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『頭の体操』

 昨日の記事「国際SFシンポジウム・名古屋大会」で――
> 第1部「SFとジェンダー、少女VS.女」はパット・マーフィーさんの話で始まりました。
>まずは多湖輝『頭の体操』にあったようなクイズ、そしてトリックアート。どちらも私の大好物で、いきなり引き込まれてしまいました。
 と書きました。
 特に多湖輝『頭の体操』シリーズ(カッパブックス)ですね。小学6年のころ、当時はまだ第4集までしか発行されていませんでしたが、はまりまくったのですよ。この4冊、何度読み返したことか。うちにある本の小口は手垢で真っ黒になっています。
『頭の体操』シリーズは大ベストセラーでしたから、お読みの方も多いことでしょう。『頭の体操 第1集』初版は1966年12月ですが、うちにある本は1969年3月発行の291版!
 下の書影――左は私が繰り返し読んだ本(291版)、右はその初版です。何年か前に古本屋で見かけ、「へえ、第1集って書いてないんだ。最初はシリーズ化する予定はなかったのか」と、なんだか嬉しくなって(笑)買ってみたものです。
頭の体操(291版).jpg 頭の体操(初版).jpg
 以前から、ことにショートショートやアイデア・ストーリーの作家として、私の発想の原点はこの4冊にあると思っていました。発想の転換、固定観念の破壊、常識からの脱却……。アイデアというのは、まさにここから生まれるのですよ。
『頭の体操』シリーズは第4集(1967年11月)までが矢継ぎ早に刊行されたあと、しばらく小休止。第5集が発行されるのは1977年8月です。その後も刊行は続き、現在ではこんなになっています(下の画像)。
 ええ、全冊、きっちりと読んでいますよ。まあ、最初の4冊ほどには熱狂的になれませんけれど……。
頭の体操(全).jpg
 さて、冒頭に戻ります。
 パット・マーフィーさんの出題されたクイズは、以下のパターンです。このパターンは『頭の体操』では何度も使われていて、下に挙げたのは第1集、第2集から。
 ジェンダー云々は関係なく、こういう発想は大切と思います。
第1集より.jpg 第2集より.jpg
コメント(4) 

コメント 4

山本孝一

「頭の体操」は人から借りて読んだ程度なのですが、この問題は覚えております。
「地球最後の男が部屋にいた。するとノックの音がした。ノックをしたのは誰?」
とか、
和田誠さんのジョーク本にあった
「僕のお父さんとお母さんに子供ができた。でもそれは僕の兄でも弟でも姉でも妹でもない。それは誰?」
に通じるクイズですね。
「頭の体操」って7~8冊も出ていたかなぁと思っていたのですが、こんなに出ていたとは…。
by 山本孝一 (2013-07-26 21:13) 

高井 信

>「頭の体操」って7~8冊も出ていたかなぁと思っていたのですが、
>こんなに出ていたとは…。
 私も記事を書くために書棚から取り出してみて、「うわ、こんなに出てたんだ」と、改めて感動してしまいました。

by 高井 信 (2013-07-26 23:34) 

北原和洋

私も第1集〜4集に熱中し、そのあとは6集くらいまで買っていた記憶があります。今回の問題にも関係しますけど、「先入観を捨てること」の大切さを多湖先生に教わったように思います。
by 北原和洋 (2013-07-28 16:14) 

高井 信

 やはり4集までですよね。あとはまあ、惰性というか(笑)。
>「先入観を捨てること」の大切さを多湖先生に教わったように思います。
 本当にその通りですね。正面ではなく、いろんな方向から見る、とか。
by 高井 信 (2013-07-28 18:01) 

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