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『寝耳に地震 〈阪神大震災〉体験記』

 ふとしたきっかけで、むかし作った冊子『寝耳に地震 〈阪神大震災〉体験記』を手に取りました。文庫判、40ページ。1995年2月22日発行とあります。地震発生は同年1月17日ですから、約1ヶ月後ですね。
 何度か書いていますように、当時私は三宮に住んでいました。震度7地帯。住んでいたマンションは倒壊こそ免れたものの、家中しっちゃかめっちゃか。いやもう、ひどい目に遭いました。
 この冊子には、発生当日から三宮を脱出するまでの5日間が克明に記されています。避難している間に書いたもの。なんでも書いておくというのは、物書きの習性なのかもしれません。
 なんとか生活できる目途が立ち、三宮に戻ったのは1ヶ月後くらいだったと思います。いきさつは覚えていませんが、せっかく書いた体験記ですから冊子化しておこうと思い立ったのでしょう。打ち出してコンビニでコピー。家で二つ折り製本。いまから見ればお粗末な出来ですが、当時は両面印刷や冊子印刷のスキルはありませんでしたから、仕方ありません。
 何冊作ったのか、完全に失念。まあ、多くて20冊くらいではないかと思います。どなたかに差し上げたのでしょうが、これまた完全に忘れています。
 それを手に取り、しみじみと。
 地震からもうすぐ27年になりますけれども、あの地獄は忘れられません。
寝耳に地震.jpg
 この冊子だったか打ち出し原稿だったか、筒井康隆さんにお送りしたところ、当時筒井さんがパーソナリティを務められていたラジオ番組『筒井康隆のオイル・セラー・アワー』(Kiss FM)で朗読してくださることになりました。1995年4月16日~6月4日(毎週日曜日放送)。全8回。
 最終回(6月4日)には私もゲスト出演し、お話をさせてもらいました。
 嬉しく、そして懐かしい想い出です。
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