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ラジオ『男のポケット』

 毎度、大熊宏俊さんのところからの情報です。
 以下、大熊さんが紹介されている新聞記事からの情報を交えて――
 その昔、エフエム大阪に『男のポケット』という番組がありました。1979年1月から1985年3月まで、毎週木曜日に放送。パーソナリティは眉村卓。
 放送期間、私は東京と名古屋に住んでいましたので、この番組を聴くことはできませんでしたが、番組内で眉村卓が自作を朗読していたことは知ってました。新聞記事によると――
> 当時番組のプロデューサーだった石田洋一さんによると、番組は2本録り。眉村さんは
>録音1時間前に局内へ入り、その場で2本書いていたという。
> 「集中できるからと、書類棚にひじをつき、立って書いていらした印象があります。眉村
>さんが宇宙人に思えました」と笑う。当時から、「自分で決めたルールは必ず守る、強い
>意志を持った人だった」といい、番組回数と同じ326作を残した。
 うへえ! であります。
 ちなみに、番組で朗読された作品をまとめたショートショート集『最後のポケット』の「あとがき」には――
> 末尾のところにショートショートコーナーというのが設けられていて、局へ行くとその日の
>テーマが告げられるのだが、ショートショートもテーマがらみのものにしなければならない。
>書きあげたのを読むわけである。毎回、かなり苦しい作業であった。
 と書かれています。
 この『男のポケット』がエフエム大阪の開局40年記念として、4回だけ復活するそうです。来年1月10日(月)から13日(木)、同局『PEACE!』という番組内での限定放送。
 調べてみますと、『PEACE!』は毎週月~木曜日、午前8時20分~11時の放送です。『男のポケット』がどの時間帯に放送されるかは不明。朗読されるのは、妻のために書いた1778話から選ばれた作品とのこと。
 関西在住の方々、要チェックですよ。

 ラジオ番組『男のポケット』で朗読されたショートショートは、以下の4冊に収められています。
『ぼくたちのポケット』角川文庫(80)*全56編収録。
『ポケットのABC』角川文庫(82)*全41編収録。
『ポケットのXYZ』角川文庫(82)*全43編収録。
『最後のポケット』角川文庫(85)*全98編収録。
ぼくたちのポケット.jpg ポケットのABC.jpg ポケットのXYZ.jpg 最後のポケット.jpg
 計238編ですね。この4冊に収録されていない作品が88編あります。ほかのショートショート集に収録されているのかな。(昨年12月15日の記事「『ぼくたちのポケット』異装版」もご参照ください)
 ラジオで朗読されたショートショートをまとめた作品集となりますと、『鳴りやすい鍵束』徳間書店(76)/徳間文庫(83)もあります。こちらはラジオ関西『飛べ! 熊五郎、ただ今大奮闘』、1974年10月~1976年1月の放送です。
鳴りやすい鍵束.jpg 鳴りやすい鍵束(徳間文庫).jpg
 今回の『男のポケット』復活放送には、1月15日公開の映画『僕と妻の1778の物語』のプロモーション的な意味合いもあるようです。
 関連書籍の帯も映画公開に合わせて差し替えられています。ご紹介しておきましょう。

『日がわり一話』出版芸術社(98)
日がわり一話.JPG
『日がわり一話 第2集』出版芸術社(98)
日がわり一話第2集.JPG
『妻に捧げた1778話』新潮新書(04)
妻に捧げた1778話.JPG
『日がわり一話』以外、同じスチール写真が使われています。ここには画像をアップしませんが、集英社文庫の新刊『僕と妻の1778話』も。
 私は、夫婦が寄り添って原稿を読んでいる写真のほうが好きです。
コメント(2) 

コメント 2

藤浦正暢

高井様
ご無沙汰しております。半村氏の資料を検索中、当ブログが出てきました。
会報「赤き酒場」でも紹介されていたのに・・・。訪問するのが遅くなりました。
私も関西人ですので、MBS「チャチャヤング」高校時代聴いておりました。
特に、眉村卓さんの確か木曜日と杉田二郎さんの金曜日が、お気に入りでした。
眉村さんの朴訥な声は、真摯でとても印象に残っています。
開始時間がAM1:30で、私は寝床で聴いていた為に始まる前とか、始まってまもなくに
ラジオをつけたまま寝てしまうことが多かったです。
眉村さんと間近にあったのは、昭和50年(SHINCONの年ですね)の冬に、
尼崎の中央公民館で講演会があり、会社から近かったこともあって出かけました。
公民館の前に春風堂という書店があって、そこで売っている眉村さんの本はほとんど持っていました。
唯一もっていなかったのが、旺文社ノベルの「還らざる城」だったのでそれを買っていったのでした。
講演会後、その本をもってサインをお願いしましたら、「この本、誤字が多いでしょ。」などと
話されたのですが、読んでいない私は返事が出来ず、困った思い出があります。
by 藤浦正暢 (2010-12-08 23:02) 

高井 信

 藤浦さん、いらっしゃいませ。ほんと、ご無沙汰ですね。
 藤浦さんも『チャチャヤング』のリスナーでしたか。羨ましいです。
 眉村さんとの思い出話もありがとうございます。昭和50年というと、眉村さん41歳。隔世の感がありますね。
 私が眉村さんと初めてお目にかかったのは、その数年後です。以来、ずっとお世話になっています。
by 高井 信 (2010-12-09 09:02) 

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