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マルセル・ベアリュの作品集

 昨日のミシェル・トゥルニエに続いて、同じくフランスの作家であるマルセル・ベアリュのことを書いておきたくなりました。
 ひと言で言えば、シュールなショートショートの書き手で、ナンセンスな味わいにも魅力があります。トゥルニエの短い作品はいささか「はてな?」ですが、こちらは「好き!」です。
 ベアリュの邦訳作品集は――

『水蜘蛛』エディシオン・アルシーヴ・ソムニウム叢書(81)/白水uブックス(89)
 ソムニウム叢書版には全5編収録。巻頭に収められた表題作「水蜘蛛」は中編、巻末の「百合と血」は短編ですが、ほかの3編は短いです。白水uブックス版には全12編収録。増補された7編はいずれも短いです。
 と、こう書いて、思わず笑いが込み上げてきてしまいました。ショートショートの研究を始めて以来、本を買ったり読んだりする際、長さが最大の判断基準になっているんですねえ。どこか間違っているような気がしますが……(笑)。

『奇想遍歴』パロル舎(98)
 3部構成で、それぞれ短い作品群で成り立っています。「半睡の物語」には20編を収録。「奇想遍歴」はさらに3部に分かれていて、「空飛ぶ町」には8編、「習慣と産業」には14編、「働く妖精たちと好戦的な怪物たち」には9編を収録。「鏡」には7編を収録。200ページ少々の本に58編もの作品が収録されているわけで、当然、各編は極めて短いです。「半睡の物語」と「鏡」に収録されている各編はショートショートですが、「奇想遍歴」は多少趣きが違います。
水蜘蛛.JPG 水蜘蛛(uブックス).JPG 奇想遍歴.JPG 夜の体験.JPG
 ベアリュの邦訳は、ほかに長編『夜の体験』パロル舎(98)がありますが、私、読んでいません。
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