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『東映ゲリラ戦記』

 鈴木則文『東映ゲリラ戦記』筑摩書房(13)を読みました。昨日は新刊を4冊買いましたが、最初に読んだのはこの本ということになります。う~~~む、私はもしかしたらSFやショートショートのファンではないのかもしれない(笑)。
 私が映画監督・鈴木則文の名前を意識したのは何年前でしたか。山本孝一さんに2本の映画――『徳川セックス禁止令 色情大名』と『エロ将軍と二十一人の愛妾』を勧められ、よくわからないままに鑑賞したところ、これが異様に面白かったのですね。ポルノということですが、欲情を催すとか、そんなことは全くなく、ただただ笑える映画でした。艶笑喜劇と言うべきでしょうね。

 こんな世界があったのか~。知らなかったぞ~。好きだ。だ~い好きだ!
「こういうの、もっと観たい。お勧めを教えて」
『不良姐御伝 猪鹿お蝶』『やさぐれ姐御伝 総括リンチ』を観て、早くも泥沼へ(笑)。もともと凝り性の私は「鈴木則文」をキーワードに、手当たり次第に、その手の邦画(おもに1970年代。大作ではなく、B級映画)を観始めました。
 しかし、手当たり次第では、すぐに限界が来ます。杉作J太郎・植地毅編著『東映ピンキー・バイオレンス浪漫アルバム』徳間書店(99)を購入。この本を参考に、次から次へと。鈴木則文だけではなく石井輝男ほかの作品も観まくりましたねえ。そういえば梶芽衣子にもハマりました。『さそり』はもちろん、『修羅雪姫』や『銀蝶渡り鳥』のシリーズ……。
 数年であらかた観尽くし、そこから派生して、1960年代、70年代の邦画――それまで私の映画鑑賞歴からすっぽり抜けていた作品群も観始めます。これがまた、面白い映画が目白押し。邦画を食わず嫌いしていた自分を叱責し、大いに反省したものです。
 昨年11月、書店で鮮烈! アナーキー日本映画史1959-1979洋泉社MOOK・映画秘宝ex(12)を見かけ、「うほほ~」と購入。鈴木則文を知るまででしたら、気にも留めずにスルーしたに違いない本です。採り上げられている映画のうち、かなりの作品を観ていることがわかり、われながらびっくり。もちろん観てない映画もあり、積極的に観るようになるわけです。
東映ゲリラ戦記.jpg 東映ピンキー・バイオレンス浪漫アルバム.jpg アナーキー日本映画史.jpg
 ということで、『東映ゲリラ戦記』です。
 この本、まずは1971年、『温泉みみず芸者』に始まります。

 もちろん私は何年か前に鑑賞済みです。これぞまさに艶笑喜劇。いやあ、楽しかったですねえ。
 へえ、この映画で初めて「ポルノ」という言葉が使われたのか。手垢にまみれた「ピンク」や「セクシー」なんて古臭いと考え、「ポルノ」にしたそうで、このあたり、「コント」と「ショートショート」の関係に似ているなあ。
 ど新人の池玲子を主役に抜擢。それで、池玲子がポルノ女優第1号と言われているのか。ピンク女優やセクシー女優とは違うわけですな。
 え? 池玲子、このとき16歳? ウッソー!
 とまあ、冒頭から私の心は鷲掴みされます。(このあたり、もしかしたら『東映ピンキー・バイオレンス浪漫アルバム』にも書かれていたかもしれませんが、当時、映画のカタログとして読んでいましたので、そういった情報は目がスルー)
 昨日の記事にも書きましたように、私は『東映ゲリラ戦記』の目次で挙げられている作品のほとんどが鑑賞済みです。そういう目で読むと、その舞台裏がよくわかります。
 池玲子と杉本美樹がなぜ2枚看板になったのか。サンドラ・ジュリアンやクリスチーナ・リンドバーグ出演の効果は? アクション路線へ変更の経緯は? などなど。――その楽しさときたら、言葉では言い表せません。
 いやほんと、面白かったです。
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『少年少女昭和SF美術館』など

少年少女昭和SF美術館.jpg◆新刊書店に行く。
◎大橋博之編著『少年少女昭和SF美術館 表紙でみるジュヴナイルSFの世界』平凡社(13)
 眺めていると嬉しくなってきます。じっくりと楽しみます。
 編集協力を見ると――うはは、よ~く知っている人ばっかり(笑)。
◎眉村卓『こんにちは、花子さん』双葉文庫(13)
 ショートショート集。『こんにちは、花子さん』『頑張って、太郎さん』(この記事参照)の再編集・合本。
◎阿刀田高『知的創造の作法』新潮新書(13)
 阿刀田高のアイデア考察エッセイ、好きです。
◎鈴木則文『東映ゲリラ戦記』筑摩書房(13)
 店長が、「こんな本、好きだろ」と取り置きしておいてくれました。目次を見ましたら――おおおおおおーっ!
 目次にタイトルが挙げられている作品、ほとんどを観ています。観てないのは、たぶん5本だけ。んで、めちゃ面白かった作品、た~くさんです。(目次の画像はクリックで拡大)
こんにちは、花子さん.jpg 知的創造の作法.jpg 東映ゲリラ戦記.jpg
目次.jpg
◆店長から写真(のコピー。焼き増しにあらず)をもらう。
◎筒井康隆サイン会(1979年12月16日開催)
◎星新一サイン会(1980年5月25日開催)
 どちらも、ちくさ正文館ターミナル店にて開催。告知チラシはこの記事に。
 何枚ももらいましたが、ほとんどは会場の風景で、主役の顔を正面から撮ったものは皆無でした。ピックアップした2枚が、最も顔が写っている写真です(ほとんど頭しか写ってないけど)。まあ、サイン会ですから、下を向いているのは当たり前といえば当たり前ですが……。
◎『12人の浮かれる男』鑑賞・集合写真
 どのときか不明。懐かしい顔が並んでいます。
筒井康隆サイン会.jpg 星新一サイン会.jpg 12人の浮かれる男.jpg
◆古本屋へも行く。
◎大森望編『ぼくの、マシン ゼロ年代日本SFベスト集成〈S〉』創元SF文庫(10)
◎大森望編『逃げゆく物語の話 ゼロ年代日本SFベスト集成〈F〉』創元SF文庫(10)
◎大森望編『不思議の扉 ありえない恋』角川文庫(11)
 シリーズ4冊(だよね?)、ようやく揃いました。
◎角田喜久雄『神變八咫烏』湊書房(47)
 あんまり安かったので、つい……(苦笑)。
ゼロ年代日本SFベスト集成.jpg 不思議の扉.jpg 神変八咫烏.jpg
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「香水の未来」

 今日あたり、『江戸門戸狂人ショートショート集』がお手元に届くと思います。(ほかのものと一緒に、というご希望の方には未発送)
 とにかくまあ、とんでもないものを作ってしまったなあという思いが胸に込み上げていますが、それはともかく。
 この本の「あとがき」に、以下のように書きました。

 江戸門戸狂人名義で書いたのは、本書に収録したショートショート以外には、のちに五十枚近い短編となる「デパート殺人事件」の初稿(冊子化済み)、結局完成しなかった中編「たいむましんにのって」にまつわるあれこれ(書き出し原稿やプロット。すべて冊子化済み)、それと「ピノーキオ」(タイトルの通り、『ピノキオ』のパロディ)、「奇蹟を行なう男(前篇)」(後篇は書かれず)だけです。ちなみに、「ピノーキオ」は一九七三年十二月二十八日に脱稿。これが江戸門戸狂人名義の最後の作品となりましょう。

 いやしかし、1作だけ意識的に排除した作品があります。
 タイトルは「香水の未来」(「かぐわしきみらい」のルビ付き)で、8枚のショートショートです。書いたのは1973年12月9日。
香水の未来.jpg タイトルの横に「筒井康隆『にぎやかな未来』のパロディ」と書かれていますが、実はこれ、パロディでも何でもなくて、ほとんど書写に近いんですよね。「にぎやかな未来」の「音」に関する箇所を「臭い」に置き換えただけで、文章も「にぎやかな未来」そのまんま。当然のことながら結末の1行は「現代でもっとも高価なものは、無臭です」という、もはや盗作とすら言えないような、そんなものです。
 どうしようもない代物なんですが、この書写作業(あえて「書写」と言い切ります)をしたことは、その後の創作活動において非常に有意義だったと思います。ただ書くだけではなく、原稿を書く際の基本的なルール、それに文体やリズムを意識するようになりましたから。
 ほぼ40年前ですか。ふう……。

 そんなこんなで――
『江戸門戸狂人ショートショート集』、寛容の心で読んでいただければ……と思います。>お送りした皆さん

【追記】
 あ。
「香水の未来」を書いた12月9日って、ほかに4本のショートショート(こちらはオリジナル)を書いているのですね。調べてみますと、やはり日曜日でした。休みとはいえ、短い作品ばかりとはいえ、この数は……。この日、いったい何があったのでしょう。
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『ビアンカ・オーバースタディ』

 何をいまさら……という声も聞こえてきそうですが、筒井康隆『ビアンカ・オーバースタディ』星海社FICTIONS(12)を読みました。
ビアンカ・オーバースタディ.jpg 帯に“それは、2010年代の『時をかける少女』。筒井康隆、ライトノベル始めました”とあります。――確かに、そう言えないことはないですね。ただし、昔から筒井康隆を愛読してきた人にとっては、という断わり書きを入れたほうがいいような気がします。『時をかける少女』の要素はあるけどテイストはまるっきり違うし、ライトノベルと思って手に取ったら違和感を覚えまくるでしょうし(笑)。
 私? もちろん、充分に楽しめました。jジャンル云々ではなく、これが筒井康隆ですね。納得。
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『隻眼の竜』

 横山光輝が止まりません。
 まずは『闇の土鬼(全3巻)』『血笑鴉』『夜光島魔人』『セカンドマン』、続いて『時の行者(全3巻)』、そして今日は『隻眼の竜(全5巻)』リイド文庫(94)――ずいぶん前に買ったものの、それきり放置してあった本です(←こんなのばっかり)。
 帯に、“武田信玄の参謀山本勘助と忍者源蔵の壮絶ドラマ”とあります。まさにその通り。面白くて、全5巻を(1時間半ほどで)一気読みしました。横山光輝の忍者もの、本当に魅力的ですね。その楽しさを満喫しました。
 そういえば、『片目猿』も面白かったなあ。読み返したいけれど、これ、うちにないような気がする……。
隻眼の竜.jpg
 この横山ブーム、まだしばらく続きそうな予感。

【追記】12月2日
 そんなこんなで、本日は『少年忍者 風よ(全2巻)』講談社漫画文庫(06)を読みました。
 幕末を舞台にした忍者ものです。で、主人公は伊賀でも甲賀でも風魔でも飛騨でも根来でもなく、鈴鹿衆です。
 原作(葉山伸)付きということもあり、お馴染みの忍者ものであるにもかかわらず、いっぷう変わった世界を楽しませてもらいました。
少年忍者 風よ.jpg
片目猿.jpg さすがに、そろそろゲップが……(笑)。

【追記2】2016年9月3日
 ようやく横山光輝『片目猿』講談社漫画文庫(08)を読みました。
 読み進むにつれ、どんどん過去の記憶が甦ってきます。そうだったそうだった。
 面白かった~。
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『時の行者』

 そんなわけ(この記事のコメント欄参照)で、横山光輝『時の行者(全3巻)』講談社漫画文庫(00)を読みました。たった3冊とはいえ、総ページ数は1300! 読みごたえ抜群です。
 時代劇とSFの融合。――思い出すのは『魔界衆』です。これは大傑作でしたね。それと比べると『時の行者』は少し落ちますが、それでも充分に楽しめました。なんと言っても1300ページを一気読みしちゃったくらいですから。つまらなかったら、途中で放り投げています(笑)。
 横山光輝、いいなあ。
時の行者.jpg
 だいぶ前の記事で、秋田文庫の横山光輝作品、所有本の背の画像をアップしました。話題の流れ上、あのときは影丸と赤影だけでしたが、ほかにも所有しています。背の画像をアップしましょう。(「ついでに『時の行者』3冊の背も。見よ、この厚さ!)
バビル2世ほか.jpg 背.jpg
 こちらも忍者ものに負けないくらい大好き!
 しかし、横山光輝の描く主人公(少年)って、みんな同じ顔をしてるなあ(笑)。
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『江戸門戸狂人ショートショート集』

 もう少し、ダンボールの精査を続けました。

 あちこちに残っているメモその他を参考に――
 最初のペンネーム「江戸門戸狂人」を使っていたのは1973年(中学3年の3学期~高校1年の2学期)だけに限られるようです。その間、けっこうな数を書いています。
 初めての小説「デパート殺人事件」の初期バージョン、未完の大作「たいむましんにのって」にまつわるあれこれ、初ショートショート「自殺するには……」――こういった作品はすでに冊子化しました。(この記事参照)
 ほかにショートショートが15編あると判明。精査中のダンボールに、そのすべてが残っていました。(日付は脱稿日。いずれも1973年)
「千本の釘」4月2日(3枚)
「コマーシャル」6月25日(5枚)
「恐怖の飛行機シリーズ 第一巻 初乗機」8月23日(7枚)
「恐怖の飛行機シリーズ 第二巻 狂人機長」同(7枚)
「日地事変」9月11日(2枚)
生原稿.JPG「自転車・自動車」12月2日(2枚)
「桃太郎さん」12月3日(1枚)
「奇蹟を行なう男 前篇」12月4日(10枚)
「物忘れ」12月9日(2枚)
「発明」同(2枚)
「身売り」同(2枚)
「必勝法」同(2枚)
「誇大された疑惑」12月14日(2枚)
「世界沈没」同(1枚)
「ピノーキオ」12月28日(15枚)
 以上。(12月に10編!)
 年が明けて、最初に書くのは「目覚時計」(「ネオ・ヌル」に投稿。この記事の【追記2】参照)です。明らかに、これまでの執筆スタンスを反省していまして(笑)、「江戸門戸狂人」を使わなくなったのは、生まれ変わろうという決意の表われでしょう。
 確かに、心を入れ替えてからの作品はまともなものが多いのですけれど、江戸門戸狂人名義の作品に妙な魅力があるのも確かで、いまの私の原点であることも間違いありません。若いころは恥ずかしくてたまりませんでしたが、40年も経ってみると、無性に愛おしい。
 こうなったら江戸門戸狂人ショートショート(=1973年執筆の作品)すべてに陽の目を見せてやろうかな、と考えました。未冊子化作品15編の合計は63枚。1冊にまとめるのに、ちょうどいい枚数です。
 題して、『江戸門戸狂人ショートショート集』!
 で、はたと悩むのは発行部数です。
 読みたい方、どれくらいおられるのでしょうか。少なければ、最低発行部数(6部)となります。ご希望の方、どうぞご連絡ください。その気になれば半日で発行できてしまいますので、ご希望の方はお早めに。

【追記】11月27日
 そんなわけ(コメント欄参照)で、『江戸門戸狂人ショートショート集』が完成しました。1973年、私が「江戸門戸狂人」名義で書いたショートショート14編(+おまけ2編)を収録。なんだか、とんでもないものを作ってしまったような気もします(笑)。
 作っている途中、『仙洞田一彦のショート・ショート集』青磁社(85)を思い出しました。
江戸門戸狂人ショートショート集.jpg 仙洞田一彦のショート・ショート集.jpg
 どっさり買っておいた色画用紙、A5のコピー用紙が底を尽きかけています。現状、次に何かを思いついても、すぐには出せません。
 できあがった冊子を発送しつつ、紙を買ってこようと思います。
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ダンボールの精査

 昔の原稿用紙のはいっているダンボールを精査しています。いろんなものが出てきました。なんでこんなもんがこんなところに? と思うファンジン(→この記事の【追記】)もあったりしましたが、それはいいとして――

◆拙作「シミリ現象」や「目覚時計」の生原稿たくさん(この記事参照)
「シミリ現象」は計5種。なかには最初の下書きと思われるものもありました。
「目覚時計」は計6種。続編「続・目覚時計」もあり。
 どちらも何度も書き直したんだよなあ。しみじみ。
 下の画像(左側)は「シミリ現象」の(下書きと思われる)原稿です。書き殴っております。
シミリ現象(下書き).jpg すごろく宇宙.jpg
◆長編『すごろく宇宙』の冒頭11枚分(絶対に未発表)
 T書店からの依頼で書き始めた処女長編(の下書き)。しかし、あっという間に挫折し、そのまんまになっています(苦笑)。何年かして、ようやく書き上げたのが『名古屋1997』です。(この記事参照)
 こんなの、残っていたんですねえ。ちょっぴり感慨深いです。

◆「古典SFいがい以外」(明らかに未発表)
 第一回「日本SFの外・九鬼澹」(笑)。
 もちろん「日本SFこてん古典」のパロディ。タイトルの通り、SF以外の作品にスポットを当てるコラムです。
 九鬼澹の短編「神仙郷物語」を採り上げ、あーだこーだといいかげんなことを述べておりますが、5枚で中途断絶(笑)。
 これ、いつ書いたんだろうなあ。ぜーんぜん覚えていません。
古典SFいがい以外.jpg 旧刊和書資料室・補足.jpg
◆「旧刊和書資料室・補足」(おそらく未発表)
 タイトルのまんま、『旧刊和書資料室』の補足です(原稿用紙4枚)。う~~~む、これは『旧刊和書資料室』増補版を作らなければ!

 原稿用紙だけではなくて、レポート用紙に書かれたメモも多数ありました。
 以下、例をいくつか――
◆高校時代、テレビで観た映画のリスト
 レポート用紙4枚。昭和48年(1973年)7月から昭和51年12月までにテレビ放映されたSF映画(ホラーも含む)が日付とともにメモしてあります(少しですが、劇場で観た映画も)。その数、100本あまり。
 眺めていると、思わず声を上げたくなる発見多数。いくつかピックアップしてみます。
 昭和48年10月10日『たたり』→この記事参照。
   同12月24日『猿の惑星』→この記事参照。そういえば先日、ついに念願叶ってTVドラマ版『猿の惑星』全話を観ることができました。
 昭和49年4月21日『不思議な村』→この記事参照。
  同10月6日『SFアンドロメダ……人類滅亡の危機』→この記事参照。
 昭和50年3月20日~31日『美女と液体人間』『宇宙大戦争』『ガス人間第1号』『世界大戦争』『電送人間』『海底軍艦』→この記事参照。
  同6月8日『SF人類SOS 恐怖の殺人植物』→この記事参照。
  同11月18日『SF女人惑星への旅』*なんじゃこりゃ。妙に気になる(笑)。
 昭和51年7月14日『ネズミの襲う日 ウィラード』
  同7月21日『続ネズミの襲う日 ベン』→この記事参照。
  同7月27日『SF人喰いアメーバの恐怖№2』→この記事参照。
  同8月8日『悪を呼ぶ少年』→この記事参照。うぎゃ! 観てたのか!
  同11月7日『SF人類SOS 恐怖の殺人植物』*え? また?(笑)
 とまあ、こんな感じ。『大々的SF映画総括論』は明らかにこのメモをもとに書かれたものですね。
TVで観た映画.jpg 新アラビア夜話・邦訳リスト.jpg
◆『新アラビア夜話』邦訳リスト・メモ
 レポート用紙1枚。へえ、こんなの調べてましたか(驚)。(この記事参照)
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横山光輝

 このブログでも何度か(こことかこことか)書いているように、横山光輝のマンガが大好きです。ことに忍者ものと超能力ものですね。前者の代表は『伊賀の影丸』、後者は『バビル2世』でしょうか。あ、私のフェバリット横山光輝『地球ナンバーV-7』も後者です。
 古本屋をふらついていて、気が向くと横山光輝のマンガを買います。最近、何冊か買ったのを機会に、積ん読だったものも含め、横山作品をまとめて読むことにしました。
 今週読んだのは――
『闇の土鬼(全3巻)』講談社漫画文庫(00)
『血笑鴉』講談社漫画文庫(01)
『夜光島魔人』講談社漫画文庫(07)
『セカンドマン』講談社漫画文庫(10)
 どれも面白かったですが、私の好みで言えば『闇の土鬼』がベスト。続いては『血笑鴉』。
 最も新しく、2010年発行の『セカンドマン』の背を見て――
 え? 「よ1-108」? これ、作者別の分類番号だよな。てことは、講談社漫画文庫で横山作品は109冊以上も出てるの? うっひゃあ。そんなにたくさん!
 うちにある講談社漫画文庫の横山光輝をチェックしてみました。――計24冊。
横山光輝.jpg
 もちろん全巻を揃えようなんて毛頭考えていません(ほかの版で持っている作品もあるし)が、これからもぼちぼちと、気が向いたら買っていこうと思っています。
 とりあえずは、上巻しか持っていない『時の行者(全3巻)』を揃えたいですね。もろに私好みっぽくて、かなり期待できそう。

【追記】
 いまのところ、『セカンドマン』が最新刊のようです。また、108のうちには新装版もカウントされている模様。それにしてもすごい数です。
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映画『ブラック・サンデー』



 昨夜、映画マニアの友人に貸してもらった映画――3作目を観ました。『ブラック・サンデー』(1977年)です。
 ほおほお。テログループがスーパーボウル開催中のスタジアム上空に、爆薬満載の飛行船を飛ばしますか。それが爆発したら、スタジアムに集う8万人の観衆は……。
ブラック・サンデー.jpg はらはらどきどき、全編に緊張感が溢れるクライム・サスペンスです。ことに最後の10分の緊張感は半端ではありません。すっげー。
 こういったタイプの映画の、まさに傑作と思います。面白かった~。
 とはいえ、はたと気づけば、もともとは(広義)のホラー映画を勧めてもらったはずなのですよね。2日前に観た『黒い罠』もそうでしたが、これもどう見てもホラー映画ではなく……(笑)。いやもちろん、ホラー映画しか観ないわけではありません。面白ければ大満足です。
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映画『黒い罠』

 映画マニアの友人と話していると、つくづく自分とは映画に対するスタンスが違うなあと思います。
「この映画は××監督で、主演の△△は云々かんぬん。誰それがカメオ出演していて……」など、彼は嬉しそうに話すのですが、私にはチンプンカンプン。私は昔から映画は好きで、けっこうな本数(ただし、かなり偏っている)を観ていますけれど、監督を意識することは少ないし、俳優に至ってはほぼノーチェック。まるっきり気にしていない(もっとはっきり言えば、知らない)と言ったほうがいいかもしれません。歴史的な流れにも無関心だし……。
 思い返せば、昔のテレビの洋画劇場。やはり解説者も、おもに話すのは監督や出演俳優の来歴でした。監督や俳優を楽しむのが映画鑑賞の本道なんでしょうかねえ。
 私はそんなものよりストーリーや映像表現を楽しみたいと思っています。大切なのは、俳優が過去にどんな映画に出演したか、ではなく、この映画ではどんな演技をしているか。それに、たとえば原作小説のある作品でしたら、小説を書いた作家の話とか小説と映画の違いとか、そっちのほうに興味があるのですが。
 とはいえ、映画マニアの気持ちもわかるんですよね。これでも私、若いころはSFマニアでした。ただSFを読むだけではなくて、歴史や書誌情報、裏話も含めて、あれこれの知識を詰め込みまくり。それを同好の士と語り合うのが楽しくて楽しくて。一時期のプロレス(この記事参照)に対しても同様でしたねえ。――それらと似たようなものではないかと想像するのです。
 映画もSFやプロレスと同じで、深い知識があれば、もっともっと楽しめるんだろうなあ。俳優の顔と名前くらい、ちゃんと識別できたほうがいいんだろうなあ。――なんて思う気持ちもないことはなく……。
 で、唐突ですが、昨日ブックオフで、こんな本を買いました。
◎デイヴィッド・クィンラン『クィンラン版 世界映画俳優大事典』講談社(02)
 A4判、800ページ超。――でかっ! 厚っ! 重っ!
 それにふさわしく圧倒的な情報量で、この本があれば、俳優について知りたいときに重宝するのは確実です。
 一昨日に観た映画『狩人の夜』で怪演したロバート・ミッチャムにしても、実は私、「名前に聞き覚えはあるけれど、顔は思い浮かばない」状態なのですが、この本を見ると――おお、こういう経歴なのか。へえ、『眼下の敵』とか『恐怖の岬』なんかにも出てたのか(嬉)。
 さすがに通読する気にはなりませんけれど、こういう本は眺めているだけで楽しいです。現在、ネットでも手軽に調べられますが、やはり私は書籍(=紙)が好きなんですね。
世界映画俳優大事典.jpg 黒い罠.jpg
 そんなこんなで昨夜、映画『黒い罠』(1958年)を観ました。映画マニアの友人に貸してもらった映画の2本目です。

 いわゆるフィルム・ノワール。面白く観ましたけれど、ノワール映画って、あまり私の好みではないんですよね。
 主演はチャールトン・ヘストン。この俳優はよく知っています。
 たとえば、好きな海外の映画俳優を3人挙げろ、と問われたら、すらすらと名前が出てくるのは――
 チャールトン・ヘストン、ハリソン・フォード、シガニー・ウィーバー。こんなところでしょうか。3人とも、私のなかに強烈な印象を残しています。ほかにもピンポイントでは『バーバレラ』のジェーン・フォンダとか『フェノミナ』のジェニファー・コネリーとか、何人かの顔が浮かびますけれど、この3人とは比較になりません。
『黒い罠』は、映画自体は(私の好みからすれば)今ひとつでしたが、チャールトン・ヘストンの若かりし姿を見ることができ、それだけでも満足です。
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映画『狩人の夜』


 映画マニアの友人に借りていたDVD3枚を返し、また彼のお勧め映画(ホラー、スリラー、サスペンス限定)のDVDを貸してもらいました。今度は4枚。
 どの順序で観てもいいのですが、今回も前回と同じく製作年の古い順に。
 ということで最初は1955年の『狩人の夜』です。
 いやあ、まさに見事なサイコ・サスペンス! 映画の楽しさを満喫しました。彼のお勧めにハズレなしです。
 映画自体には大満足ですが、ただ、ジャケットの解説には首を傾げましたねえ。
>服役中のハリーは、死刑囚ベンが銀行襲撃で得た大金を我が子の人形の中に隠した事実を聞きつけ、出所するやその家族に接近。
 なんて書いてある。いろいろな意味で、これはいけないでしょう(怒)。
狩人の夜.jpg 狩人の夜(文庫).jpg 月を盗んだ少年.jpg
 ところで。
 原作が気になって調べてみましたら――
 え? デイヴィス・グラッブの同名小説が原作?
『狩人の夜』? この本、買った記憶があるぞ。それに、デイヴィス・グラッブって、『月を盗んだ少年』ソノラマ文庫海外シリーズ(84)の作家ではないですか。うっひゃあ。
 書棚へ走ります。
 おお、ありました。>『狩人の夜』創元推理文庫(02)
 面白そうだなと思って買ったものの、そのまま放置。ま、よくあるパターンですな(苦笑)。
 毎度のことながら、深~く反省している次第であります。
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『一人三人集』

 11月3日の記事「ペンネームの話」で――
>「団友太郎」名義の自家製本は2冊――『大々的SF映画総括論』と『旧刊和書資料室』を作りました。
> う~~む、「江戸門戸狂人」と「風雅誠」名義の自家製本も作りたくなってきたぞ(笑)。
 と書きました。んで、ちょいちょいと作ってしまったのが下の3冊です。右端のは勢いで(笑)。うちのパソコンでは白く見えますが、実際にはクリーム色です。
デパート殺人事件.jpg 陰毛宇宙.jpg ベムたちの襲った夜.jpg
 その数日後です。
 これらを眺めていて、ふと長谷川海太郎を思い出しました。林不忘、牧逸馬、谷譲次という3つのペンネームを使い分け、そのそれぞれで大活躍していた作家です。最も知られているのは林不忘『丹下左膳』でしょうか。続いては牧逸馬『世界怪奇実話』かな。しかし私のなかで最も印象に残っているのは谷譲次『新巌窟王』ですね。もちろん私が『モンテクリスト伯』の大ファンだから、という理由が大きいでしょうけれど、夢中になって読んだことを思い出します。
 それらの作品群は『一人三人全集』として新潮社(全16巻)や河出書房新社(全6巻)から刊行され……。
 おお、そうだ!
一人三人集.jpg と閃きまして、さっそく作業開始。こんなの作っちゃいました。
 収録したのは上記3冊と、以前に作った『大々的SF映画総括論』です。テキスト原稿あり。書式設定の必要なし。文庫サイズの中綴じ冊子。発行部数僅少。――これだけの条件が揃えば、あっという間に完成しちゃいます。集中して作業をすれば1時間かからないでしょうね。
 作り終えてから、まだ冊子化していないもので作ればよかった、と思いましたけれど、まあそれは『一人三人集2』ということで……。いや、『一人四人集』とか『一人五人集』もできるな。ひょっとしたら、『一人十人集』も可能かも(笑)。
 ともあれ、すべて私が10代後半に書いたものです。いやあ、まさしく過去恥部作品集(笑)。めっちゃ恥ずかしいけれど、めっちゃ愛おしい。
 ちなみに、それぞれの残部は『デパート殺人事件』1冊、『陰毛宇宙』5冊、『ベムたちの襲った夜』2冊、『一人三人集』6冊となっています。

 以下、余談です。――というか、ブログ本来の趣旨からすれば、こちらが本題か(笑)。
 私が『新巌窟王』を読んだのは教養文庫版(全2冊/1975年刊)です。久しぶりに教養文庫の牧逸馬や谷譲次を手に取り、パラパラ。なんとなく牧逸馬『第七の天 ミステリーⅠ』『白仙境 ミステリーⅡ』の目次を見ると――おや、短い作品がどっさり!
 これは……。ショートショートの作家としても要チェック?
新巌窟王.jpg ミステリー.jpg

【追記】11月16日
旧刊和書資料室.jpg 団友太郎『旧刊和書資料室』を増刷しました。といっても、3部だけですが(笑)。初刷は8部発行でしたから、計11部となります。
 表紙の色がピンクから黄緑に変わっています。これは単純な理由でありまして……。
 増刷はするけど、たくさん作る気はないな。お、黄緑の紙が3冊分余ってるぞ。3冊じゃ、新たな本には使えないな。増刷なら3冊で充分だろ。
 とまあ、そんなわけです。
 私の保存用に1部、昨夜メールをくれた方(コメント欄参照)に1部。残る1部は在庫となります。
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『ジャック・リッチーのあの手この手』ほか

 新刊を買いました。
◎小鷹信光編訳/ジャック・リッチー『ジャック・リッチーのあの手この手』ハヤカワ・ミステリ(13)
 来年の年間ミステリ・アンケート、海外編の1冊はこれで決まりでしょうね。
◎瀬名秀明選/星新一『星新一すこしふしぎ傑作選』集英社みらい文庫(13)
 タイトルだけ見ると、藤子・F・不二雄かと思ってしまう(笑)。
 単行本未収録だったエッセイ「うきなす」が収録されています。この作品が収録されるに至った経緯には“瓢箪から駒”的なエピソードがあるのですが、これは私が書くべきものではないでしょう。
◎西崎憲編訳『怪奇小説日和 黄金時代傑作選』ちくま文庫(13)
『短篇小説日和 英国異色傑作選ちくま文庫(13)の姉妹編。買うでしょ。
ジャック・リッチーのあの手この手.jpg すこしふしぎ傑作選.jpg 怪奇小説日和.jpg
 古本も買いました。
◎ラムゼイ・キャンベル『無名恐怖』アーティストハウス(02)
 2012年8月4日の記事で――
> ラムジー・キャンベル単独の邦訳は長編『母親を喰った人形』ハヤカワ文庫NV(87)だけかと思っていましたが、『無名恐怖』アーティストハウス(02)なんて本も出ているのですね。知りませんでした。
 と書きました。ブックオフで見かけて、おお、これか、と購入。
◎戸田誠二『美咲ヶ丘ite 1』小学館・IKKI COMIX(08)
 最近、戸田誠二の短編マンガが気になっているのです。
◎田中与利子『火星の子供』文芸社(01)
 おそらく自費出版と思われます。タイトルが気になり、手に取りました。
 著者プロフィールには――
>愛読書はレイ・ブラッドベリの作品と柳田国男『遠野物語』。
 とあり、ああ、やっぱり。
無名恐怖.jpg 美咲ヶ丘ite1.jpg 火星の子供.jpg
◎「別冊宝島346 これで笑え! 古今東西のあらゆる《笑い》を完全に網羅した「笑撃」のスーパーガイド!!」宝島社(97)
 ともあれ、裏表紙をご覧ください(クリックで拡大)。買うでしょ。
これで笑え!.jpg これで笑え!(裏表紙).jpg
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『The三題話その10「チュっ!」』改訂新版

 橋本喬木さんから新著『The三題話その10「チュっ!」キスにまつわる17のお話たち 改訂新版』私家版(13)を送っていただきました。2年前に発行された同名書の新編集版です。旧版が在庫切れになり、それで改訂新版を発行することにしたそうで――すごい!
チュっ!.jpg まず目につくのは「まえがきに代えて」がそっくり入れ替わっていることです。新たな「まえがきに代えて」は、江坂遊編著『小さな物語のつくり方2 創作授業のすすめ方指南・星派道場樹立社(13)に収録されている著者インタビュー(コンテスト受賞者3人と江坂遊さんの座談会形式になっていますが、実際は……)の完全版で、こちらは対談形式です。
 私は以前、すべての対談バージョンを読ませていただいています。とても面白くて、ページの都合とはいえ大幅に割愛されちゃったのはもったいないなあと思っていました。こういう形で陽の目を見ることになり、よかったです。
 収録作品にも大きな異同があり、読んだことのない作品を読めるという楽しみもあります。いやもう、どうせなら、全部とっかえてしまえばよかったのに……。あ、そうなると、改訂新版ではなくなるか(笑)。
 ますますのご健筆を!
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「世界こわい話ふしぎな話傑作集」

 昨日の記事の【追記】で、金の星社「世界こわい話ふしぎな話傑作集」に触れました。いわゆる児童書ですが、けっこう楽しいラインナップ(要するに私好み)でして、古本屋で短編集やアンソロジーを見かけると買うようにしています。もちろん、安けりゃ買う、というスタンス。100円とか200円とか(笑)。
 特に集めようとは思っていませんが、この機会に全体を把握しておこうと思い立ち、簡単に調べてみました。

1:イギリス編『フランケンシュタイン』M・シェリー
2:イギリス編『吸血鬼ドラキュラ』ストーカー
3:イギリス編『呪いの魔法人形』ブラックウッドほか※アンソロジー
4:アメリカ編『悪魔のおとし子』ラブクラフトほか※アンソロジー
5:アメリカ編『モルグ街の殺人』ポー※短編集
6:アメリカ編『恐怖の王国』ビアス※短編集
7:フランス編『夜歩く手』モーパッサン※短編集
8:フランス編『黄金の脳を持つ男』ドーデほか※アンソロジー
9:フランス編『ビーナスの殺人』メリメほか※アンソロジー
10:アイルランド編『緑色の目の白いネコ』レ・ファニュ※短編集
11:ドイツ編『黄金のつぼ』ホフマン
12:ロシア編『魔女の復讐』ゴーゴリ※短編集
13:イギリス編『ジキル博士とハイド氏』スチーブンソン
14:イギリス編『恐怖の透明人間』ウェルズ
15:アメリカ編『毒草の少女』ホーソンほか※アンソロジー
16:アメリカ編『血を呼ぶ絵』ラブクラフトほか※アンソロジー
17:フランス編『死者のしかえし』レイほか※アンソロジー
18:フランス編『悪魔の肖像画』ネルバァル※短編集
19:アイルランド編『古い屋敷に残された話』レ・ファニュ※短編集
20:ロシア編『森の怪人』レスコフ
06恐怖の王国.jpg 07夜歩く手.jpg 08黄金の脳を持つ男.jpg
09ビーナスの殺人.jpg 13緑色の目の白いネコ.jpg 17死者のしかえし.jpg
 うちにあるのは書影の6冊だけです。
 個人短編集やアンソロジーが思っていた以上に多くて、びっくり。何冊か欲しいと思う本があり、古本屋に行く際、これまで以上に気に留めておきたいと思います。
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ジャン・レイのショートショート集

 ふーん、ジャン・レイか。懐かしいなあ。
 ――と(大方には意味不明なことを)呟きつつ、ジャン・レイのショートショート集リストをアップします。言わずもがなと思いますが、ジャン・レイはベルギーの幻想小説家です。
『ゴルフ奇譚集』白水社(85)
『新カンタベリー物語』創元推理文庫(86)
『ウイスキー奇譚集』白水社(89)
ゴルフ奇譚集.jpg 新カンタベリー物語.jpg ウイスキー奇譚集.jpg
 ほかに、うちにあるジャン・レイは長編『マルペルチュイ』月刊ペン社・妖精文庫(79)だけかな。短編集『幽霊の書』国書刊行会(79)は、買おうか迷っているうちに月日が過ぎ去りました(笑)。
 そういえば『マルペルチュイ』って、買っただけで読んでないなあ。この本が発売されたのは1979年の2月。このころの私は、とにかく小説を書くのが面白くて、「読んでる暇があったら書く」でした。結果、その年の10月に商業誌デビューすることができたのです。
 妖精文庫って、初期の巻はかなり読んでいて、だんだん読まなくなって、それでも惰性で買ってはいたのだけど、そのうち買わなくなって……。揃ってないし、ラインナップも把握していません。ショートショートの資料となり得るものだけは所有していると思うのですが……。
マルペルチュイ.jpg 死者のしかえし.jpg
【追記】
 ウィキペディアで「ジャン・レー」の項目を見たら、「作品リスト」に――
>榊原晃三訳『死者のしかえし』金の星社、1986年(下記『ウイスキー奇譚集』から数編を児童向けに抄訳したもの)
 どうしてここにアンソロジーを入れるかなあ。
 こんな書き方をすると、ジャン・レイ(ジャン・レー)単独の著作と勘違いしてしまうではありませんか。
 ちなみに、『死者のしかえし』に収録されているのは――
「なぞのスケッチ」E・シャトリアン
「分身人間」G・アポリネール
「死者のしかえし」ジャン・レイ
「恐ろしい約束」ジャン・レイ
「墓守りの告白」ジャン・レイ

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映画『悪を呼ぶ少年』



悪を呼ぶ少年.jpg 映画マニアにして幼稚園の先輩である友人に借りたDVD(映画)は、すでにブログに書いた『悪い種子』『ふるえて眠れ』、それに『悪を呼ぶ少年』です。前の2作はともに面白く、最後に残った『悪を呼ぶ少年』も期待大、いや超特大!
 実はこの映画、いつだったか忘れましたが、この友人に勧められ、DVDを貸してもらう約束をしていたのですよね。しかし互いに忘れてて、今回、ほかの2枚を貸してもらうことになって、「あ、そういえば『悪を呼ぶ少年』を借りてない……」となった次第。まあ、ボケおやじ同士の付き合いはこんなもんです(苦笑)。
 ということで今夜、『悪を呼ぶ少年』を観ました。1972年製作。貸してもらった3作のお勧めDVD、どの順番で観ようかと考えて、古い順に決めたのでした。
 で、最も新しい(といっても、いまから40年あまり前)『悪を呼ぶ少年』ですが、これも期待に違わず面白い! 特に驚愕の事実ですね。映画の中盤(1時間4分あたり)で、思わず「うぎゃ!」と叫びそうになりましたよ、ほんと。さすが、ボケおやじとはいえ、映画の鑑賞眼は確かですねえ。←彼がネット環境にないのをいいことに、好き勝手言ってる(笑)。
 友人はほかにもお勧めがあるみたいな話をしていました。次回、また貸してもらいましょう。
 私は映画が好きですが、観た映画も知識も偏りすぎ。映画全般に造詣の深い友人の存在は本当にありがたいです。

 1時間4分あたりの「うぎゃ!」ですが、映画を観終わってから、そういえば皿井垂『トラウマ日曜洋画劇場』彩図社(13)に『悪を呼ぶ少年』も採り上げられていたなあ……と思い出しました。
 で、確認。ええ、書いてありましたよ、「うぎゃ!」のこと。まあ、忘れていたのは情けないけれど、結果的には忘れていたのが正解と思います。映画をより楽しむことができましたから。
 ちなみに、『トラウマ日曜洋画劇場』は先月4日に購入して、すぐに読了。あれから1ヶ月しか経っていないのになあ。いやまあ、ボケおやじですから仕方ないですけれど(笑)。
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訃報:島倉千代子さん

 今月8日、歌手の島倉千代子さんがお亡くなりになりました。享年75。
 私の母とそんなに年齢の違わない(母と4歳差)方に言うのは失礼かとも思いますが、仕草、話し方、表情、歌い方……とにかく可愛い人だったという印象があります。特にファンということもなかったのですが、歌を聴くたび心が安らぐのを感じていました。
 訃報を聞いたとき、ブログに書く気はありませんでした。しかし、YouTubeで思い出の歌を聴いているうちに、なんとも言えない気持ちになりまして……。
 以下、特に私の印象に残っている歌をアップします。

『愛のさざなみ』


『からたち日記』『恋しているんだもん』『ほんきかしら』


『この世の花』


 素晴らしい歌をありがとうございました。
 ご冥福をお祈り申し上げます。
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映画『オーメン』


 先日の映画『悪い種子』の結末は、いろんな意味でショッキング。賛否両論があるだろうなあと思いました。残念ながら、私は「否」です。
 今朝、起床した途端になぜか――
 惜しいなあ。あの結末さえ違っていたら、完全無欠の大傑作(もちろん、私の個人的な好みで)になったかもしれないのに……。たとえば……。たとえば、どんな結末……?
 ああ、そうだ。『オーメン』みたいな終わり方がいいなあ。驚きは少ないし派手さはないけれど、この映画にふさわしいと思うなあ。
『オーメン』は1976年公開。この映画、劇場で観た記憶はないなあ。テレビで何度も放映されていたから、それで何度か観たのは間違いないなあ。レンタルビデオでも観たことがあるような気がする。
 無性に『オーメン』を観たくなって、古いビデオテープごそごそ。無事に発見し、ビデオデッキにセットしました。だいぶ前、NHK-BSで3部作が一挙放映されたときのもの。そのときは録画しただけで、観てないと思います。
 最後に観たのがいつなのか覚えていませんが、まあ、30年ぶりくらいでしょう。
 で、お目当ての結末。――うん! やはり、よい!
 これですよ、これ。『悪い種子』の結末も。あの子役なら見事に演じて(笑みを浮かべて)くれるはず。
 まあ、57年も前に作られた映画のことを今さら言っても始まらないのですが……。

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映画『ふるえて眠れ』


 昨夜の『悪い種子』に引き続き、今夜も幼稚園の先輩(笑)に貸してもらったDVDを観ました。『ふるえて眠れ』です。
 サスペンス要素満載のミステリ映画と言ったらいいのか、ミステリ要素のあるサスペンス映画と言ったらいいのか。いや、そんなジャンル分けは意味がないですね。ジャンルなんて超越して、抜群に面白かったです。
ふるえて眠れ.jpg『悪い種子』よりも長い131分。しかし、その長さを全く感じさせず、観ている間ずっと画面にどっぷりと浸りこんでいました。
 1964年の製作。半世紀も前の映画ということを考えると、もはや感動しかありません。こんな映画を観ないで過ごしてきたなんて、悔しい! ご覧になってない方には、超強烈にお勧めします。
『悪い種子』にしても『ふるえて眠れ』にしても、一番の魅力は役者たち(特に女優)の演技でしょうか。ハマりすぎてて、恐ろしくなるくらい。演出と演技で、ここまでのものを作り上げてしまうんですね。まさにプロフェッショナル! 感服!
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映画『悪い種子』


 先日、映画マニアの友人(幼稚園の先輩!)とホラー映画について話していて、
「子どもが殺人鬼の映画で、すごい傑作があって……え~と、なんだっけな。ほら、あれだよ」
「いやあ。そういう映画って、たくさんあるので……」
悪い種子.jpg「あ、思い出した。『悪い種子』だ。あれ、すごかっただろ」
「あ、それ観てない」
「え? ホラーが好きなのに、あれを観てないの」
「そんなに面白い?」
「そりゃもう、必見の傑作」
「観たいなあ。DVD、持ってます?」
「もちろん持ってる」
「貸して」
「いいよ」
 というような遣り取りがあり、昨日、『悪い種子』のDVDを貸してもらいました。
 つい先ほど観終わりまして……。
 うおー! ほんとに傑作! めちゃ恐い! ぞくぞくする!
 129分という長尺映画ですが、その長さを感じさせません。
 1956年の製作。私の生まれる前の映画ということを考えると、もはや感動しかないですね。こんな映画を観ないで過ごしてきたなんて、悔しい! ご覧になってない方には、超強烈にお勧めします。
 友人からは、「え? これを観てないの? 傑作だよ~ん」と、DVDをほかにも2枚貸してもらいました。素晴らしい映画鑑賞眼を持つ友人のお勧めですから、どれも期待度100パーセント。
 近いうちに観ようと思っています。

【註1】「幼稚園の先輩」と書きましたが、そんな昔からの付き合いではありません。何かの拍子に幼稚園の話題が出て、「あ、おんなじ」となったのです。
【註2】ホラー映画の話題から『悪い種子』の話になりましたが、この映画自体はホラーというよりスリラーでしょうね。ほんと、ぞくぞくしました。
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「本の窓」11月号

 拙ブログの読者のなかには、古くからSFファン活動をされている方も多いのではないかと推測します。
 そういう方々に、小学館のPR誌「本の窓」11月号はお勧めです。
 亀和田武の連載「60年代ポップ少年」の第26回は「私は「宇宙気流」と「宇宙塵」に育てられた少年だったのか」!
本の窓.jpg「宇宙塵」は今年、終焉を迎えました(この記事参照)。「宇宙気流」は1962年6月に創刊、1973年10月号(第83号)で休刊していましたが、2010年に復活。これまでに4冊が刊行されています。
「宇宙気流」1967年10月号(第50号)*当時、未刊行だった号を2010年8月に発行。(この記事参照)
「宇宙気流」2012年7月号(第84号)
「宇宙気流」2012年12月号(第85号)
「宇宙気流」2013年8月号(第86号)
宇宙気流50号.jpg 宇宙気流84号.jpg 宇宙気流85号.jpg 宇宙気流86号.jpg
 亀和田さんちのダンボールから、古い「宇宙気流」のバックナンバーが10冊ほど出てきたそうで、当時の思い出話を綴っています。
 多くは語りません。どうぞ書店にて、手に取ってみてください。>古くからのSFファンダム・ファンの皆さん
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ペンネームの話

 昨日、いろいろなものを発掘しました。〈中部皆〉会誌「ん?」京都旅行レポートはすでにブログで紹介しました。
 ほかにも「たいむましんにのって」というタイトルの原稿もありました。今年の8月に手作りした『たいむましんにのって』と同一? いや、それが違うのです。
 冊子『たいむましんにのって』をお持ちの方は、その冒頭をご覧ください。この小説は「一九九五年、地球上に超能力者が出現し始めた。それから四年、超能力者がどんどん増加した。/そして一九九九年、虐げられていた超能力者が反乱を起こし、世界は超能力者のものとなった」で始まります。つまり、超能力者が支配する世界の物語なのですね。
 それに対して発掘された「たいむましんにのって」には超能力者が生まれて世界を支配するようになるまでの物語が(途中まで)書かれています。原稿用紙24枚。
 へえ、こんなの書いていたのか。見てようやく、なんだかうっすらと思い出したような、思い出さないような……。
 原稿用紙には「江戸門戸狂人」と署名されています。これ、私の最初のペンネームです。あのころエドモンド・ハミルトンの小説を読み耽っていて、それでまあ「エドモンドに狂ってる人」と……(笑)。
 アマチュア時代、私はいろいろなペンネームで書き散らしていました。小説を書くときはおもに「風雅誠」、それ以外では「団友太郎」が多かったですね。「江戸門戸狂人」は本当に初期の短い期間(初めて小説を書いた中学3年から高校1年にかけて)だけだったと思います。
 中学3年のとき、最初に書いた小説は今年の5月に発掘しました(→このとき)。「デパート殺人事件」というタイトルで、原稿用紙8枚です。この小説はかなり気に入っていて、何度も何度も改稿。最終的には50枚近くなり、高校2年のとき、ガリ版ファンジンとして発行しました(→これ)。初稿では「江戸門戸狂人」名義でしたが、このときは「風雅誠」です。
「団友太郎」名義の自家製本は2冊――『大々的SF映画総括論』『旧刊和書資料室』を作りました。
 う~~む、「江戸門戸狂人」と「風雅誠」名義の自家製本も作りたくなってきたぞ(笑)。
「江戸門戸狂人」は処女作「デパート殺人事件」で決まりだけど、こんなもの、これまで以上に需要が少ないような気がするなあ。読みたい人、います?

【註】
 私が初めて書いたショートショートは「自殺するには……」で、「デパート殺人事件」は初めて書いた小説です。短いですけれどショートショートではなく、ただ単に力がなくて、この枚数しか書けなかっただけ。最終的には50枚近くになっているわけです。

【追記】
 私の商業誌デビュー作となる「目覚時計」の初稿(下書き?)も発掘しました。この記事に【追記2】として書いています。

【追記2】11月7日
『デパート殺人事件』の書影をアップします。コメント欄参照。
デパート殺人事件.jpg

【追記3】11月20日
 前に発掘した「たいむましんにのって」(発行済み)に新しく発見した「たいむましんにのって」+関連原稿を合わせ、『たいむましんにのって【完全版】』を作っちゃいました。中綴じで、本文60ページ。中綴じではこの厚さが限界に近いような気がします。ゆえあって、今回は付録冊子付きです(8ページ)。
たいむましんにのって【完全版】.jpg たいむましんにのって全集.jpg
【追記4】11月21日
【追記3】の「ゆえあって」とは、実は「【完全版】と銘打ちながら、発行直後、重要なものが抜けていることが発覚した」です。で、慌てて、それを収録した冊子を作り、挟みこんだ次第。
 これはこれで味があるのですが、きっちりとした形で1冊にまとめておきたいなあ、などと思い……作っちゃいました。>『たいむましんにのって全集』
 文庫のくせに2段組、さらに活字も小さくして、本文44ページに収めました。
 ちなみに、どちらも6部発行。前の『たいむましんにのって』は10部発行したのですが、なかなか捌けませんでした。その反省の上に、まあ6部(うち2部は保存用)なら捌けるかな、と。でも結局、ほとんど同じ内容のものを12冊も作ってしまったことになりますね(苦笑)。
 さてさて、在庫が切れるのはいつの日か。あ、そういえば、今月前半に作ったあれこれも、『デパート殺人事件』以外は在庫があるなあ。
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京都の思い出

 日本シリーズで気持ちが高ぶってしまい、私としては珍しく、こんな時刻まで起きています。以下、明日にでも書こうかと思っていたのですが……。

 学生時代の1978年3月24日から31日にかけて、京都に下宿していた中学の同級生Mくん宅(4畳の下宿)に泊めてもらい、京都や大阪をふらつきました。本日、そのときの記録ノートを発掘。綿密なレポートはもちろん、写真もたくさん貼られています。
 メインの目的は京都観光ですが、SFにまつわるあれこれもありました。SF関連のみ抜粋すると――
 3月25日:京都観光の途中、目についた古本屋で黒岩涙香『島の娘』(大正15年)を購入。1500円。
 3月26日:この日は大阪。SFファンの友人Hさんの案内で、まずは大阪城へ。大阪市立博物館でタイムカプセルを見る。続いて〈続・半客会〉の例会に出席。代表の加戸利一さんや、このブログでもお馴染みの山本孝一さんと初対面。この日、8月に訃報に接したIさんとも会ったのだなあ。初めて会ったときは社会人という記憶があったけど、そうか、大阪工大の学生だったか。
 下の写真は大阪城でのHさん、〈続・半客会〉の皆さん。(どちらも撮影は私)
大阪城.jpg 続・半客会.jpg
 3月29日:京都コマ・ゴールド劇場にて映画『シンドバッド 虎の目大冒険』『極底探険船ポーラーボーラ』鑑賞。そうか、『シンドバッド 虎の目大冒険』を観たのはこの日だったか。封切り時に劇場で観たと思っていたけど、翌年、2番館で観たのか。
 3月30日:朝8時半に山本孝一さんと高島屋前で待ち合わせ。私は下宿に泊めてもらっているMくんを同行。山本さんは友人Kさんを同行。4人で映画『フレッシュ・ゴードン』の試写会へ。大阪で山本さんに会った際、誘われたと書かれている。――そうだったのかあ。すっかり忘れていたけど、初めて会ったときからお世話になりまくっているのだなあ。ちょうど今年で35年。大感謝。>山本さん
金閣寺.jpg
 そんなこんなで、31日に名神ハイウェイバスで名古屋へ。いやあ、濃い8日間だったのですねえ。ちなみに、ほかの日はフツーに京都観光をしておりました。右の写真は金閣寺前の私(左端)。右の女性は無関係です。撮影したのはMくん。何か作為があるような(笑)。
 いやしかし、こういうのを読むと、自分の記憶がいかに当てにならないか――もっとはっきり言ってしまえば、信用できないか、痛感させられますな。
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『イン・ザ・ヘブン』

 新井素子さんから新刊『イン・ザ・ヘブン』新潮社(13)を送っていただきました。おお! 短編集! 短編やショートショートが計10編、それにエッセイ1編を収録。何編か既読作品もあります。
「あとがき」には――

 これは、私にとってはとても久しぶりの短編集です。
 うん、ショートショート集なんかを除くと、ほんっと……三十三年……ぶり?(自分で書いて自分で驚いている。)

 えー? そうだっけ。――と私も驚きます(笑)。
 当然のことのように気になるのは、33年前の短編集って? です。
 1980年の著作を見回すと、『グリーン・レクイエム』奇想天外社(80)ですか。これは「グリーン・レクイエム」「宇宙魚顚末記」という2中編+短編(というよりショートショートに近い)「週に一度のお食事を」、計3編を収録。
 ん? 『ブラックキャット1』集英社文庫コバルトシリーズ(84)はどうなんだろう。中編「ブラックキャット①」に加えて、「あ・ら・かると三品――お口にあいますように……」「山手線のあいちゃん」「夕暮れ・七つの情景」を収録(「山手線のあいちゃん」は短い短編、ほかの2編はオムニバス)。シリーズの第1巻だから外したのかもしれないけど……。いや、新井さん、たぶん忘れてるな(笑)。
イン・ザ・ヘブン.jpg グリーン・レクイエム.jpg ブラック・キャット1.jpg
 久しぶりに手に取った『グリーン・レクイエム』には新聞のスクラップが挟まっていました。「朝日新聞」1981年9月9日(水)朝刊。新井さんのインタビュー記事です。
 この口調、いまも変わらないなあ。

【追記】
「あとがき」からの引用に「ショートショート集なんかを除くと」とあります。新井さんのショートショート集って、とっくにブログで紹介していると思っていましたが、あらら、未紹介。
 いい機会ですから、ここでリストをアップします。
『季節のお話』徳間書店(90)/ブッキング(05)
『ちいさなおはなし』集英社(07)
季節のお話.jpg 季節のお話(復刊).jpg ちいさなおはなし.jpg
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「ん?」

 2012年9月14日の記事「筒井康隆ファンクラブの会誌・会報」で、〈中部皆〉会誌「ん?」を紹介しました。当該記事にアップした書影は、実は私が個人的にコピー&製本した合本(3部製作)なんですよね。
 原本は見当たらず、どこにあるのかなあ。と思っていましたところ、本日、ちょっと探しものをしていて――おお、こんなところに!
 全6号が揃っていて、しかも、自主映画『時をかけるゴロちゃん』のパンフレットやシナリオもありました。
 せっかくなので、すべての書影をアップしましょう。
◎中部皆会報「ん?」1号/奥付なし
◎中部皆会報「ん?」2号/1984年3月11日発行
◎中部皆会報「ん?」3号/奥付なし
1号.jpg 2号.jpg 3号.jpg
◎中部皆会報「ん?」4号/奥付なし
◎中部皆会報「ん?」5号/1985年1月13日発行
◎中部皆会報「ん?」6号/奥付なし
4号.jpg 5号.jpg 6号.jpg
◎『時をかけるゴロちゃん(中部皆創立10周年記念作品)』中部皆/1986年8月10日発行*自主映画パンフレット。合本に収録されています。
◎『シナリオ 時をかけるゴロちゃん』奥付なし*これは持っていることすら忘れていました。一般配布はされていないと思います。
パンフレット.jpg シナリオ.jpg
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水木しげる『火星年代記』

 水木しげる『火星年代記』小学館クリエイティブ(08)を読みました。やなぎプロ(62)の復刻版です。
 江戸時代を舞台にしたSFホラー。ユーモアやナンセンスもところどころに見られ、楽しかったです。こういうの好きですねえ。
 ブラッドベリとは関係なく、大胆なタイトルだなあと思いましたが、ふと――
 ブラッドベリの『火星年代記』って、いつ発行されたんだっけ?
 調べてみますと、ハヤカワSFシリーズ版は1963年刊。あら、水木しげる『火星年代記』のほうが先なんですね。(『THE MARTIAN CHRONICLES』の本邦初訳は1956年刊の元々社・最新科学小説全集ですが、このときの邦題は『火星人記録』)
 へえ。ちょっとした驚きでありました。
 ネット検索によれば、水木しげる『火星年代記』はデニス・ホイートリ『黒魔団』の翻案とのこと。この本、若いころに国書刊行会・ドラキュラ叢書版(76)で読んだ記憶がありますが、ストーリーは……。ま、そんなものです(笑)。
火星年代記.jpg 火星年代記(ブラッドベリ).jpg 火星人記録.jpg 黒魔団.jpg
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古本三昧

 8月から断続的に自家製本を作ってきました。最大10部しか作らないという、超限定版です。数えてみますと、試作品、ブログでは紹介していないものも含めて、計12冊。1冊あたりの部数が少ないとはいえ、総発行部数としては100冊近いのではないかと思います。
 もともと販売する気はなく、希望された方、興味を持っていただいた方、どうしても読んでほしい方に進呈してまいりました。あ、たまたま私と会った友人にも何冊か(笑)。それでも残部があったのですが、このたび見事に在庫一掃。すべて捌けました! いやあ、すっきり!(嬉)
 内容はともかく、稀少であることは確かです。邪険に扱わないでくださいね。
 ――って、まるでこれで終了みたいな書き方をしていますが、そんなことはありません。今後も気が向いたら作っていきたいと思っています。人気はなくても、手にしてくれた方々の評価は低くないような気がしているし、何より私自身が楽しいですから。

 さて、名古屋古書会館の即売会に行ってきました。
 まずは1階の100均コーナーで――
◎E=E= スミス『レンズマン①三惑星連合軍の戦い』講談社青い鳥文庫(84)
◎E=E= スミス『レンズマン②宇宙戦士レンズマン』講談社青い鳥文庫(84)
◎E=E= スミス『レンズマン③銀河パトロール隊』講談社青い鳥文庫(84)
◎E=E= スミス『レンズマン④戦うグレーレンズマン』講談社青い鳥文庫(84)
◎E=E= スミス『レンズマン⑤ボスコニア大戦争』講談社青い鳥文庫(84)
◎E=E= スミス『レンズマン⑥レンズマンの子どもたち』講談社青い鳥文庫(84)
 へえ、こんなの出てたのか。全巻揃ってるみたいだな。――買っちゃいました(笑)。
◎はかま満緒『渡世の仁義 オトナの歌集 お尻まるだしヘンな本』青春出版社・プレイブックス(70)
 シモネタ替え歌集。アホらしすぎて、もろに私好み(笑)。
 そのほか、冊数合わせ(文庫や新書は3冊100円なのです)に香山滋『ソロモンの桃』現代教養文庫(77)など。
三惑星連合軍の戦い.jpg レンズマン.jpg オトナの歌集.jpg ソロモンの桃.jpg
 2階の本会場で――
◎『別冊宝島345 雑誌狂時代!』宝島社(97)
 懐かしい雑誌がてんこ盛り。年表「雑誌カルチャー30年史」を眺めていると、当時のことを思い出します。
 その後、古書会館近くの古本屋で――
◎水木しげる『火星年代記』小学館クリエイティブ(08)
 この記事のコメント欄で香川治成さんに教えてもらった本です。読みたいなあと思っていました。
 あ、そうだ。先日の記事で第4巻だけが欠けていると書いた『世界SF大賞傑作選』ですが、その第4巻を2冊も見かけました(どちらの店でも、売っていたのはなぜかこの4巻のみ)。いささか悩みましたが、状態と値段が私の希望と合わず、2冊ともスルー。
 帰途、ブックオフに寄り――
◎戸田誠二『スキエンティア』小学館・BIG SPIRITS COMICS SPECIAl(10)
 TV『世にも奇妙な物語』でドラマ化された「ボディレンタル」も収録されています。
雑誌狂時代.jpg 火星年代記.jpg スキエンティア.jpg
 そのまま帰ろうかと思ったんですが、ふと、『なごや古本屋案内』風媒社(13)で紹介されていた古本カフェ「リチル」に行ってみようと思いつきました。
 本の数は少ないながらも、海外作家ではモラヴィアとか、日本人作家では山尾悠子とか、けっこう楽しい本が並んでいました。残念ながら買う本はありませんでしたが、休憩がてら、また寄ってみようと思います。
 続いて、『なごや古本屋案内』の編著者・鈴木創さんの経営する古書店「シマウマ書房」へ。世間話をしていましたら、いきなり、
「あ、そうそう。思い出した」
 と鈴木さん、どこからかダンボールを持ってきました。開けると、そこには眉村卓の角川文庫がどっさり。
「この前、ブログに書いてたでしょ。欲しいのあったら、どうぞ」
 うわあ。嬉しいなあ。(鈴木さんの言っているのは先月19日の記事「角川文庫の眉村卓」のことです)
 欠けている巻、そして『とらわれたスクールバス(全3巻)』(改題版『時空の旅人(全3巻)』しか持っていなかったのです)を買わせていただきました。『迷宮物語』が2冊あるのは表紙絵が違うからです。左が初版、右が再版。どちらも魅力的で1冊に絞れませんでした。
 鈴木さん、ありがとうございます。お陰さまで、残りは『幻影の構成』と『泣いたら死がくる』だけになりました。
眉村卓.jpg 迷宮物語.jpg
 古本三昧の1日。疲れましたが、楽しかったです。

【追記】
 眉村卓ですが、『幻影の構成』は早川書房・日本SFシリーズ(66)で、『泣いたら死がくる』は秋元文庫(77)で読みました。今のところ読み返す気はないし、テキスト的には角川文庫は必要ないんですが、ここまできたら揃えておきたいのが人情です。その気になって気に留めておけば、さほど難しくはないと思います。
幻影の構成.jpg 泣いたら死がくる.jpg
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