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50周年あれこれ

 来年、日本SF作家クラブは発足50周年を迎えます。私もその約半分の期間は会員であるわけで、いろいろと感じるものがあります。
 福島正実『未踏の時代』早川書房(77)/ハヤカワ文庫JA(09)によりますと――

 一九六三年三月五日夜、新宿の台湾料理屋山珍居に、十一人のSF作家、翻訳家、評論家、編集者たちが集まった。参加者はイロハ順で石川喬司(評論家・サンデー毎日編集部)小松左京(作家)川村哲郎(翻訳家)斎藤守弘(科学評論家)斎藤伯好(翻訳家)半村良(作家)福島正実(SFM編集部)星新一(作家)森優(SFM編集部)光瀬龍(作家)矢野徹(翻訳家・作家)であった。
 SF作家クラブの発起人集会である。
 ―中略―
 こうしてSF作家クラブは、発足した。
 正式名称は、日本SF作家クラブJAPAN SF WRITERS ASSOCIATION略称JSFWA。連絡事務所は当分のあいだ早川書房編集部内におき、初代事務長は半村良が出席全員の一致で指名された。
 ―中略―
 会員は、最初のうち、あまり急激には増やさない方針であった。しかし、当初の十一人では、とうてい足りなかった。そこで、発起人それぞれの推薦によって、やがて、さらに九人が順次入会した。伊藤典夫(翻訳家)大伴昌司(評論家)筒井康隆(作家)手塚治虫(マンガ家)豊田有恒(作家)野田宏一郎(翻訳家)平井和正(作家)眉村卓(作家)真鍋博(イラストレーター)である。
(以上、文庫版86~98ページより)
未踏の時代.jpg 未踏の時代(文庫).jpg
 来年の50周年に向けて、さまざまな記念イベントや記念出版の企画が漏れ聞こえてきます。楽しい1年になりそうで、いまから楽しみです。
 あれこれ夢想していて、はたと――
 SF作家クラブ初代事務長(現在は事務局長)の半村良さん、デビュー作「収穫」が掲載されたのは「SFマガジン」1963年3月号(40号)なんだよなあ。それに、発起人ではないけれど、5代目会長の豊田有恒さんは、その翌号(1963年4月号)の「SFマガジン」に「火星で最後の‥‥」でデビュー。つまり、おふたりとも来年はデビュー50周年!
 と思いました。
 今のところ、半村さんや豊田さんに関する記念企画は何も聞こえてきません。もちろん、私が知らないだけかもしれませんが、そうでなければ――
 どうぞ、記念出版をご検討ください。>出版社各位
SFマガジン40号.jpg 収穫.jpg SFマガジン41号.jpg 火星で最後の‥‥.jpg
 あ、そうそう。
 半村良ファンクラブ〈続・半村良のお客になる会〉の皆さん。
 商業出版は別としても、ファン・サイドでもお祝いができれば、天国の半村さんも喜ばれるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
 いや、すでに水面下で計画が進行しているかもしれませんね。だったら、こっそり教えてください(笑)。

【追記】
 おふたりの処女出版です。
◎豊田有恒『火星で最後の……』ハヤカワSFシリーズ(1966年3月31日発行)
◎半村良『およね平吉時穴道行』ハヤカワSFシリーズ(1971年6月15日発行)
火星で最後の…….jpg およね平吉時穴道行.jpg
コメント(7) 

コメント 7

雫石鉄也

眉村さんに関しては、大熊さんたちと計画はしております。
by 雫石鉄也 (2012-02-05 16:14) 

高井 信

 そうでしたね。私も何かお手伝いできれば、と思っています。
 眉村さんといえば、パピレスで電子書籍『妻に捧げた一日一話 完全版』の配信が始まっているのですね。現在、第3巻(300話)まで。
http://www.papy.co.jp/act/books/1-59955
 以下、パピレスの解説です。

 突然ガンの告知を受けた妻に、ベテラン作家である夫はある約束をする。毎日、彼女のために一篇ずつお話を書き続けると……。
 一日の休みもなく、妻が亡くなるまでの五年間、夫は約束を果たし続けた。一日一話、1778編にも及ぶ妻に捧げたショート・ショートを完全網羅してお届けします。
by 高井 信 (2012-02-05 16:40) 

高井 信

 誤解を招くといけないので、註釈。
 眉村さんは来年、デビュー50周年ではなくて、処女出版から50周年です。処女出版から、ということになりますと、おおっ、半村さんは今年が40周年!
 あ。はたと気づきましたが、私は来年、処女出版から30年です。でもまあ、この数字はあまり意識したことがないですね。作家デビューの定義は人それぞれでしょうが、私は、商業誌初掲載か処女出版か、そのどちらか早いほうだと思っています。
by 高井 信 (2012-02-05 17:27) 

高井 信

 訂正です。
>半村さんは今年が40周年!
 と書きましたが、40周年は昨年でした。
 まだ2012年に頭が順応していないようです。申しわけありません。
by 高井 信 (2012-02-06 00:26) 

大熊宏俊

高井さん、パピレス版のご紹介ありがとうございました。完全に洩らしていました(いま見たら第1期全10巻すべて購入可ですね)。この調子で紙版未刊行の第2期分(778話)も配信してほしいものですが。
by 大熊宏俊 (2012-02-06 12:49) 

藤浦正暢

昨年の動きとしては、公式のものは劇団ゲキハロの「戦国自衛隊」の舞台公演と、もうひとつも「戦国自衛隊」のモバゲーぐらいでした。
劇団ゲキハロの「戦国自衛隊」はファン層が全く違いますので私は行かなかったです。
半客会内では、べつに話が出なかったのですが、会員さんたちは、そろそろ務め先での定年を向かえていますので、ひまをもてあそぶようになれば、もそもそうごきだすかも・・・。(笑)
by 藤浦正暢 (2012-02-07 23:45) 

高井 信

 そうですよね。昨年、特筆するような動きはなかったですよね。>半村さん
 来年は正真正銘デビュー50周年ですから、ぜひぜひ何か形になるものを。
 期待しております。
by 高井 信 (2012-02-08 08:38) 

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