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『宇宙塵インデックスⅡ』復刻版

 1986年、柴野拓美さんの還暦を祝う会が開かれました。その際、私はSF仲間の友人たちと相談し、『宇宙塵インデックスⅡ』なる冗談ファンジンを発行。柴野さんにプレゼントしました。「宇宙塵」179号~185号(たった7冊)を対象にしたインデックスです。序文・川合康雄、監修・山本孝一、編集・高井信。(この記事参照)
 あれから28年……。
 昨夜、ふと、『宇宙塵インデックスⅡ』の復刻版を出そう、と思い立ちました。復刻版なんて簡単にできます。すべてのページをスキャンし、その画像を並べて版下作製。あとは印刷、製本するだけです。中綴じにすれば、製本は一瞬。
 そんなこんなで、ちょちょいと作ってしまいました。
宇宙塵インデックスⅡ(復刻版).jpg 宇宙塵インデックスⅡ.jpg
 左が復刻版、右が原本です。復刻版というより縮刷版と言ったほうがいいかもしれませんね。
 それにしても、どうしてこんなものを作ろうと思い立ったのか。
 復刻版の巻末に「復刻にあたって」なる一文を添えましたので、そこから適当に抜粋しましょう。

 ―前略―
 はっきり言って本インデックスは完全なお遊びの産物でして、実用性はほとんどありません。―中略―
 とはいえ、こういうファンジンに実用的な価値を求めるのは野暮というもの。全く役に立たなくても、これを作っている間は楽しかったですし、おそらく柴野さんは手にした瞬間、にやっとしてくれたことでしょう。われわれにとっては、それで充分なのです。
 ―中略―
 2010年に柴野さんが亡くなられ、2013年には「宇宙塵」終刊。そして先日は柴野幸子さん(柴野さんの奥様)の訃報に接しました(9月9日歿)。―中略―
 これで本当に「宇宙塵」の歴史が終わったんだ。――ここ数日、奇妙な喪失感を覚えています。
 もやもやの果てに、何か形に残ることをしたくなり、こんなものを作ってしまいました。―中略―
 この復刻版を作り、なんだかすっきりしました。やはり私は根っからのSFファン、そしてファンジン好きのようです。―後略―

  という次第です。
 柴野幸子さんのご冥福をお祈り申し上げます。
コメント(5) 

コメント 5

山本孝一

柴野さんの奥様、幸子さんがお亡くなりになったのですね。
もう長いことお会いする機会がなかったものの、お元気にされていると思っておりましたが。
>これで本当に「宇宙塵」の歴史が終わったんだ。
まさにその通りですね。またさびしくなりました。
『宇宙塵インデックスⅡ』、そうそう、作りましたねぇ、安田均さんも巻き込んで。もうあれから28年になるのですね。
発行元は「SF資料研究会」をもじり「SF死霊研究会」にしようかという案もありました。
出来上がった1冊を、これも冗談で、国立国会図書館に献本したのですが、確かに受け取りましたという返事が来て、「宇宙塵インデックス」は受け取ったが「宇宙塵」は当館に保管されていない、ついては創刊号から185号まで送っていただきたいと添え書きがあり唖然としたことなど、懐かしく思いだしました。
私も柴野幸子さんのご冥福をお祈り申し上げます。

by 山本孝一 (2014-09-16 20:28) 

高井 信

『宇宙塵インデックスⅡ』、楽しかったですね。
 安田均さんのことも国会図書館のことも「復刻にあたって」に書きました。
 わからないのは発行部数です。
 川合さん、山本さん、安田さん、高井、国会図書館に各1部、それに柴野さんに2部、計7部だったような気がするんですが……。山本さん、覚えていますか?

 今回の復刻版、山本さんの分も作りました。また何かの機会に差し上げますね。
by 高井 信 (2014-09-16 21:49) 

高井 信

 山本さんからメールをいただきました。
 発行部数ですが、山本さんも7部だったような気がする、と。私と同じく、はっきりとは覚えておられないようです。まあ、28年も前の話ですから、仕方がないですね。
by 高井 信 (2014-09-17 18:11) 

牧眞司

高井さん
山本さん

柴野幸子さんのお通夜にうかががってきました(9/13)。日本SF作家クラブの臨時総会の日だったのですが、総会を途中で失礼し葬場へ向かいました。
SFファンも多く集まり、幸子さんの人望をあらためて感じました。

ところで、〈宇宙塵〉は国会図書館にかなりの冊数所蔵されているはずです。贈本していたと、柴野さんからうかがっていました。
いま、調べたところ、ちゃんとデータベースに登録されていました。
https://ndlopac.ndl.go.jp/F/?func=find-c&amp=&amp=&amp=&amp=&amp=&amp=&ccl_term=001%20%3D%20000000001848&adjacent=N&x=0&y=0&con_lng=jpn&pds_handle=&pds_handle=






by 牧眞司 (2014-09-21 10:37) 

高井 信

 あ、ご教示どうもです。
 28年前の状況(所蔵状況、整理状況)がどうなっていたのか知りませんが、ハガキの文面を正確に書きますと、「当館には本誌№1のみしか入っておりません 在庫がございましたら№2以降お送り下さい」。
 告別式の様子は、ご参列された方々からお知らせをいただきました。在籍年数は長いけれど完全な幽霊会員だった私に……ありがたいことです。
 柴野ご夫妻と会う機会はそんなに多くはありませんでしたが、有形無形、お世話になりました。
 ご冥福をお祈り申し上げます。
by 高井 信 (2014-09-21 12:00) 

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