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『蜘蛛』

 購入した本は、ちゃんと読むかどうかは別として、ざっと目を通すようにはしています。しかし稀に、買うだけ買って、中身を見ることもなく放置してしまう本もありまして……(苦笑)。
 原作/ハンス・エーベルス、劇画/手塚プロ『蜘蛛』主婦の友社・TOMOコミックス(78)もそんな1冊です。
 とある事情で、この本を手に取り、中身をチェックしました。
 あら。エーベルス「蜘蛛」以外に、モーパッサン「呪いの手」とジェイコブス「猿の手」(のマンガ化作品)も収録されていたのですか。う~~ん、知りませんでしたねえ。「猿の手」大好き人間としては、まさに不覚!
 そこで思い出したのが、H・H・エーベルス『蜘蛛』東京創元社・世界恐怖小説全集(59)です。一見、まるでエーベルス単独の著作のように見えますが、収録されている7編のうちエーベルス作品は3編。ほかに、クライスト、ケルナーが各1編、ホフマンが2編。つまり、4人の作家によるアンソロジーなんですね。
 とまあ、そんなことに思いを巡らせていれば、当然の結果として――
 エーベルスの短編集って、何冊出ているんだろう。
 となります(笑)。
 ぱっと思いつくのは『エーヴェルス短編集 蜘蛛・ミイラの花嫁』創土社(73)ですが、ほかには?
 調べてみたところ、どうやらこの1冊だけのようです。意外というか残念というか……。
 こういうときは、光文社古典新訳文庫に期待! であります。
蜘蛛(マンガ).jpg 蜘蛛.jpg 蜘蛛・ミイラの花嫁他.jpg 吸血鬼.jpg
 ちなみに、私が初めて手にしたエーベルスの本は、たぶん『吸血鬼』東京創元社・世界大ロマン全集(57)だろうと思います。中学生のときだったか、高校生だったか。いずれにしても40年近く前のことで、内容はすっかり忘却の彼方なんですが、悪夢を見ているような小説だったという印象が強く残っています。
 ついでに――
 エーベルス原作の映画『プラーグの大学生』については、ここに。

【補足】
 世界恐怖小説全集『蜘蛛』に収録されていた7編のうち4編はエーベルス他『怪奇小説傑作集5』創元推理文庫(69)に収録されています。各作家1編ずつで、エーベルスはもちろん「蜘蛛」です。
『怪奇小説傑作集(全5巻)』創元推理文庫(69)は、もう見事としか言えないアンソロジーです。まだ読んでない方は、ぜひ!
怪奇小説傑作集1.jpg 怪奇小説傑作集2.jpg 怪奇小説傑作集3.jpg 怪奇小説傑作集4.jpg 怪奇小説傑作集5.jpg
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