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「チャチャ・ヤング=ショート・ショート」

 石原藤夫さんがSFファンジンのデジタル画像化を進めています。散逸しがちなファンジンを発掘・保存するという作業は極めて有意義かつ重要なことだと思います。
 その最新の画像集には、MBS発行の冊子「チャチャ・ヤング=ショート・ショート」2冊も収録されています。おお、これか!
 拙ブログでも何度も書いています(こことかこことか)ように、この2冊の冊子は私の探求書なんですよね。表紙画像でしたら、たとえば大熊宏俊さんのところなどで見たことがありますが、中身を目にするのは初めてです。ほほお、こんな内容でしたか。
 以下、目次です。単行本『チャチャ・ヤング=ショート・ショート』講談社(72)にも収録されている作品には★印。

◆1971―№1
 願い事 和田宜久
 砂漠 S・A ★深田亨名義
 ひも 岩崎均 ★
 ふたつの空 宇井亜綺夫
 エイプリル・フール 清水順也
 哀愁 藤原健司
 精神病院 藤原祐之介 ★
 さりげない死 安部房公 ★富野房公名義
 連作「青い星」(その二) 小野霧宥
 アイサツもどき 眉村卓

◆1971―№2
 岬 S・A ★深田亨名義
 識別者 大熊宏俊
 誕生 東元庸泰
 仮面 亜梨子
 科学の勝利 変寧夢 ★
 科学者 姫崎仁孝 ★
 わがスタドイド 和田宜久
 永遠と死 南山鳥27
 墓標のこわれる時 雫石鉄也
 時のおくりもの 島田弘明 ★
 喪失 宇井亜綺夫 ★
 潮の響きに 小野霧宥
 あとがき 眉村卓

 №2の「あとがき」に「ことに残念だったのは和田宜久氏の手紙形式の作品である。話しあいのときにも一番人気があったのだが、手紙形式のままでなければ意味がないこと、それに長すぎるために割愛せざるを得なかった」とあります。
 単行本に収録されている「手紙」が、その作品と思われます。16ページ。なるほど、20ページそこそこの小冊子に収録することはできないですね。
 そんなこんなで、あれやこれや非常に楽しく、ますます現物が欲しくなってしまいました。
「譲ってあげるよ~」という方がおられましたら、よろしくお願いします。また、「どこそこに売ってるよ~」という情報も歓迎です。
コメント(4) 

コメント 4

和田宜久

おじゃまします。こちらへは最近のペンネームでお邪魔するべきかどうか迷うところですが、今回は本名で。
「チャチャヤングショートショート 1971-No.2」が出たのは11月ですね。それから少しして、深夜放送の「チャチャヤング」では12月にその年の締めくくりと言う事でショートショートコーナーの特集がありました。その放送の時にも、この「手紙」が眉村さんとディレクターさんとの間で話題になりました。
眉村さん(放送のまま)「これ、なんかあれでしょ?どう言う作品を載せるかと言う時にね、断然トップになったわけですよ。所がスペースの関係で入らないんですよね。入れちゃうと他の作品全部外さなくちゃいけないしね(笑)」
そして、放送にも時々参加するこの番組のディレークター嵯峨さんが、今年の締めくくりにと、この「手紙」を朗読してくださいました。
(録音した物が残っているので、聴きながら書いています)

しかし、この2冊、まだ手に入れてらっしゃらないとは意外でした。
一時これがどこにあるのか忘れていたんですが、探すと出てきました。探したのは高井さんの以前の記事を読んだからだったんですが、その時は差し上げてもいいかなーと言う気持ちだったんですが、読み返すとやはり愛着がわきますねー(笑)
ま、「私が死んだら差し上げます」と言う方もおられるようですのでお楽しみに。

ところで、「ショートショートファイブ」というラジオのミニ番組があったのはご存知でしょうか?ネットで検索しても、ほとんど出て来ないのですが。
これは、「チャチャヤング」の嵯峨ディレークターさんの番組制作会社の依頼で、荒巻義雄さん、戸倉正三さん、小禺黎(柴野拓美)さんというそうそうたるメンバーに、僕が混ざって原稿を書きました。原稿用紙3枚の作品を28本書きましたね。他の方々も同じ本数書かれているはずですが、もしこれが書籍化されていたら結構面白いショートショートの本になったと思います。
この番組は全国の民放ラジオの放送局に売られて放送されたようです。
by 和田宜久 (2012-08-19 21:59) 

高井 信

 臨場感のある情報をありがとうございます。>「手紙」

>その時は差し上げてもいいかなーと言う気持ちだったんですが、
>読み返すとやはり愛着がわきますねー(笑)
 ご自身が書かれているんですから、当然ですよ。
 お気持ちだけ、ありがたくいただきます。

 ラジオ「ショートショートファイブ」! 知りませんでした。
 荒巻さん、戸倉さん、小隅さん、それに和田さんですか。28本って、けっこう多いですよね。戸倉さんと和田さんはショートショートの人ですから意外性はありませんが、荒巻さんや小隅さんも参加されていたとは驚きです。
>もしこれが書籍化されていたら結構面白いショートショートの本に
>なったと思います。
 少なく見積もっても、28編×4=112編!
 今さら書籍化は難しいでしょうね。残念。
by 高井 信 (2012-08-20 08:54) 

和田宜久

そうそう、思い出した事があります。
ラジオ「ショートショートファイブ」は、月曜から金曜日まで作者が日替わりで書くと言う事で、僕は金曜日の担当でした。
だとすると、作者が一人足りない?
これは戸倉正三さんが5日間のうち2日を受け持たれたからなんです。
戸倉さんは「SFハガジン」(でしたっけ?)と言う葉書に印刷したショートショートを発行してらっしゃったんですが、それがちょうど原稿用紙3枚で、ストックがたくさんあるのでこう言う事になったようです。
この番組は眉村さんが監修と言う立場だったんですが、「チャチャヤング」のスタジオで一度、荒巻さんの原稿を見せていただきました。
おおー、これが荒巻さんの直筆か―と、感動しましたね。
「荒巻さんは毎回書き下ろしてらっしゃるようですね」
と言う事でした。
by 和田宜久 (2012-08-20 23:51) 

高井 信

 詳細情報をありがとうございます。放送されたきりというのが、ますますもったいなく思えてきました。
 ほんと、なんとかならないものでしょうか。

>戸倉さんは「SFハガジン」(でしたっけ?)
 戸倉さんのハガジンは「ミクロSF」ですね。以下に。
http://short-short.blog.so-net.ne.jp/2012-04-15-1
by 高井 信 (2012-08-21 08:45) 

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