ『もしもし‥‥はなしちゅう』と同系統のお話がてんこ盛りで、当然のことながら私好み。子どもたちが考えたという結末もヴァラエティに富んでいて、楽しめます。
ファンタジーの文法.jpg 星新一はショートショートのアイデアを練る際、冒頭の異様さを重要視されたとのこと。私自身の経験でも、シチュエーションさえ決まってしまえば、意外なオチを考えるのは、さほど難しいことではありません。それが納得できますね。いや、ほんと。
 なお、ロダーリ『ファンタジーの文法』筑摩書房(78)/ちくま文庫(90)に収録されている「41 あそぶための物語」には、この『物語あそび』の舞台裏が語られています。こちらも非常に興味深い内容です。

《開かれた》物語――まだ完結していない、あるいはいくつもの結末が選択できる物語――は、ファンタジーによる問題解決の形式を持っている。
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