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「耽奇小説」

 2009年10月14日の記事に、以下のように書きました。

 昨日発売された「野性時代」11月号は「特集 原稿用紙15枚のワンダーランド」として、ショートショートの大特集を組んでいます。
 ―中略―
「野性時代」を眺めていて、ショートショート特集とは別に、とんでもないページに出食わしました。日下三蔵のコラム「ショートショート初紹介」です(351ページ)。
 日本にショートショートという名称が紹介されたのは「エラリイクイーンズミステリマガジン」1959年1月号掲載の都筑道夫「舶来小咄由来」とされていましたが、それ以前に、「耽奇小説」1958年11月号に掲載された一文で、「ショート・ショート」という名称が紹介されているとか。無署名ですが、都筑道夫の文章に間違いないようです。
 いやあ、知りませんでした。驚きました。

 その「耽奇小説」1958年11月号をゲット!
 ええ、確かに、アーネスト・レーマン「通話状態良好」の解説「原作者アーネスト・レーマンについて」には――
耽奇小説.jpg
 これはアメリカの雑誌で、ショート・ショートと呼ばれている形式の作品です。短篇小説よりもずっと短く、大判の雑誌で、挿絵を入れて見ひらき二ページにおさまるぐらいになっています。
 わずか二ページで、読者のこころをつかみ、意表をついた結末をつけなければならないのですから、普通の短篇小説とおなじくらい、ときにはそれ以上に難かしい形式です。無駄があってはいけない。泥臭くてはいけない。洗練されつくした、カミソリのように冴えた技巧が必要です。

 と書かれています。わかってはいても、現物を確認できたことは大きな収穫ですね。
 なお、「ショート・ショート・ストーリイ」となりますと、その遥か前に紹介されています。2010年9月23日の記事『コント文學と創作法』をご参照ください。
「エラリイクイーンズミステリマガジン」1959年1月号については、この記事を。
コメント(4) 

コメント 4

北原尚彦

『耽奇小説』、よくまあピンポイントで目的の号を見つけましたね。あくなき探求精神に敬服です。
『耽奇小説』は、この独特な雰囲気の表紙がまたイイんですよねえ。
by 北原尚彦 (2012-03-12 17:48) 

高井 信

 先月は、ふと手に取った「婦人公論」に星新一さんの単行本未収録ショートショートが掲載されていたりして……。ほかにもあれこれ。ここのところ、古本屋に行く頻度が少ない割には嬉しい収穫がけっこう多いです。
 何か来ているのかもしれません。この流れは大切にしたいですね。
by 高井 信 (2012-03-12 20:20) 

黒田

 初めて書き込みさせて頂きます。
 たまたま『耽奇小説』で検索をかけていたところ、貴ブログに辿り着きました。

 『耽奇小説』ですが、『裏窓』増刊時代からの分を揃えておりますので、お探しの作品があれば調べる事は可能です。

 コアなSFファンや探偵小説ファンならば、この雑誌を持っている方は大勢いらっしゃるかも知れませんが、余計な事かと思いつつ書き込みをさせて頂きました。

 これからも貴ブログ、定期的に訪問させて頂こうと思います。
by 黒田 (2012-10-25 17:47) 

高井 信

 黒田さん、いらっしゃいませ。
> 『耽奇小説』ですが、『裏窓』増刊時代からの分を揃えておりますので、
>お探しの作品があれば調べる事は可能です。
 ご親切な申し出、ありがとうございます。すごいですねえ。
 今のところ「耽奇小説」関連で特に調査項目はありません。もし何かあった場合、ご協力をお願いするかもしれません。
 その際はよろしくお願いいたします。
by 高井 信 (2012-10-25 22:57) 

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