反地球シリーズ
昨日の続きです。
ヒロイック・ファンタジーに想いを巡らせていて、都筑道夫編『魔女の誕生』新人物往来社(70)を手に取りました。今から40年前に発行された、たぶん本邦初のヒロイック・ファンタジーのアンソロジーと思います。収録作家は、ロバート・E・ハワード、フリッツ・ライバー、ロード・ダンセイニ、ヘンリー・カットナー、C・L・ムーア。――問答無用のメンバーです。
その解説「英雄の誕生」(都筑道夫)を読んでいたら、「一時『アンドロメダ病原体』で大当りしたマイクル・クライトンの別名といわれたジョン・ノーマンの<ゴール星のタール・キャボット>」なんて書かれていて、あらら、そんなこともあったのかと、びっくり。
このシリーズは1975年から創元推理文庫で、〈反地球シリーズ〉というタイトルで刊行が開始されました。アダルトなE・R・バローズ(笑)って感じで、バローズの熱狂的なファンからは賛否両論あるようですが、私は好きでしたねえ。
『ゴルの巨鳥戦士』(75)、『ゴルの無法者』(77)、『ゴルの神官王』(79)、『ゴルの遊牧民』(82)、『ゴルの暗殺者』(82)と、ここまでは、のんびりしたペースながら比較的順調に刊行されたのですが、第6巻『ゴルの襲撃者』が出たのは、第5巻から6年近く経った1988年です。
5冊で打ち切りかと思っていましたので、いきなり第6巻が出たときには驚きました。もっとも、これには理由がありまして、実は〈反地球シリーズ〉が映画化され、そのビデオがリリースされたんですよね。『ゴルの巨鳥戦士』の映画化『タイムスリップ TO ゴア』、『ゴルの無法者』の映画化『タイムスリップ TO ゴア2』の2作。
私? もちろん2作ともレンタルして、観ましたよ。はっきり言って、どうしようもない出来でしたが……(苦笑)。
ビデオの発売に合わせて刊行された第6巻以降、続巻は出ていません。また映画化でもされない限り、奇跡的な復活はないでしょうね。
ヒロイック・ファンタジーのアンソロジーと言えば、中村融編『不死鳥の剣 剣と魔法の物語傑作選』河出文庫(03)もあります。こちらの収録作家は、ロード・ダンセイニ、ロバート・E・ハワード、ニッツィン・ダイアリス、C・L・ムーア、ヘンリー・カットナー、フリッツ・ライバー、ジャック・ヴァンス、マイクル・ムアコック。いま初めて気がついたのですが、『魔女の誕生』の5作家が全員揃って収録されています。
解説(中村融)には、「この種の試みとしては、一九七〇年に都筑道夫氏の編で出た『魔女の誕生』(新人物往来社)に次ぐものということになる」と書かれています。確かに、ほかの本は記憶にありません。意外な気もしないではないですが、ヒロイック・ファンタジーは長大なシリーズものが多いですから、アンソロジーには向かないのでしょうね。まあ、納得できます。
ヒロイック・ファンタジーに想いを巡らせていて、都筑道夫編『魔女の誕生』新人物往来社(70)を手に取りました。今から40年前に発行された、たぶん本邦初のヒロイック・ファンタジーのアンソロジーと思います。収録作家は、ロバート・E・ハワード、フリッツ・ライバー、ロード・ダンセイニ、ヘンリー・カットナー、C・L・ムーア。――問答無用のメンバーです。
その解説「英雄の誕生」(都筑道夫)を読んでいたら、「一時『アンドロメダ病原体』で大当りしたマイクル・クライトンの別名といわれたジョン・ノーマンの<ゴール星のタール・キャボット>」なんて書かれていて、あらら、そんなこともあったのかと、びっくり。
このシリーズは1975年から創元推理文庫で、〈反地球シリーズ〉というタイトルで刊行が開始されました。アダルトなE・R・バローズ(笑)って感じで、バローズの熱狂的なファンからは賛否両論あるようですが、私は好きでしたねえ。
『ゴルの巨鳥戦士』(75)、『ゴルの無法者』(77)、『ゴルの神官王』(79)、『ゴルの遊牧民』(82)、『ゴルの暗殺者』(82)と、ここまでは、のんびりしたペースながら比較的順調に刊行されたのですが、第6巻『ゴルの襲撃者』が出たのは、第5巻から6年近く経った1988年です。
5冊で打ち切りかと思っていましたので、いきなり第6巻が出たときには驚きました。もっとも、これには理由がありまして、実は〈反地球シリーズ〉が映画化され、そのビデオがリリースされたんですよね。『ゴルの巨鳥戦士』の映画化『タイムスリップ TO ゴア』、『ゴルの無法者』の映画化『タイムスリップ TO ゴア2』の2作。
私? もちろん2作ともレンタルして、観ましたよ。はっきり言って、どうしようもない出来でしたが……(苦笑)。
ビデオの発売に合わせて刊行された第6巻以降、続巻は出ていません。また映画化でもされない限り、奇跡的な復活はないでしょうね。
ヒロイック・ファンタジーのアンソロジーと言えば、中村融編『不死鳥の剣 剣と魔法の物語傑作選』河出文庫(03)もあります。こちらの収録作家は、ロード・ダンセイニ、ロバート・E・ハワード、ニッツィン・ダイアリス、C・L・ムーア、ヘンリー・カットナー、フリッツ・ライバー、ジャック・ヴァンス、マイクル・ムアコック。いま初めて気がついたのですが、『魔女の誕生』の5作家が全員揃って収録されています。
解説(中村融)には、「この種の試みとしては、一九七〇年に都筑道夫氏の編で出た『魔女の誕生』(新人物往来社)に次ぐものということになる」と書かれています。確かに、ほかの本は記憶にありません。意外な気もしないではないですが、ヒロイック・ファンタジーは長大なシリーズものが多いですから、アンソロジーには向かないのでしょうね。まあ、納得できます。
2010-12-30 11:23
コメント(2)
>都筑道夫編『魔女の誕生』 今から40年前に発行された
ああ、もうそんなになるのですね。夏の日本SF大会だったかSFフェスティバルで
こんな本が出ているぞと聞いて買ったのですが、いやぁ不気味な表紙絵でした。
収録作品はおもしろかったですが。
ジョン・ノーマンの〈反地球シリーズ〉は一冊も読んでいません。
「銀河辺境シリーズ」のバートラム・チャンドラーさんが『DAWブックスの
ウォルハイムは〈反地球シリーズ〉の新作ならなんでも買うのに、
私の銀河辺境の新作はなかなか買ってくれない』とこぼしてたのを思い出します。
で、ウォルハイムになぜ買わないんだ、どこが悪いんだと聞いたら、
ウォルハイムが言うには『〈反地球シリーズ〉に出てくる女性たちは
男にいじめられてもそれを喜んでいるんだ、ところが銀河辺境に出てくる
女たちは男に歯向かってくるような雌犬ばかりじゃないか』と言われ
なるほどなぁと納得したとか。
「アダルトなE・R・バローズ(笑)って感じ」って、なんとなくわかりますなぁ。
by 山本孝一 (2010-12-30 11:53)
またまた楽しい裏話ですね。いつもありがとうございます。
私は〈銀河辺境シリーズ〉も楽しく読んでいましたが、ウォルハイムと同じく、〈反地球シリーズ〉のほうが好きです。どちらも面白いシリーズであることは間違いなく、これは好みとしか言えないですね。
私の場合、バローズ・タイプの小説というだけで魅了されちゃうんですよ。
by 高井 信 (2010-12-30 17:46)