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悪魔と天使のことわざ辞典

 昨年4月5日の記事「マンガ家のショートショート集」の最後に――
> 以下、マニア向けに――
> 畑田国男『英雄色を好む』私家版(77)→『世界浮世絵草紙』講談社(77)
 と書きました。
 これはもう、広い心で読めばショートショート集と言えなくもないかも、くらいの感覚で紹介した本です。
 1年半近く経って(苦笑)、はたと気づきました。――これを採り上げるなら、こちらも……。
 畑田国男『悪魔のことわざ辞典』集英社(82)と『天使のことわざ辞典』集英社(83)――ことわざ辞典を模した戯文(ジョーク)&戯画(カーツーン)集です。
 言うまでもなく、本職であるカーツーン(ヒトコママンガ)は傑作揃い。ジョークもよくできたものが多くて面白いですし、きっちりと小説の体裁を成しているものはショートショートと言ってもいいと思います。どうでもいいけど、福地泡介ばりのダジャレ・オチも多かったりして(笑)。
 いずれも文庫化されてなくて、もったいない……。
悪魔のことわざ辞典.jpg 天使のことわざ辞典.jpg
 以下、余談です。
 書棚を眺めていたら、似たようなタイトルの本がありました。――別役実『ことわざ悪魔の辞典』王国社(97)/ちくま文庫(00)です。
 こちらはジョーク集ではなく、ビアス『悪魔の辞典』のパロディというかパステーシュというかオマージュというか、最近ではトリビュートなんて言葉が流行っていますが、ま、そんな感じの、『悪魔の辞典』のことわざバージョンです。
 姉妹編『当世悪魔の辞典』王国社(91)/朝日文芸文庫(95)もあり、こちらは完全に別役実版『悪魔の辞典』です。(安野光雅・なだいなだ・日高敏隆・別役実・横田順彌の競作集『噴版 悪魔の辭典』平凡社(86)/平凡社ライブラリー(98)から別役実パートのみを独立、大幅加筆したものです)
 とにかく私、この手の本が大好きなんですよ。書棚を眺めると、似たような本がたくさん並んでおります。
ことわざ悪魔の辞典.jpg 当世悪魔の辞典.jpg 噴版悪魔の辞典.jpg

【追記】2011年1月2日
 本の整理をしていて、畑田国男『悪魔のことわざ』徳間文庫(89)という本に気づきました。はて? と手に取ると、あらら、なんと『悪魔のことわざ辞典』集英社(82)の改題・文庫化なのでした。
 文庫化されていたこと、すっかり忘れていました。情けない……。
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