「女か虎か」書誌
ネット・サーフィンしていて、早川書房サイトの「刊行予定―これから出る本―」に――
《【謎／リドル】》の【謎／ミステリ】、その他の【謎／リドル】 1,785円
山口 雅也（著）
刊行日: 2012/08/23
ハヤカワ・ミステリワールド脳を刺激し興奮の極致へ誘う、バラエティに富んだリドルストーリー「異版 女か虎か」「謎の連続殺人鬼《【謎々／リドル】》」「群れ」「見知らぬカード」「私か【分 身／ドツペルゲンガー】か」の異色の五篇。鬼才の放つ謎に挑め！
おお、「異版 女か虎か」が単行本に収録されますか。これは買わなきゃ、であります。
何度も書いていますが、とにかく私はリドル・ストーリーが好きで、当然のことながらＦ・Ｒ・ストックトン「女か虎か」も大好き。
思い返せば、当ブログ（実質的な）最初の記事はリドル・ストーリーでした。当該記事には「女か虎か」および続編やパロディなどの書誌を掲載しています。
あれから3年あまり。新刊も出ましたし、新たな発見もあります。この機会に、「女か虎か」関連作品書誌（最新版）を作ることにしました。今回、書影は割愛。私が所有していない資料は太字表記にしました。
◎フランク・Ｒ・ストックトン「女か虎か」
・『探偵家庭小説篇』近代社・世界短篇小説大系（26）＊タイトルは「淑女か猛虎か」
・『善良な男 他三篇』改造社・世界大衆文学全集（31）＊タイトルは「淑女か猛虎か」
・「エラリイクイーンズミステリマガジン」1958年1月号
・西川正身編『アメリカ文学 19世紀』集英社・世界短篇文学全集13（64）
・石川喬司編『37の短篇（傑作短篇集）』早川書房・世界ミステリ全集18（73）
・各務三郎編『世界ショートショート傑作選２』講談社文庫（79）＊タイトルは「女か、それともトラか」
・「ミステリマガジン」1989年８月号
・紀田順一郎編『謎の物語』筑摩書房・ちくまプリマーブックス（91）
・山口雅也編『山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー』角川文庫（07）
・早川書房編集部編『天外消失』ハヤカワ・ミステリ（08）
・「ミステリマガジン」2011年3月号
・紀田順一郎編『謎の物語』ちくま文庫（12）
◎フランク・Ｒ・ストックトン「三日月刀の促進士」
・「エラリイクイーンズミステリマガジン」1958年1月号
・山口雅也編『山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー』角川文庫（07）
・紀田順一郎編『謎の物語』ちくま文庫（12）＊タイトルは「三日月刀の督励官」
◎ジャック・モフィット「女と虎と」
・「エラリイクイーンズミステリマガジン」1959年3月号
・紀田順一郎編『謎の物語』ちくま文庫（12）
◎エドワード・Ｄ・ホック「女かライオンか」
・「ミステリマガジン」1979年12月号
◎都筑道夫「女か虎か」
・初出：不明
・都筑道夫監修『海底の人魚』新風出版社・５分間新書（69）＊タイトルは「リドル・ストーリイ」
・『悪夢図鑑 都筑道夫ショート・ショート集成=１』桃源社（73）
・『悪夢図鑑 都筑道夫ショート・ショート集成=１』桃源社（77）＊新装版
・『悪夢図鑑② 感傷的会話』角川文庫（79）
◎福永武彦「女か西瓜か」
・「別冊クイーンマガジン」1959年秋号＊加田伶太郎名義
・『加田伶太郎全集』桃源社（70）
・『加田伶太郎全集』新潮社・福永武彦全小説Ⅴ（74）
・『加田伶太郎全集』扶桑社文庫・昭和ミステリ秘宝（01）
◎小松左京「女か怪物か」
・「別冊宝石122号 世界ＳＦ傑作集」1963年9月
・『影が重なる時』ハヤカワＳＦシリーズ（64）
・『御先祖様万歳』ハヤカワ文庫ＪＡ（73）
・『サテライト・オペレーション』集英社文庫（77）
・『御先祖様万歳』角川文庫（78）
・『日本売ります』ハルキ文庫（99）
◎生島治郎「男か？ 熊か？」
・「エラリイクイーンズミステリマガジン」1964年9月号
・『淋しがりやのキング』徳間書店（68）
・中島河太郎・権田萬治編『日本代表ミステリー選集２ 犯罪エリート集団』角川文庫（75）
・『死は花の匂い』旺文社文庫（84）
◎東野圭吾「女も虎も」
・「ＩＮ★ＰＯＣＫＥＴ」1997年7月号
・中島らもほか『輝きの一瞬 短くて心に残る30編』講談社文庫（99）
・『あの頃の誰か』光文社文庫（11）
◎芦辺拓「異説・女か虎か」
・「毎日新聞」2003年6月1日
・『迷宮パノラマ館』実業之日本社（07）
◎芦辺拓「女も虎も」
・「毎日新聞」2003年6月8日
・『迷宮パノラマ館』実業之日本社（07）
◎家田満理「女も、虎も……」
・「小説現代」2009年9月号
・阿刀田高編『ショートショートの花束４』講談社文庫（12）
◎アブラハム・ネイサン 山口雅也／訳「異版 女か虎か」
・「ミステリマガジン」2011年3月号
◎高井信「女か虎か」
・井上雅彦監修『物語のルミナリエ』光文社文庫・異形コレクション（11）
根強い人気が窺えますね。
あ、そうそう。ストックトンといえば、ちょっと前に「きみならどうする」という短編を読みました。（木暮正夫・岡信子選『10分で読めるお話 五年生』学研（05）に掲載）
ストックトンの作品で、このタイトル。「女か虎か」ではないか、と思われた方もいるかもしれません。私も目次でタイトルを見た瞬間にはそう思いました。しかし、違ったのですね。
生まれて初めて狩りに出かけた少年ハルが鹿の家族に遭遇。銃を取るか写真機を取るか、悩みます。
残念なことに、少年の決断と結末が書かれています。せめてリドル・ストーリーであったなら……。
《【謎／リドル】》の【謎／ミステリ】、その他の【謎／リドル】 1,785円
山口 雅也（著）
刊行日: 2012/08/23
ハヤカワ・ミステリワールド脳を刺激し興奮の極致へ誘う、バラエティに富んだリドルストーリー「異版 女か虎か」「謎の連続殺人鬼《【謎々／リドル】》」「群れ」「見知らぬカード」「私か【分 身／ドツペルゲンガー】か」の異色の五篇。鬼才の放つ謎に挑め！
おお、「異版 女か虎か」が単行本に収録されますか。これは買わなきゃ、であります。
何度も書いていますが、とにかく私はリドル・ストーリーが好きで、当然のことながらＦ・Ｒ・ストックトン「女か虎か」も大好き。
思い返せば、当ブログ（実質的な）最初の記事はリドル・ストーリーでした。当該記事には「女か虎か」および続編やパロディなどの書誌を掲載しています。
あれから3年あまり。新刊も出ましたし、新たな発見もあります。この機会に、「女か虎か」関連作品書誌（最新版）を作ることにしました。今回、書影は割愛。私が所有していない資料は太字表記にしました。
◎フランク・Ｒ・ストックトン「女か虎か」
・『探偵家庭小説篇』近代社・世界短篇小説大系（26）＊タイトルは「淑女か猛虎か」
・『善良な男 他三篇』改造社・世界大衆文学全集（31）＊タイトルは「淑女か猛虎か」
・「エラリイクイーンズミステリマガジン」1958年1月号
・西川正身編『アメリカ文学 19世紀』集英社・世界短篇文学全集13（64）
・石川喬司編『37の短篇（傑作短篇集）』早川書房・世界ミステリ全集18（73）
・各務三郎編『世界ショートショート傑作選２』講談社文庫（79）＊タイトルは「女か、それともトラか」
・「ミステリマガジン」1989年８月号
・紀田順一郎編『謎の物語』筑摩書房・ちくまプリマーブックス（91）
・山口雅也編『山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー』角川文庫（07）
・早川書房編集部編『天外消失』ハヤカワ・ミステリ（08）
・「ミステリマガジン」2011年3月号
・紀田順一郎編『謎の物語』ちくま文庫（12）
◎フランク・Ｒ・ストックトン「三日月刀の促進士」
・「エラリイクイーンズミステリマガジン」1958年1月号
・山口雅也編『山口雅也の本格ミステリ・アンソロジー』角川文庫（07）
・紀田順一郎編『謎の物語』ちくま文庫（12）＊タイトルは「三日月刀の督励官」
◎ジャック・モフィット「女と虎と」
・「エラリイクイーンズミステリマガジン」1959年3月号
・紀田順一郎編『謎の物語』ちくま文庫（12）
◎エドワード・Ｄ・ホック「女かライオンか」
・「ミステリマガジン」1979年12月号
◎都筑道夫「女か虎か」
・初出：不明
・都筑道夫監修『海底の人魚』新風出版社・５分間新書（69）＊タイトルは「リドル・ストーリイ」
・『悪夢図鑑 都筑道夫ショート・ショート集成=１』桃源社（73）
・『悪夢図鑑 都筑道夫ショート・ショート集成=１』桃源社（77）＊新装版
・『悪夢図鑑② 感傷的会話』角川文庫（79）
◎福永武彦「女か西瓜か」
・「別冊クイーンマガジン」1959年秋号＊加田伶太郎名義
・『加田伶太郎全集』桃源社（70）
・『加田伶太郎全集』新潮社・福永武彦全小説Ⅴ（74）
・『加田伶太郎全集』扶桑社文庫・昭和ミステリ秘宝（01）
◎小松左京「女か怪物か」
・「別冊宝石122号 世界ＳＦ傑作集」1963年9月
・『影が重なる時』ハヤカワＳＦシリーズ（64）
・『御先祖様万歳』ハヤカワ文庫ＪＡ（73）
・『サテライト・オペレーション』集英社文庫（77）
・『御先祖様万歳』角川文庫（78）
・『日本売ります』ハルキ文庫（99）
◎生島治郎「男か？ 熊か？」
・「エラリイクイーンズミステリマガジン」1964年9月号
・『淋しがりやのキング』徳間書店（68）
・中島河太郎・権田萬治編『日本代表ミステリー選集２ 犯罪エリート集団』角川文庫（75）
・『死は花の匂い』旺文社文庫（84）
◎東野圭吾「女も虎も」
・「ＩＮ★ＰＯＣＫＥＴ」1997年7月号
・中島らもほか『輝きの一瞬 短くて心に残る30編』講談社文庫（99）
・『あの頃の誰か』光文社文庫（11）
◎芦辺拓「異説・女か虎か」
・「毎日新聞」2003年6月1日
・『迷宮パノラマ館』実業之日本社（07）
◎芦辺拓「女も虎も」
・「毎日新聞」2003年6月8日
・『迷宮パノラマ館』実業之日本社（07）
◎家田満理「女も、虎も……」
・「小説現代」2009年9月号
・阿刀田高編『ショートショートの花束４』講談社文庫（12）
◎アブラハム・ネイサン 山口雅也／訳「異版 女か虎か」
・「ミステリマガジン」2011年3月号
◎高井信「女か虎か」
・井上雅彦監修『物語のルミナリエ』光文社文庫・異形コレクション（11）
根強い人気が窺えますね。
あ、そうそう。ストックトンといえば、ちょっと前に「きみならどうする」という短編を読みました。（木暮正夫・岡信子選『10分で読めるお話 五年生』学研（05）に掲載）ストックトンの作品で、このタイトル。「女か虎か」ではないか、と思われた方もいるかもしれません。私も目次でタイトルを見た瞬間にはそう思いました。しかし、違ったのですね。
生まれて初めて狩りに出かけた少年ハルが鹿の家族に遭遇。銃を取るか写真機を取るか、悩みます。
残念なことに、少年の決断と結末が書かれています。せめてリドル・ストーリーであったなら……。
2012-07-06 12:58
コメント(3)
ストックトンの「女か虎か」と「三日月刀の促進士」は、それぞれ『小説ジュニア』の昭和47年４月号、５月号に掲載されております。
再録かも知れませんが、念のためにお知らせを。
by 戸田和光 (2012-07-08 08:25)
戸田さん、いらっしゃいませ。
ストックトン情報、ありがとうございます。まったく知りませんでした。
いやいや、それはそれとして――
リンクされているサイトを拝見し、びっくりしました。なかでも、星新一・初出リストの補遺！ さっそくリストを修正させていただきますね。（私が直接修正するわけではないので、タイムラグがあります）
こんな方がおられるとは、本当に驚きました。世のなか、広いです。
サイトで紹介されていた『国内戦後ミステリ作家作品目録 極私的・拾遺集』、購入したく思います。別途、メールを出させていただきますので、よろしくお願いいたします。
by 高井 信 (2012-07-08 09:06)
戸田和光先生は、迷宮会の「ショートショートの世界」を書いた方だと思います。
（http://coolrip.b.ribbon.to/tokyo.cool.ne.jp/meikyu/art98/tdk9804.html ）
初めて掲載された当時、これほど「ショートショートの広場」を詳しく取り上げたＨＰはなく、 自分の名前が出て来る事もあって、わくわくして読みました。
文中、津井つい（吉田要）（甲斐みなと）先生について、
「辛うじて、津井ついという 人だけは、その後も時々見たような気がするのだけれど、これは、その特徴的なペン ネーム故の錯覚だろうか。改めて思い返してみると、どこで巡り合ったのか、全く思 い出せないからである。」
とあるのは、おそらく、
鮎川哲也（編）「猫のミステリー傑作選」(河出文庫)
（http://www.amazon.co.jp/%E7%8C%AB%E3%81%AE%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%BC%E5%82%91%E4%BD%9C%E9%81%B8-%E6%B2%B3%E5%87%BA%E6%96%87%E5%BA%AB-%E9%AE%8E%E5%B7%9D-%E5%93%B2%E4%B9%9F/dp/4309401651 ）
鮎川哲也（編）「猫のミステリー」(河出文庫)
（http://www.amazon.co.jp/%E7%8C%AB%E3%81%AE%E3%83%9F%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%AA%E3%83%BC-%E6%B2%B3%E5%87%BA%E6%96%87%E5%BA%AB-%E9%AE%8E%E5%B7%9D-%E5%93%B2%E4%B9%9F/dp/4309405606 ）
の事だと思います。
同じ「ショートショートの広場」の作家、藤枝ちえ先生の作品とともに収録されています。
藤枝ちえ「将門の秘密」(光文社文庫)
（http://www.amazon.co.jp/%E5%B0%86%E9%96%80%E3%81%AE%E7%A7%98%E5%AF%86-%E5%85%89%E6%96%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E8%97%A4%E6%9E%9D-%E3%81%A1%E3%81%88/dp/433472096X ）
「猫のミステリー傑作選」でも「猫のミステリー傑作選」でも、津井つい先生は行方不明作家となっており、河出文庫に連絡を取ってみると、担当編集者が退職の数カ月前との事でした。
その後、津井つい先生からは、
「推理小説は書くつもりはないから、（河出書房新社の）「文藝」を紹介してくれ」
という話がありました。
兵庫県神戸市で文芸同人誌を主宰しています。
あと、「ショートショートの世界」で、
「５９年 ７月号 染田 亨 夜が来る （青山章二が改名したもの）」
とあるのは、「深田」ですね。
by 橘まるみ (2012-07-14 17:14)