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吉田修一の掌編小説集

 吉田修一『あの空の下で』木楽舎(08)を買いました。掌編小説12編+エッセイ6編を収録。私の感覚ではショートショートとは別世界の産物ですが、ともあれ短い短編小説なのですから、調査対象です。
 吉田修一の掌編小説集は以下の3冊をリストアップしています。網羅的な調査をしているわけではないので、ほかにもあるかも。
『うりずん』光文社(07)/光文社文庫(10)*写真(佐内正史)とのコラボ集。
『あの空の下で』木楽舎(08)/集英社文庫(11)
『空の冒険』木楽舎(10)/集英社文庫(13)*『あの空の下で』姉妹編。掌編小説12編+エッセイ11編。
うりずん.jpg あの空の下で.jpg 空の冒険.jpg

【追記】6月21日
 記事「吉田修一の掌編小説集(文庫編)」をアップしました。
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青空文庫POD

 青空文庫で読める作品を本の形にしてくれるオンデマンド・サービスがあるそうです。現物を見たことはないのですが、安っぽいという話。
 そんなんだったら、自分で作ってしまえばいいのでは?(笑)
 ということで、青空文庫から1編――ちょっと考えて渡辺温「アンドロギュノスの裔」をチョイスし、印刷・製本してみました。中綴じ、本文24ページ。サイズはA7判――つまり豆本です(嬉)。創元推理文庫『アンドロギュノスの裔』と並べてみますね。
アンドロギュノスの裔.jpg
 中身はこんな感じです。
本文.jpg
 ビョーキですな(笑)。
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『このトリックアートがすごい!』

このトリックアートがすごい!.jpg 私はトリックアート(錯視とか騙し絵とか)が好きです。
 先日、『このトリックアートがすごい!』鉄人社(15)という本を買いました。気が向くと適当なページを眺めて楽しんでいるのですが、なんだか既視感が……。まあ、この手の本は何冊も読んでいますから、同じトリックアートが紹介されていても不思議はないのですけれど、それにしてもこの既視感は尋常ではない。
 先ほど何気なく奥付を見たら――
>※本書の内容は「トリックアート大百科」「トリックアート大百科2011」「トリックアート大百科2013」を再編集したものです。
 げげっ。ぜんぶ持ってる(笑)。
トリックアート大百科.jpg トリックアート大百科2011.jpg トリックアート大百科2013.jpg
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「ペルシダー・グロッサリー」

 日本の古本屋で、こんなのを発見。(画像クリックで拡大表示されます)
日本の古本屋.jpg
 思いっ切り驚きました。何冊作ったか覚えていませんが、たぶん20部とかそんなもんと思います。しかも発行は40年以上前。
 こんなもん、いったいどこから仕入れたんでしょうね。恐るべし。>日本の古本屋

「ペルシダー・グロッサリー」って何? という方はこの記事をどうぞ。
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蘭光?

 悲しいかな、蘭光生(式貴士の別ペンネーム)という名を目にすると、別に読む気もないのに反応してしまいます。はて? と首を傾げた方はこの記事をご覧くださいね。
背.jpg 本日、近所のブックオフを散歩しておりましたら、コミック文庫の棚にて、右のような本(の背)が目に飛びこんできました。
 ん? 蘭光? そんなマンガ家、いるのか? 名前の下にある黒猫、シールが貼ってあるのかも。
 と手に取りますと、黒猫はシールではなくて印刷。そう、紛れもなく「蘭光」の著作なのでありました。
◎蘭光『キュン♡キュン課外授業』フランス書院コミック文庫(90)
 迷うことなく購入決定。こんなに蘭光生(式貴士)リスペクト(に違いない)ペンネームを目にしたら、買わないわけにはいかないではありませんか。
 このコミック文庫では蘭光生原作のマンガも発行されています。うちにあるのは叶さとる『わたしは奴隷!』(88)だけ。ついでなので、この書影も並べておきましょう。
キュン♡キュン課外授業.jpg わたしは奴隷!.jpg
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宮崎惇さんの手紙

 昨夜の記事の続きです。
 2009年7月7日の記事に――
> 私は宮崎さんの大ファンです。高校生のころにファンレターを書き、文通に近い関係ができました。大学に合格して上京してからは、宮崎さん(当時、長野に在住)が東京に来られたときには連絡をいただき、新宿の喫茶店でお話をするようになりました。
 と書きました。
 ファンレターを書こうと思ったきっかけは1975年、高校3年のときに読んだ『魔界住人』双葉新書(73)です。おそらくそのとき、名前も知らない(あるいは意識していない)作家だったと思うのですが、タイトルと装幀に惹かれて購入。一読、驚嘆。――おおお、面白い!
手紙.jpg 興奮のまま、ファンレターを書きました。全く記憶にありませんが、おそらく双葉社宛てに送ったのだと思います。
 宮崎さんから丁寧な返信(1975年9月19日付)が届き、そこから宮崎さんが亡くなる1981年まで、お付き合いが続きました。その間に宮崎さんからいただいた手紙は(うちに残っているものだけで)17通あります。(画像は最初と最後の手紙です)
 最後の手紙(ハガキ)は1981年6月7日付で、「健康を害し、6月2日より入院。8日に手術。月末には退院予定」というようなことが書かれていました。さほど心配はしていなかったのですが、それから半年も経たずに飛びこんできた訃報……。詳細は「宮崎さん、やすらかに」をお読みいただきましょう。

 さて、気を取り直して――
 この機会に、いただいた手紙すべてを読み返しました。
 1976年6月3日付の手紙には、宮崎さんのSF短編リストが書かれています。読んだことのない作品がたくさん。今度の新刊には、こういうのも収録されるのかなあ。
 1979年5月1日付の手紙には、東キャナル市民の会常連で宮崎さんの熱心なファン「香川くん」なんて名前も出てきます。この「香川くん」って、拙ブログに何度かコメントしてくれた香川治成さんのことですよね、きっと。
 1980年3月14日付の手紙には「日本ロスト・ワールド」シリーズの続編タイトルも書かれていて――「妖魔巌窟境」「幻影悪魔城」「石器獣人境」「死峡の蝙蝠族」「髑髏食人境」。うわあ。タイトルを見るだけでもわくわくしますねえ。
 こうして振り返ってみて、宮崎さんとの付き合いはわずか6年に過ぎなかったことに気づきました。短い期間ですけれど、楽しい時間を、そして充分な思い出を残していただきました。
 改めて――宮崎さんに感謝!
魔界住人(合本).jpg 魔界住人(新書).jpg 魔界住人(文庫).jpg 背.jpg
サイン.jpg 上の書影は『魔界住人』3種です。
 左は連載されていた「傑作クラブ」(1972~73年)から当該ページだけを合本、簡易製本したもの。各作品に添えられている秋吉巒のイラストが嬉しい。なお、当時の「傑作クラブ」には秋吉巒のカラー口絵「妖美の世界」も連載されていて、そのページも綴じこんであります。
 真ん中は私が最初に手にした双葉新書版(73)、右は大陸文庫版(90)です。文庫は奥様に送っていただきました。
 今回の新刊(発売日も内容も知らないのですが)を機に宮崎さんの再評価が進むと嬉しいです。

サイン.jpg【追記】10月21日
 ネットで拾った『魔界住人』のサインです(コメント欄参照)。→右の画像

【追記2】
 記事本文に、
> 今回の新刊(発売日も内容も知らないのですが)を機に宮崎さんの再評価が進むと嬉しいです。
 と書きました。
 その後、少しだけ資料を提供したこともあり、編者の日下三蔵さんより収録予定作品を教えてもらいました。
 これはすごいです。乞うご期待!
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