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『女騎手』

 私がショートショートの研究を始めたのは、12年前、某小説講座からの「ショートショートの講義をしてくれないか」という打診がきっかけでした。2時間の講義ということで、それくらいなら何とかなるだろうと気楽に引き受けたのですが、これが大きな間違い。1時間半ももたずに準備しておいたネタが尽き、質問タイムに逃げてしまいました。ショートショートは読むのも書くのも大好きですが、それだけでは講義はできないんですね。
「来年も」と要請され、少し悩みましたけれども、引き受けることにしました。このまま引き下がっては悔しいではありませんか。
 それで、同じ轍は踏むまいと、真剣にショートショートのことを考え始めたのです。昔読んだショートショート集を読み直し、読んでないショートショート集を読み、自分なりのショートショート作法をまとめ……。その甲斐あって、翌年は余裕で2時間の講義をもたせることができました。
 以降、いくつかの専門学校やカルチャーセンターで講師を務める経験を経て、現在に至っています。その間、多少なりとも添削指導をした生徒さんの数は500人を超えているかもしれません。すべての生徒さんと継続的に「先生と生徒」の関係にあるわけではなくて、ほとんどは「先生と元生徒」です。
 そんな元生徒の1人・蓮見恭子さんから、1冊の本が送られてきました。――『女騎手』角川書店(10)です。横溝正史ミステリ大賞の優秀賞受賞作とのこと。
 蓮見さんとは「先生と元生徒」の関係になって、4年近く経つのでしょうか。元生徒が作家デビューするだけでも嬉しいのに、私のことを忘れずにいて、こうして処女作を送ってくれると、嬉しさが倍化します。
 ということで、拙ブログを読んでいただいている皆様。
 私と蓮見さんが出会ったのも何かの縁。この記事を読んでいただいているのも何かの縁です。書店に行く機会がありましたら、ぜひともお手に取っていただきますよう。そして、興味を持たれましたらお買い上げいただくよう、お願いいたします。

 思い返せば、元生徒が処女作を送ってくれたのは、福田和代さんに続いて2人目です。福田さんは今や大活躍で、先日、新刊『ハイ・アラート』徳間書店(10)を上梓されました。元先生としては、嬉しくて仕方がありません。こちらもよろしくお願いいたします。

女騎手.jpg ハイ・アラート.jpg
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