『サキの忘れ物』
奇妙な本が目に飛びこんできました。棚に挿さっていたので、見えるのは背の部分だけです。本来タイトルのあるべき部分に何も書かれていないんですね。で、帯(の背)には「サキの忘れ物 津村記久子」と書かれています。
棚から抜き出して表紙を見ますと、(思った通り)書名は『サキの忘れ物』で、作者は津村記久子でした。百聞は一見にしかず。カバー全体をご覧に入れましょう。

最初に見たのは、この背の部分だけなのですよ。ん? と目を惹かれたのも当然でしょう。書名がない(としか思えない)のですから。
気になるのは帯を外したときの背ですが、こうなっています。

このカバーデザインは斬新ですね。
それとは別に、タイトルの「サキ」も気になります。サキって、あのサキ? まさか。
思いつつも本文に軽く目を通しますと、まさに、あのサキなのでした。買うこと決定です。
◎津村記久子『サキの忘れ物』新潮社(20)
9編収録の短編集。表題作はサキの文庫本(はっきりとは書かれていませんが、明らかに新潮文庫『サキ短篇集』)が縁となって始まったふたりの女性の交流を描いた話でした。
新潮文庫『サキ短篇集』は1958年の発行です。うちには異装版を含め3冊があります。左から、1964年発行の5刷、1986年発行の36刷、2014年発行の61刷。「サキの忘れ物」で描写されるのは真ん中の版です。

「サキの忘れ物」以外で目を惹くのは「真夜中をさまようゲームブック」。なんと、昔懐かしのゲームブック形式で書かれた小説なのですよ。まあ、ゲームブック自体が一種の小説みたいなものですが、こういった短編集に、一般的な形式で書かれた小説と並んで収録されているのは興味深いです。
棚から抜き出して表紙を見ますと、(思った通り)書名は『サキの忘れ物』で、作者は津村記久子でした。百聞は一見にしかず。カバー全体をご覧に入れましょう。

最初に見たのは、この背の部分だけなのですよ。ん? と目を惹かれたのも当然でしょう。書名がない(としか思えない)のですから。
気になるのは帯を外したときの背ですが、こうなっています。

このカバーデザインは斬新ですね。
それとは別に、タイトルの「サキ」も気になります。サキって、あのサキ? まさか。
思いつつも本文に軽く目を通しますと、まさに、あのサキなのでした。買うこと決定です。
◎津村記久子『サキの忘れ物』新潮社(20)
9編収録の短編集。表題作はサキの文庫本(はっきりとは書かれていませんが、明らかに新潮文庫『サキ短篇集』)が縁となって始まったふたりの女性の交流を描いた話でした。
新潮文庫『サキ短篇集』は1958年の発行です。うちには異装版を含め3冊があります。左から、1964年発行の5刷、1986年発行の36刷、2014年発行の61刷。「サキの忘れ物」で描写されるのは真ん中の版です。



「サキの忘れ物」以外で目を惹くのは「真夜中をさまようゲームブック」。なんと、昔懐かしのゲームブック形式で書かれた小説なのですよ。まあ、ゲームブック自体が一種の小説みたいなものですが、こういった短編集に、一般的な形式で書かれた小説と並んで収録されているのは興味深いです。
2022-01-06 15:32
コメント(1)
アップしてから気づきました。『サキ短篇集』は、いまは『サキ短編集』になっているのですね。新潮文庫のほかの短編集も同様の変更が行なわれているのでしょうか……。
by 高井 信 (2022-01-06 15:48)