SSブログ

人形劇『伊賀の影丸』

伊賀の影丸(人形劇).jpg 伊賀の影丸.jpg
 実写映画『伊賀の影丸』に続き――
 念願叶って、人形劇『伊賀の影丸』を観ることができました。全52話のうち現存する(とされる)10話です。
 1963年の11月~翌年11月にかけての放送とのことですから、当時、私は6歳。正直なところ、ほとんど何も覚えていないのですよね。記憶に残っているのは、いくつかの断片的なシーン、そして主題歌くらい。しかし夢中になって観ていたことはしっかり覚えています。
 さて、この幼き日に観た人形劇が半世紀の時を経て、私の目にどう映るのか、不安な面もありましたけれど、杞憂に終わりました。
 現存する10話の原作は嬉しいことに、私が大好きな「由比正雪の巻」です。謀反人・由比正雪の討伐に影丸たち伊賀の精鋭が向かうという基本設定は同じでしたが、ストーリーはそこここに改変が加えられています。いきなり百合十字団なんてキリシタン集団が出てきて、思わず目を白黒。後半には服部半蔵までが影丸たちとともに大活躍! なんと、半蔵が金井半兵衛を倒しちゃう。原作では半兵衛は最後まで生き残り、正雪の介錯をするんですよ。それを半蔵が! これも驚きましたねえ。
 また、登場キャラクターも変更されたり追加されたり……。伊賀者の多くは原作のままですが、正雪側の忍者はずいぶん変わっています。たとえば幻心入道は西洋の妖術使いロン・ゴメスに、霧雨鏡月は唐人の手品師リュウに変えられ、夜叉王は元・海賊という設定に変更、といった具合です。あと、狂言回しのおとぼけコンビ・弥次さん喜多さんも登場。こういうキャラクターは原作にはありえないですね(笑)。
 忍者同士の戦いでは原作を思い出させるシーンが頻発し、これも楽しい。むささびの含み針VS弥九郎の影ぬいとか、リュウ(原作の鏡月)が最期に、幻術で生み出した女に舞いを舞わせるシーンとか、左近丸(盲目の忍者)の縄術に捕らわれた如月文兵衛が義手を外して脱出する(しかし目が見えない左近丸には、どのように脱出したのかわからない)シーンとか、影丸に変装した夜叉王が阿魔野邪鬼に本物と間違えられ、決闘を挑まれるシーンとか……。多少のアレンジはあるものの、うまく再現されています。
 正雪討伐というメインストーリーとは別に、(これは原作にはない)左近丸と生き別れの妹・サユリの再会、そしてそこから始まる兄妹愛の物語も大きな軸になっています。左近丸は影丸と同じくらいの存在感で描かれ、影丸以上の活躍を見せます。最後には感動的なシーンを演出しますし、もはや本編の主人公は影丸ではなく左近丸と言ってもいいかもしれません。
 そんなこんなで、原作とはずいぶんテイストが違っていますけれど、充分に面白かった。楽しかった。念願叶って、大満足です。残る42話も――全部でなくても、少しでもいいから、どっかにひっそりと保管されていないかなあ。
コメント(1) 

コメント 1

hk

第六部「決闘黒鹿城」は、原作には登場しない忍者が活躍してました。戸隠白天、鯰の兵衛、不知火お銀、
雷電丈助、虎太郎、源八など。ストーリーをご存知の方はいらっしゃいませんか?
by hk (2018-04-03 21:36) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。