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テレビ『平成教育委員会』

 昨夜放送のテレビ番組『平成教育委員会2011秋 ニッポンを学ぼうスペシャル』の1時間目「国語」では、「日本語の正しい意味」がテーマでした。
外国人の大疑問.jpg 最初に例題として――

◎憮然とした表情
失望してぼんやりするさま(正)
ムッとした表情(誤)
◎雨模様
小雨が降ったりやんだりしている様子(誤)
雨が降りそうな様子(正)
◎姑息
ひきょう(誤)
一時しのぎ(正)

 このあたり、拙ブログでも採り上げたことがありますね。誤用の定番と言ってもいいかもしれません(笑)。
 その後、以下のような出題がありました。

日本人の知らない日本語.jpg◎やおら
ゆっくりと(正)
素早く(誤)
◎そぞろ歩き
あてもなく歩きまわること(正)
静かにゆっくりと歩くこと(誤)
◎たおやかな
ふくよかで落ち着きのある(誤)
ほっそりとしてしなやかな品のある(正)
◎亜麻色
黄色みを帯びた、すごく薄い茶色(正)

◎さらにすぐれたもの
日本人の知らない日本語2.jpg上には上がいる(誤)
上には上がある(正)
◎戦いや競争を開始すること
戦いの火ぶたを切る(正)
戦いの火ぶたを切って落とす(誤)
◎わずかな時間も無駄にしない
寸暇を惜しまず(誤)
寸暇を惜しんで(正)
◎陣頭に立って指図をする
采配を振るう(誤)
采配を振る(正)

 こういう番組をきっかけに、自分の日本語を見つめ直す人が増えてくれると嬉しいです。
 もうちょっと大切にしましょうよ。>私たちの言葉

【追記】
 空きスペースが大きすぎて、なんだか落ち着きませんので、記事内容と直接の関係はないのですが、書影をアップすることにしました。
◎高橋陽子『日本人でも知らない!? 外国人の大疑問』アルク(10)
◎蛇蔵&海野凪子『日本人の知らない日本語』メディアファクトリー(09)
◎蛇蔵&海野凪子『日本人の知らない日本語2』メディアファクトリー(10)
 いずれもコミック・エッセイです。こういった本に登場する外国人たちの日本や日本語に対する姿勢には好感が持てます。「なるほど~」と思わず頷いてしまう指摘も多く、日本語の新たな魅力が発見できたり……。
 ほんと、楽しませてもらいました。
コメント(2) 

コメント 2

山本孝一

「たおやかな」「やおら」は私も間違えて覚えてました。
やはり、最近は間違った使い方をされている言葉に「豹変」があると思います。
もともとは「君子が過ちを改めると面目を一新すること」という良い意味だったのに、最近は「態度が(悪い方に)急に変わる」のような悪い意味に使われているようですね。

いま、国書刊行会から出たジャック・ヴァンスの短編集「奇跡なす者たち」(浅倉久志・編)を読んでいます。ものすごく面白い異郷SFです。
その「あとがき」で『(本来なら軽妙洒脱な浅倉さんの作者紹介になるはずだったが、亡くなられたのでそれも望めず)役者不足を承知でお目汚しさせていただく』というくだりがあります。
「役不足」という言い方は知ってますが(その人の力量に比べて、役目が軽すぎるという意味ですので、浅倉さんに代わってあとがきを書く場合には不適切な言葉でしょうが)「役者不足」という言いまわしは知りません。
こんな言い方って、普通にあるのでしょうか。


by 山本孝一 (2011-10-03 21:07) 

高井 信

>「たおやかな」「やおら」は私も間違えて覚えてました。
 私は「亜麻色」を間違えていました。明るい茶色と思っていたのです。

「役不足」も誤用の定番ですね(笑)。
「役者不足」という言葉、一般的ではないと思いますが、「役不足」=「人に対して役が不足している」とは逆に「その役に人が不足している(荷が重い)」という意味になるのでしょうか。「役不足」を「荷が重い」という意味で使うよりはいいような気がします。
by 高井 信 (2011-10-03 21:36) 

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