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「けがれなき新世界」

 森下一仁さんのブログ(→この記事)を読んで、星新一さんのショートショート「けがれなき新世界」を思い出しました。この作品には「だれもが楽しげに〈いいじゃないの、無公害ならば……〉と歌うようになる。」なんて書かれているのです。これ、若い人にわかるのかなあ。
 この作品は「週刊読売」1970年9月24日臨時増刊号に発表。星さんの歿後作品集『気まぐれスターダスト』出版芸術社・ふしぎ文学館(00)に収録されました(のちに『天国からの道』新潮文庫(05)に収録)。
 時事ネタを避けた星さんが生前の作品集に収録されなかったのはわかります。もし収録するとしたら、どのように書き換えたかな、なんて考えるのも楽しいかも。
 ちなみに、相良直美「いいじゃないの幸せならば」は1969年の日本レコード大賞の大賞受賞曲。「けがれなき新世界」が発表されたころ、誰もが知っている歌だったのです。

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『月世界小説』

月世界小説.jpg 牧野修さんより新著『月世界小説』ハヤカワ文庫JA(15)を送っていただきました。ありがとうございます。
 なんという潔いタイトル! 実に清々しい!
 帯に「言語を滅ぼそうとする神の策謀?」とあります。これを読んで、思わず「うひゃ」と叫びそうになりました。というのも、10日ほど前に、神々の気まぐれな遊びが日本語を破壊しているというショートショートを書いたばかりなのです。いやもちろん、まるっきり違う話に決まっていますけれど、こういう偶然は愉快ですね(嬉)。
 じっくり楽しませてもらおうと思います。
帯.jpg
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筒井ワールドFINAL

チラシ.jpg
 そんなわけで(→前の記事のコメント欄参照)、「筒井ワールドFINAL」です。
 あれこれ私が説明するより、チラシ(上の画像)に書かれているスケジュールをご覧いただくほうが早いと思います。チラシは二つ折りで、ぴろっと開くと、全4ラウンドの詳細なスケジュールおよび演目が記されているのです。(画像クリックで拡大表示)
スケジュール.jpg
 私が行ったのは第4ラウンドの大阪公演です。パンフレットは第2、第3、第4ラウンドのものしか見当たりませんでした。第1ラウンドのものは売り切れで買えなかったのだと思います。
パンフレット1.jpg パンフレット2.jpg パンフレット3.jpg
 15年も前なんですね。しみじみ。
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熊の木節、聴き比べ

 一昨日、朗読カセット『怪談傑作集』の「熊の木本線」(朗読:森山周一郎)を聴き、熊の木節が気になりました。朗読とはいっても、ちゃんと節をつけて歌っているのです。
 この節回し、どっかで聴いたことがあるなあ。『世にも奇妙な物語』だったような気がするけれど……。あ、『筒井康隆文明』かも。
おれに関する噂.jpg ということで、3種の熊の木節を聴き比べてみました。
 私の記憶に残っていたのは『筒井康隆文明』版と判明。『怪談傑作集』版と非常によく似ています。もしかしたら森山周一郎は朗読するにあたって『筒井康隆文明』を参考にしたのかもしれません。
 熊の木節、ほかにもありましたっけ? ご存じの方がいらっしゃったら、ご教示を。

「熊の木本線」は『おれに関する噂』に収録されています。書影は「新潮文庫20世紀の100冊」カバー版。
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『怪談傑作集』

 尾川健くんに吉行淳之介監修『怪談傑作集(全5巻)』を貸してもらいました。朗読のカセット・テープで、全18編収録。
怪談傑作集1.jpg 怪談傑作集2.jpg 怪談傑作集3.jpg
怪談傑作集4.jpg 怪談傑作集5.jpg
 傑作揃いですが、何はともあれ筒井康隆「熊の木本線」が気になります。
 ということで、まずは「熊の木本線」(朗読:森山周一郎)を聴きました。やっぱり傑作ですね。小説を読んでも、TVドラマ(『世にも奇妙な物語)』)を観ても、そして朗読を聴いても面白い。
 ほかの朗読は明日以降、ぼちぼちと聴いていこうと思っています。多くは既読ですが、なかには読んだことのない作品もあり、いやあ、楽しみ楽しみ。
 尾川くん、ありがとうございました。
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『怪異居留地』

 大熊宏俊さんから『チャチャヤング・ショートショート・マガジン別冊①怪異居留地』チャチャヤング・ショートショートの会(15)を送っていただきました。ありがとうございます。
 大熊さんは手作りファンジン友の会@バーチャルの会員ですから、もちろん手作りの一品。その製本スキルの上達ぶりは『海洋未来物語』と比べれば歴然です。お見事!
 今回、カバー付ですけれど、カバーはハヤカワSFシリーズの函と同じ存在でして、要するに……(笑)。こういうお遊びも楽しいですね。
 私も負けてられないです。――って、内容は二の次で、まずは装幀が気になる私(笑)。
 下の画像は、左がカバー付、右が本体です。
怪異居留地(カバー).jpg 怪異居留地.jpg
 内容は――まだ読んでないので定かではありませんが、神戸を舞台にした小説のアンソロジーのようです。9編収録。
 購入ご希望の方は大熊さんの掲示板「ヘリコニア談話室」をご覧ください。
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『うしおととら』アニメ化

 へえ。『うしおととら』がアニメ化されたのですか。
 むか~し、友人が「高井さん、これ面白いですよ」とマンガの単行本を何冊か貸してくれました(当時は刊行中)。楽しく読みましたが、本を返して、それっきり。『寄生獣』と同じパターンですね(笑)。

 お。いい感じではないですか(嬉)。
 名古屋では7月6日(月)深夜に放送スタート。さっそく録画予約しました。
 楽しみです。
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セ・リーグ

順位表.jpg
 あははは。
 全チームが負け越し。1位から5位まで0.5ゲーム差。ペナントレースが混戦になるのは楽しいですけれど、こんな低レベルの混戦は魅力がないですね。
 今年のセ・リーグ、強いチームは存在しないようです。存在するのは調子がいいチーム(そして悪いチーム)だけ。今後もそのときどきの調子によって、順位がめまぐるしく変わりそうです。
 負け越しチームが優勝することもありうるわけですな。で、3位のチームがクライマックスシリーズを勝ち抜いて、日本シリーズに進むこともありえますね。挙げ句、パ・リーグを破って日本一になることもありうる。
 どうせなら、そんなのを見たい(笑)。

【追記】7月21日
 相変わらずのセ・リーグですが、ふと、1位から5位までの負け数が同じなことに気がつきました。
 これも珍しいと思います。
順位表.jpg

【追記2】2016年6月29日
 なんと今年は、5チームの勝ち数が並びました。2位から6位まで。
 う~む、去年のほうが圧倒的に楽しかったなあ。
セ・リーグ勝敗表.jpg
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映画『ドクター・ゴードンの島』

 H・G・ウェルズの長編のなかで、もしかすると私は『モロー博士の島』が最も好きかもしれません。ちょっと調べてみると、映画化は以下の通り。
『獣人島』1933年
『ドクター・ゴードンの島』1972年
『ドクター・モローの島』1977年
『D.N.A. ―ドクター・モローの島―』1996年
『D.N.A.リローデッド ドクター・モローの館』2004年※続編
ドクター・モローの島.jpg DNA.jpg DNAリローデッド.jpg
 このうち、新しい3本(上の画像)は観たことがありますが、古い2本は観たことがありません。ひょんなことから――あ、『ドクター・ゴードンの島』ってDVD化されてたのか。知らなんだ~。観なきゃ。
 ということで、さっそく観ました。

 確かに原作は『モロー博士の島』であろうとは思います。しかしこちらに登場するのはモロー博士ではなくてゴードン博士。まあ、タイトルの通りですね。
 モロー博士は獣を人間に改造しますが、ゴードン博士は人間と獣を混合します。どちらもケダモノ人間ではありますけれど、モロー博士のはあくまでも獣であるのに対し、ゴードン博士のはベースは人間です。この差は大きいですね。
 最後まで楽しく観られましたが、やはり私はモロー博士のほうが好きだなあ。
 こうなると、最初の映画化『獣人島』も観たくなります。これは今年9月にDVDが発売されるとのこと。買ってしまうかも。

 あ、そういえば……。
 だいぶ前にテレビで『ドクター・モリスの島 フィッシュマン』なんてのを観ました。もちろん『モロー博士の島』とは関係ありません(笑)。
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『寄港地のない船』

 ゆえあって、H・G・ウェルズ『モロー博士の島』創元SF文庫(96)を手に取りました。映画『D.N.A.』公開に合わせて発行された新訳版(完訳)です。巻末の藤元直樹編「H・G・ウェルズSF作品邦訳書誌が超労作。
 買ったときには気にもかけなかったのですが、改めて手にして――
 あ、これ、中村融さんの訳書だったのか。
 そんなことを考えながら眺めていたところへ、自宅郵便受けに何か投函される音が聞こえてきました。1通は、なんと偶然にもその中村さんからの封筒で――
◎ブライアン・オールディス『寄港地のない船』竹書房文庫(15)
 おお、オールディス! 懐かしい!(装幀も素晴らしいので、書影はふだんより大きめに)
寄港地のない船.jpg モロー博士の島.jpg
 帯を見ますと――
帯.jpg
 わあ。大傑作『地球の長い午後』の原点! 言うまでもなく、私も大好きなSFですよ、『地球の長い午後』。いやまあ、『地球の長い午後』が嫌いなSFファンを探すほうが難しいと思いますが(笑)。
 さらにカバー裏――
紹介.jpg
 めちゃ面白そうではないですか。50年代SFの香りがぷんぷん。
 中村さん、ありがとうございます。

 冒頭「ゆえあって」の「ゆえ」は次の記事にて。
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映画『ドッグ』


 映画『ドッグ』を観ました。1976年のアメリカ映画です(日本公開は1977年)。
 ひと昔前、身近な動物がいきなり凶暴になり、単体で、あるいは集団で人を襲う映画が流行りました。あのころはオリジナルやノベライズに関わらず、そういった小説もたくさん出ていましたね。(→この記事参照)
 この映画もそんな1本――タイトルの通り、犬が人を襲う映画です。
 登場人物の行動がお馬鹿すぎるし、犬たちは数が少なすぎて迫力不足(小型犬がキャンキャン吠えても怖くないだろ、とか)だし……。B級感&ツッコミどころ満載。しかしそれでも、1時間半を楽しく過ごせました。
 そういった欠点も含めて、こういう映画が好きなんでしょうね。

 ちなみに、GYAO!にて鑑賞。7月17日まで配信されているそうです。
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